ダークタワー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
パソコン室に着いて、少ししたら本宮くんが来て、その後に高石くんとお兄さんの石田ヤマト先輩が来た。
京「選ばれし子供たち、出動!」
そして井ノ上さんのいつもの掛け声で、デジタルワールドに向かった。
~・~
デジタルワールドに着くと目の前にデジモンが倒れていた。
ヤ「ガブモン!」
石田先輩が真っ先に倒れているデジモンの所に走った。あのデジモンは石田先輩のパートナーデジモンなのかな。
ガ「うぅっ…ヤマト?」
そのデジモンはゆっくりと起き上がる。
ヤ「しっかりしろ、ガブモン!」
ガ「ああぁ…会いたかったよ!」
石田先輩の顔を見て笑顔を見せる。
ヤ「どうしたんだ。なにがあったんだ?」
ガ「うん、実はね…」
京「みんな!」
後方にあるテレビが付いて、画面には井ノ上さんがうっていた。
『あれ…?』
なんで井ノ上さんこっちに来てないの?さっき掛け声してたよね?
京「私、泉先輩にデジヴァイス返しにもらっていってくる」
ホ「その間、私が連絡役を務めます。よろしく」
井ノ上さんがテレビ画面から消え、今度はポロモンが出てきた。そっか、デジヴァイスがなかったからか。
大「了解!」
テ「このテレビが向こうの世界にSOS信号を送るのね。アグモンが太一に連絡したのも、やっぱりテレビだって言ってた」
『へー「そうなんだ」』
『「え?」』
なんと俺と八神さんの声が被った。
V「あ、淳樹とヒカリがハモった」
ド「二人とも同じこと考えてたんだね」ニヤニヤ
『別に、ハモってもわるくないだろ…』
何ニヤついてるんだこいつらは。
V「あれだよ、あれ!これってですてに~?だっけ?」
『それを言うならディスティニー、だろ』
ド「日本語に訳すと“運命”」
『よく知ってるじゃん』
ヒ「…」
テ「ヒカリ、どうしたの?」
ヒ「へっ?いやっ、なんでもないよ、テイルモン」
テ「ふーん、そう」
テイルモンもなんだかにやけている。何なんだろうか。
パ「みんな。目的地が分かったよ」
大「そうか。じゃあ、行こうぜ!」
ブ「おー!」
~・~
ガ「あのサンタゲリアって街だ。平和な街だったんだけど、デジモンカイザーがやってきて街のデジモンたちは牢獄の中」
ガブモンの後について行き、森を抜けると目的の街が見えた。
テ「あ、あの塔。ゴツモンたちのとこにもあった」
ガ「ダークタワーって言うんだ」
『ダークタワー?』
ガ「うん。デジモンカイザーが建てった」
ダークタワー、か。なんのために建ているんだ?占拠したって意味か?いや、そんな理由だけで建てるようなやつじゃないだろう。
大「よし!行こう」
ヤ「待て」
大「ん?」
張りきって街に向かおうとする本宮くんを石田先輩は止めた。
ヤ「もう一度念を押しとくぞ。俺たちの目的は捕らわれたデジモンたちの解放だ」
大「分かってるよ。なに、アーマー進化すればあっという間さ」
石田先輩の言葉を軽く流して本宮くんはまた歩き出そうとする。
タ「駄目だよ」
大「んぁ?」
タ「そんなことしたら人質のデジモンたちを盾にするかも」
ヒ「そうね。人質を救出したのに、それじゃ本末転倒だわ」
大「ええー…」
『俺も2人の意見に賛成だ』
パ「見張りはべジーモンだよね。ウンチ攻撃を仕掛けてくる」
ヤ「レッドべジーモンってどんな奴だっけ?」
パ「えっとね…」
『レッドだけに赤いだろ?』
V「そうだね」
タ「淳樹くん、ちょっとはまじめに…」
『俺はいつもまじめだぞ?』
ド「どこが」
『なんか言ったかドルモン?』
ド「何にもー」
ヤ「よし。じゃ、牢獄に潜入だ」
高石くんもとアホらしい話をしてる間に石田先輩とパタモンの話が終わって先輩が先陣をきっては歩き出した。
大「ちょいまち!」
みんな先輩の後に続くと今度は本宮くんが呼び止める。
『今度は何、本宮くん』
