ヒカリノキオク
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「不法侵入、不法侵入」
警告音と共にメトロポリスエリア内に響き渡る。不法侵入とはきっと俺たちのことだろう。大量のガードロモンが俺たちを排除しようと襲ってくる。
大「なんなんだよ、こいつら」
本宮くんがめんどくさいそうに嘆く。
京「後から後からどんどん出てくる」
『キリがない』
ガードロモンのイービルリングをいくら壊しても次々と出てくる。
伊「このまま消耗戦になるのは不利です。一度戻りましょう」
京「私も賛成。数じゃ適わないわ」
『俺も賛成』
アーマー進化しているデジモンたちが息を切らしている。成長期に戻るのも時間の問題だ。
大「逃げる?何弱気になってんだよ。ダークタワーはもうそこなんだぜ」
『本宮くん、デジモンたちの体力がもたないよ』
フ「すまない、腹が減った…」
ディ「オレも…」
案の定、フレイドラモンとディグモンが、ブイモンとアルマジモンに戻ってしまった。
『お疲れ様』
俺はへたれこんだブイモンとアルマジモンの所へ走っていき、ふたりを抱えて戻った。アルマジモン、少しダイエットをしようか。
タ「大輔くん。ここは一度戻って光子郎さんと作戦を立て直したほうがいいよ」
ヒ「テントモンがまた、新しい情報を仕入れているかもしれないわ」
大「しょうがねぇ…一度戻るぞ!」
『走れる?』
みんなと合流してブイモンとアルマジモンをおろす。
ブ「うん。淳樹ありがとう」
ア「ありがとうだぎゃあ」
『ブイモン、ドルモンまだいけるか?』
V「おう」
ド「大丈夫だ」
『よし、ブイモンは先頭の、俺とドルモンは後方を援護しながら戻るぞ』
V・ド「OK」
俺たちはテレビの所へ急いで戻った。
・
・
・
テレビのある路地に入り、先頭の井ノ上さんから順番にデジヴァイスをテレビに向けて現実世界に戻る。
V「淳樹!」
『大丈夫!』
最後尾の俺とドルモンは後ろを振り返り敵がいないことを確認する。ブイモンは本宮くんと一緒にテレビに吸い込まれていった。
『!?』
高石くんがテレビに吸い込まれているタイミングで右上の建物に1体のガードロモンが攻撃体勢になっていた。
『八神さん危ない!』
前を走る八神さんの腕を引いて抱き寄せる。
ヒ「きゃー!」
『くっ』
ガードロモンの攻撃がテレビを破壊する。その爆風から八神さんを守るように背を向ける。
『っ…ドルモン』
ド「おう!メタルキャノン!」
ドルモンが建物の上にいるガードロモンのイービルリングを破壊した。幸いにも1体しかいなかった。すぐさま物陰に移動して身を隠す。
ヒ「淳樹くん大丈夫!?」
『ああ。八神さんは怪我はない?』
ヒ「うん。淳樹くんのおかげで大丈夫」
『良かった。とりあえず、みんなに無事を連絡しよう』
ヒ「うん」
八神さんはディーターミナルを開いてメールを打つ。
ド「淳樹、大丈夫か」
『大丈夫』
しょげた顔で心配するドルモンの頭を優しく撫でてやる。心配性なやつだな。でも、このままじゃ無事にこのエリアを抜けることは難しいだろう。
テ「ヒカリ、いざとなったらアーマー進化。私はまだ戦える」
ヒ「うん、ありがとうテイルモン」
テイルモンは八神さんが大好きなんだな。不安にさせないように弱音を吐かない。俺も出し惜しみしている場合じゃない。
『ドルモン、進化だ』
ド「えっ」
ヒ「ドルモン進化できるの?」
テ「無理だわ。ダークタワーがあるのだから」
ド「ダメだ淳樹」
『緊急事態だ』
ド「だけど!」
ドルモンが素直に首を縦に振らないのは分かっていた。
『俺が前と変わらないっていうのか?』
ド「そうとは言わないけど」
『試してみたいんだ。今後のためにも』
ド「…分かった」
『ドルモン…進化だ』
デジヴァイスをドルモンに向けると、デジヴァイスとドルモンが光った。
ド「ドルモン進化!…ドルガモン!」
ヒ「ド、ドルモンが」
テ「進化した…どうして、ダークタワーがあるのに!?」
ドルモンが進化した事に八神さんとテイルモンが驚く。驚くのも無理もないが今は説明している暇はない。
『話は後で。それと、この事は内緒にしていてほしい』
ヒ「ドルモンが進化することを?どうして?」
