先輩からのお誘い
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『あと少しだったのになぁ。日本代表』
佐「まだしょんぼりしてんのかよ。いい加減…」
「おいバイト!しっかり働け!」
佐「はーい」
俺の名前は黒崎淳樹。今、物理室にいて佐久間敬とパソコンでOZにログインしてバイトをしている。
『本当にあと少しだったのに…日本代表』
佐「いい加減、新しいことに目を向けようぜ。女!どう!?女!夏と言ったらスイカと花火と女だろ!」
『スイカと花火で十分だ』
キーボードをカタカタと鳴らしながら会話をしていた。
佐「うっすい人生だな、おい」
『薄くたって軽くたってもいいだろ』
佐「それに淳樹は眼鏡外したほうがいい。そしたら俺とキャラ被んないし。あと、中学の時みたいに女にモテるのになー」
『キャラ被るとか言うなよ。それに昔の話はするな。俺がこうなったこと分かってんだろ』
佐「あー、そうだったな。わりぃ」
『分かればいい』
『「んお!?」』
扉が勢い良く開く音がして振り返ると、女子生徒が息を切らしてドアノブを握りしめたまま立っていた。
「ねぇ!バイトしない!?」
その人は久遠寺高校のアイドル、篠原夏希先輩だった。男女関係なくすごい人気者。俺も少し憧れている。
佐「今バイト中なんですけど…」
夏「え?バイト?」
佐「はい。OZのシステム保守点検ですよ」
夏「へー、OZの?すごーい」
佐「いやいや。末端の末端の末端ですから楽チンですよ」
夏「そっか…バイト中かぁ」
残念そうに肩を落とした。
夏「誰か居ないかなぁ。他にバイトしてくれる人」
『篠原先輩、僕で良かったら…』
佐「おい!こっちはどーすんだよ!」
立ち上がって志願したら佐久間に阻まれてしまう。
『…すいません、やっぱり無理です』
夏「駄目か・・・バイトって言っても私と田舎に旅行してもらうだけなんだけどな」
篠原先輩と旅行…!?
佐「はい、俺やります!」
夏「本当!?」
『はぁ!?なにそれ!?』
OZのバイトはどうすんだよ。
『お、僕も!』
夏「でも、2人じゃ多いかな」
『「え?」』
なんで?
夏「募集人員、1名なの」
人差し指を顔の前に出してウィンクしながら言った。1名って、それって先輩と2人で旅行…!?行きたいけど…昔の事を思い出して思いとどまってしまう。
佐「一人ですか!?よし淳樹ジャンケンだ!」
『え?いや僕は』
夏「そうね!ジャンケンで勝ったほうが私と旅行するってことで!」
『えっ、ちょっと…』
佐「いくぞ!ジャーンケーン…ポン!」
『おわっと!』
とっさにチョキを出した。佐久間はパー。
佐「だー!負けたー!」
佐久間が悔しそうに頭を抱えて叫んだ。勝っちゃったよ…
『…じゃあ佐久間、OZのバイトよろしくね』
夏「大樹くんで決まりね。旅行は明日だから。東京駅に11時20分に集合ね!」
『はい…って明日!!?』
それは凄く急ですね!?
夏「うん!明日よろしくね。淳樹くん」
『…はい』
夏「それじゃ、また明日!じゃあね!」
『はい…お疲れ様でした』
挨拶をして篠原先輩は颯爽と物理室を出て行った。
『明日か…佐久間、俺帰るわ。明日の準備しないといけないし』
佐「分かった。お前さ、この機会に性格戻せば?」
『駄目だよ。また誰かを傷つけるから…もう嫌だんだよ。誰かが傷つくのは…』
佐「もう前見たいにはならないと思うけどな」
『…じゃあな』
佐「ああ。俺の分まで楽しんできやがれ!」
『そのつもりだよ』
俺も物理室に出た。そんなこと言われなくても分かってる。でも、どうしても昔の事を思い出してしまう。