それに俺と八神さん、高石くんと火田くんが足を止めた。先輩とデジモンたちは止まらず先に進む。
大「ヒカリちゃんも連れて行くのか?俺は反対だ。ウンチな敵が相手なんだろう」
ヒ「大丈夫よ」
タ「ウンチ攻撃なら前の冒険で見たことあるもんね」
ヒ「うん」
『へー、前の冒険…今度その話聞かせてよ』
ヒ「うん、いいよ」
大「てんめぇ、タケル!お前にはテレパシーってもんがねえのかよ!」
『テレパシー…ぷっ、あははは!本宮くんサイコーだわ』
伊「デリカシーの間違えじゃ?」
全「あはははは!」
本宮くんの間違えにみんな笑う。ニュアンスは似てるけど全然違うよ。
大「うぬぬ…ふん!」
羞恥のあまり、本宮くんは顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
『あははは…でもさ、そのときは本宮くんが八神さんを守れば解決じゃないかな?』
大「へ?…そ、そうか、そうだよな!」
『任せたよ』
ヒ「淳樹くんは…?」
『?』
服の袖を引っ張られる。引っ張られる手を辿って八神さんの顔を見ると、不安そうな顔をしている。
ヒ「淳樹くんも守ってくれないの?」
『えっと…もちろん、俺も守るよ』
袖を掴んでいる手に自分の手を重ねる。少しでも不安が和らいでくれればいいけど。
大「俺がヒカリちゃんを守る!!」
本宮くんが俺と八神さんの間に半ば強引に入ってきて2人の距離は自然と遠くなる。
『うん、そのいきだ。じゃ、行こうか』
伊「はい」
ヒ「うん」
タ「…僕だって」
話がまとまり、俺たちは先輩たちの後を追った。
~・~
「止まれ!貴様ら何者だ!」
デジモンたちが捕らわれている牢獄の入り口には、リングで操られているべジーモンたちがいた。
テ「脱走したデジモンとその仲間たちを捕まえてきたわ」
なぜテイルモンがこういってるかと言うと、石田先輩の作戦で、みんなのデジモンたちが偽者のリングをつけ、俺たちを捕まえたことにして中へ入るっていうわけだ。
パ「牢獄にぶち込んでやる!」
ア「ほれ!さっさといくだぎゃあ」
作戦は成功してあっさりと中に入れた。
「ぎゃははは!」
後ろからはべジーモンたちの笑い声が聞こえた。笑ってるのも今のうちさ。
パ「偽のリングだってことは気づかれなかったね」
テ「だからと言って油断は禁物よ。私たちこれから敵の真っ只中に行こうとしてるんだから」
テイルモンの言う通り、油断せずに行こう。
~・~
「おら!ぐずぐずするな!」
ヤ「うっ!」
牢屋に着いたら別のべジーモンが4体いて、俺たちは強引に牢屋へ入れられた。その牢屋には他に囚われてるデジモンたちもいた。
「お前たち全員、明日百叩きの刑だ!ぎゃっははは!お前らご苦労だったな…え!?」
べジーモンはテイルモンたちがリングをはずすとこを見て驚いた。
テ「あんたたちもご苦労様。ネコパンチ!」
「ぎゃー!」
テイルモンに飛ばされたべジーモンは牢屋の柱にぶつかり戦闘不能。他のべジーモンはアルマジモンとブイモンにやられて戦闘不能になった。俺たちは牢屋にいた街のデジモンを連れて牢屋を出た。作戦はいい方向へと進んでいる。
~・~
V「ようし、このまま一気に外へゴーだ!」
『ブイモン、あんま大きな声出すなよ』
V「ごめんごめん」
パ「ああ!ストップ!」
外へ出ようと街中を走っていると先に飛んでいたパタモンが皆を止める。
『うおっと。どうしたパタモン』
パ「あれ!」
パタモンは何かに向かって指した。
大「どれどれ」
本宮くんとブイモンが物陰からそっと覗く。
ブ「いつの間にか見張りがウジャウジャいるよ!」
大「俺たちの出番のようだな」
そういい、本宮くんはデジヴァイスを持って物陰から姿を出そうとした。
ヤ「待てよ。折角救い出したデジモンたちまで巻き添えにする気か!」
大「…くっ」
それを石田先輩に止められて本宮くんは悔しそうな顔をする。
ガ「上へ行こう。あの黒い塔の丘に行けば…」
パ「それに賛成」