『どうしてダークタワーなしで進化できるのか…その確証がないんだ。分かったらちゃんと自分で言うから』
ヒ「分かった」
ド「テイルモンも頼む」
テ「ええ、分かったわ」
『まずはここを出る。ドルガモン』
ド「うん。みんな乗って」
俺と八神さんとテイルモンはドルガモンの背中に乗って他のテレビを探しに飛んだ。
・
・
・
テ「一体テレビはどこにあるの!?」
ド「ここのエリアにはテレビはもうないのか!」
ガードロモンの群れの攻撃を交わしながらこのエリアのテレビを探し回っているが、ここにはもうテレビはないのかもしれない。
『隣のエリアに行くしかない』
ド「淳樹、身体は大丈夫か?」
『ああ、思った以上にピンピンしてる』
前と違って体格が大きくなり、体力も増えたおかげか、まだ負荷が少ない。
ド「良かった」
『ドルガモン、このエリアを出よう』
ド「ああ」
テ「ドルガモン、右!」
ド「!?」
建物の死角からガードロモンの攻撃が飛んできた。
ド「くっ」
『うわっ』
攻撃を交わすために急旋回したドルガモンの遠心力に耐えきれず、最後尾に乗っていた俺が振り落とされた。
ヒ「淳樹くん!」
ド「淳樹!」
『来るな!!』
空中で体勢を立て直して上手く受身をとって着地した。
『俺は大丈夫!八神さんとテイルモンの安全最優先!』
ヒ「嫌よ!」
ド「そうだよ!」
『どの道この数じゃ不利だ。本宮くんと高石くんがそろそろ来るだろうから、合流して連れて来てくれ』
瓦礫を拾って、ドルガモンの周囲にいるガードロモンに投げつけて、こちらに注意を引きつける。
ド「だけど!」
『ドルガモン!』
ド「っ…」
ヒ「また無茶をしないで!テイルモン!」
テ「ええ…わっ、ドルガモン!?」
ドルガモンの背中から飛び降りようとした2人をドルガモンが掴んで胸に抱き込んで飛んだ。
ド「すぐ連れてくるからくたばるなよ!」
『ああ、頼んだぞ!』
ドルガモンに背を向けて反対へ走る。
『ほら、こっちだ!』
瓦礫を拾ってはガードロモンに投げる、を続けて注意を引きつける。頼んだぞドルガモン。
・
・
・
ヒ「ドルガモン離して!淳樹くんを助けないと」
ドルガモンの手を離そうと力いっぱい両手に力を入れてもビクともしない。淳樹 くんを置いていくなんて嫌だよ。
ド「ダメだ!大輔たちと合流するんだ!」
ヒ「その間にも淳樹くんが!」
ド「大丈夫だから!」
ヒ「!?」
頬に何か液体が触れた。見上げるとドルガモンが泣いていた。
ヒ「ドルガモン…」
本当はドルガモンもすぐにでも助けに行きたいんだ。だけど淳樹くんの事を信じて…
ヒ「テイルモン、アーマー進化よ」
テ「ええ」
ド「おい!」
ヒ「デジメンタルアップ!」
掛け声とともにテイルモンとデジヴァイスが光り、ドルガモンはテイルモンと私を離した。
テ「テイルモンアーマー進化!微笑みの光ネフェルティモン!」
ド「2人で戻ってもあの数相手は無理だ!」
ヒ「いえ、戻らないわ。手分けして大輔くんたちを探しましょう」
ネ「ええ、その方が効率がいいわ」
ド「そう、だな。俺はこっちを探す!」
ヒ「私たちはこっちを!」
ドルガモンと二手に分かれて大輔くんたちを探すことにした。最悪、見つからなかったら私たちだけでも淳樹くんの所へ…。
・
・
・
ド「大輔たちは…ブイモンはどこだ!」
ヒカリと二手に分かれて大輔たちを探す。きっとブイモンも大輔たちについてきているだろう。俺とブイモンならあの数のガードロモンを倒せるはず。
ド「っ!?」
地上から気配を感じて見下ろすと、斬撃がこちらに向かってきた。
ド「誰だ!」
斬撃を避けたが、風圧で体勢を崩し、地上へ降りた。
ア「侵入者を排除する」
ド「アンドロモン」
完全体のアンドロモンが立っていた。首にはイービルリングが着いている。完全体も操れるのか。
ア「スパイラルソード!」
アンドロモンの腕が剣に変わり、こちらに向かってきた振りかぶった。
ド「何度も同じ手を食らうか…ぐわ!」
斬撃を避けたが斬撃は消えず、ブーメランのように戻ってきて俺の背中に当たった。完全体だと力が違う。
ド「だけど、今の俺は進化している。完全体相手でも戦える!パワーメタル!」
早くここから脱出して応援を呼ぶんだ。