伊「あの洞窟です！」

戦場から離れ、デジヴァイスの信号を頼りにデジメンタルを探して走る事数分、火田くんが洞窟を見つけ指をさす。デジメンタルは洞窟の中にあるようだ。

「「「はぁ・・・はぁ・・・」」」

洞窟に着いてみんな荒い呼吸を整える。

『奥に続いているな』

洞窟の奥に進むと、何やら置物が置かれていた。

『火田くん。デジメンタルってこれのこと？』

伊「それです！」

タ「ということは、あのデジメンタルを持ち上げたら、また新しいデジモンが生まれるのかな？」

ヒ「でも選ばれし子供がいないわ」

タ「僕たちじゃ役に立たないんだね」

デジメンタルをマジマジと見ると何か紋章が刻まれている。

『…紋章みたいのが刻まれてるけど』

ヒ「あれは光の紋章！」

タ「え？」

ヒ「もう一つは希望の紋章よ！タケルくん！」

何かに気付いて2人もデジメンタルの所まで走ってくる。

タ「本当だ」

テ「じゃあ、これはヒカリとタケルのデジメンタル！？」

『この紋章は八神さんと高石くんと関係してるんだ…？』

状況がイマイチ分からないけど、2人の反応を見る限りは関係があるみたい。

パ「タケル。デジメンタルを持ち上げてみて」

タ「え、でも…」

『なんかよく分からないけど持ち上げてみたら？せっかく見つけたんだし』

ヒ「駄目！私たちには持ち上げられない！」

『…ああ、もうさっさとしてくれ。他のみんなは頑張って戦ってるんだ。早く助けに行かないと』

なかなかデジタルメンタルに手をかけない2人を急かす。何をそんなに自信がないんだ。

ヒ「淳樹くん…」

タ「…」

決心がついた2人はデジメンタルの前に立つ。その時。

ヒ「あっ！」

タ「デジヴァイスが光ってる！」

2人のデジヴァイスが光った。

ヒ「これは、淳樹くんたちと同じデジヴァイス！」

そして俺たちと同じデジヴァイスに変化した。

タ「どうして…」

そしてデジメンタルに手を伸ばす。

ヒ「あ、軽い」

タ「本当だ、軽い」

パ「パタモン、アーマー進化ー！天かける希望！ぺガスモン！」

テ「テイルモン、アーマー進化ー！微笑みの光！ネフェルティモン！」

テイルモンとパタモンがアーマー進化をした。

伊「パタモンとテイルモンがアーマー進化した…！」

ヒ「私たちだったんだ！私たちのデジメンタルだったんだ！ネフェルティモン！」

八神さんが嬉しそうにネフェルティモンの顔を抱きしめる。

テ「良かった、ヒカリ！これで私たちも戦える！」

パ「タケル！」

タ「うん。これでもう足でまといじゃないね」

高石くんもペガスモンと顔を合わせる。

『よし、早くみんなの所に行こう！』

高石くんと火田くんはぺガスモンに、俺は八神さんとネフェルティモンに乗って急いでみんなのところへ向かう。

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伊「大輔さーん！」

戦場に戻ってくると、崖っぶちに追い詰められていた。アーマー進化していた3人は成長期に戻って倒れていた。ドルモンとブイモンは辛うじて立ていた。

大「あれは！？｣

ネフェルティモンとペガスモンの姿に本宮くんは驚きの顔を見せる。

『みんな大丈夫か！』

俺たちはカイザーたちの後ろに降りて挟み撃ちにした。

カ「…所詮、仮の進化じゃないか。そんなもの何度も通用すると思うな！ティラノモン！」

カイザーはティラノモンの肩からおりてティラノモンに指示を出す。

ティ「ファイアーブレス！」

5体のティラノモンが一斉にネフェルティモンとぺガスモンに攻撃をするが、2体は空を飛んで避ける。

「「サンチュアリーバインド」」

パ「ニードルレイン！」

テ「ナイルジュアリー！」

サンチュアリーバインドでティラノモンの動きを封じて、ティラノモンたちの首を集中して攻撃をする。すると、ティラノモンたちの首についていた黒い輪が消え、正気に戻った。

『なるほどね…』

あの黒のリングでデジモンを操っているから首を狙ったのか。

京「リングが消えた…」

『っ…逃げ足が速いことで』

周りを見渡すとデジモンカイザーの姿がなかった。
ティラノモンたちを見送り、俺は現実世界に戻った。





～パソコン室～

ヒ「それにしてもあの子許せない！進化できない相手を狙い撃ちするなんて！」

大「だよな！俺が絶対ギャフンといわせてやるよ！」

ヒ「そう思うでしょ、淳樹くん」

デジタルワールドから戻ってきて、窓から夕焼けを眺めていると八神さんが話を振ってきた。

大「え！！？」

隣で喋ってた本宮くんが盛大にずっこける。

『そうだね。同じ人間とは思えない。それに「それにデジタルワールドが自分のものなんてどうかしてるよ」

俺が言おうとしてたのに、何故か高石くんが被せてきた。

伊「それにしても、デジメンタルって人によって違うんですね」

デジモンたちがお菓子の入った袋に群がってる姿を眺めながら火田くんは言った。さっきの戦いでお腹をすかせたのか、皆すごい勢いで食らいついている。

大「何、どういうことだぁ？」

伊「大輔さんと僕、京さんはデジメンタルからデジモンが出てきたけど、タケルさんとヒカリさんは違ってた。新しいデジモンは生まれなかったけど、元々居たデジモンがアーマー進化できましたね」

タ「うん。全然予想していなかった」

『あれだよ。2人もいらなかったって事じゃないの』

ヒ「でも、進化してくれてうれしかったよ」

アーマー進化、通常進化とは違ってデジモンカイザーの影響下でも進化が出来る。ブイモンとドルモンもアーマー進化出来るなら…。

京「あいつむかつくぅ」

伊「デジモンカイザーですか。一体あの人は何なんでしょうね」

大「なんにせよ、あいつのやってることは許せない！」

「「「「うん」」」」

『そうだね』

転校初日にいろんなことがあったけど、これからはこの皆で協力してデジタルワールドを平和にしていこうと、心の中でそっと決意をした。