みんなはパタモンの後をおって上の丘へ目指した。
大「…なんでいなんでい!」
ブ「大輔…」
納得のいかない本宮くんは叫んだ。
『…』
その声は虚しくも皆には届かず俺も聞こえないふりをして丘を目指す。
~丘に移動中~
タ「そう言えば大輔くん。今日、君のお姉さんに会ったよ」
丘に向かっている途中、高石くんが気を遣ってか、本宮くんに話しかる。
大「ん~、だから?」
それを本宮くんは不機嫌そうに返事をした。
タ「だからって…?」
大「なんか俺の悪口言ってたろ」
タ「別に?」
大「いや、なんか言ってたさ。会う人事、俺の悪口言わないと気がすまないらしいから。俺の事嫌いなんだよ。ま、俺もあいつのこと嫌いだからお互い様だけどな」
ヤ「おい!何悪ぶってんだ」
怒った石田先輩が走ってきて本宮くんの胸ぐらを掴んだ。
大「なんだよ!」
ヤ「お前がもし俺の弟だったら許さないね!ぶん殴ってやる!」
大「おもしれえ。殴ってみろよ!」
本宮くんが先輩に挑発すると先輩は拳を上げた。ちょっと、待てよ。
『やめてください。今は仲間割れしてる場合じゃないでしょ!』
タ「お兄ちゃんやめて!殴らないよね?そんなことしないよね?」
俺と高石くんが間に入って喧嘩を止める。今は仲間同士で喧嘩して場合じゃないだろ。
ヤ「…殴らないさ。しかし、口の利き方には気をつけるんだな!」
そう忠告して再び丘に向かって歩き出した。
大「いちいちうるせえやろうだなあ!俺があの馬鹿女のことどう言おうが俺の勝手じゃねえか」
『本宮くん』
ヒ「やめて大輔くん」
次は八神さんがやってきた。
大「え?」
ヒ「自分のお姉さんのこと悪く言う人は、嫌いよ」
大「き、嫌い…!」
八神さんの一言で本宮くんの顔が一変した。
好きな子に嫌いって言われたそりゃショックだよな。
ヒ「淳樹くん、行きましょう」
八神さんはみんなの後を追って再び坂を登る。本宮くんは八神さんに嫌われて相当ショックを受けているようで、ガクッと肩から落ち込んでいた。
『本宮くん、君は毎日兄弟や家族に会えていいじゃない。会いたくても会えない人だっているんだからさ』
俺もみんなの後を追って早足で坂を登った。
~・~
タ「ここを降りるの!?」
ヒ「高過ぎる、無理よ」
『…自殺行為だろ』
丘に到着して丘の先の崖から降りるらしいが、とても安全に降りれる高さなんかではなかった。
ヤ「ロープを使って降りるしかないな」
ガ「俺が戻ってロープを取ってくるよ」
ガブモンは来た道を戻ろうと走り出した。ロープあっても…ないよりはマシか。
「待ってくれ!」
ガ「えっ」
囚われていたデシモンの一人が走っていたガブモンを呼び止めた。
「助けてくれたお礼に俺達が変わりに取りに行くよ」
ガ「ありがとう。じゃあ一緒に行こう」
今度は3人でロープを取りに行こうとした。
「うわっ!」
ガ「うぇ!」
ガブモンたちが悲鳴をあげた。ガブモンの頭にはピンク色のうんちが乗っかっている。
『うわぁ、ばっちいな』
レ「ははっ!そうはさせねぇぞ!」
さっき来た道をレッドベジーモンとベジーモンたちが塞いでいた。
ブ「あいつ…よし、俺が!大輔見ててよ!」
大「え?」
ブ「あいつ色は赤いけど、ベジーモンの仲間だろ?そんなに強くないはずだ」
そうだけど、本宮くんのブイモン一人で勝てるかどうかは五分五分だぞ。俺のブイモンならまだしも…
ブ「俺がカッコいいところ見せるから大輔も元気になって!」
大「元気にって…」
ブイモンはレッドベジーモンのところへ走った。
『待て、ブイモン』
レ「調子乗ってると痛い目見るぜ!」
レッドベジーモンはブイモンに拳を放った。
『危ない!』
俺は走ってブイモンを押し飛ばした。
ブ「わっ!淳樹!?」
飛んできたレッドベジーモンの腕を体で受け止めた。チクチクしててとても痛い。
レ「なっ!人間風情が、調子乗るんじゃねぇ!“レッドホットマシンガン”!」
レッドベジーモンの攻撃に怯んでしまい、次の攻撃もうけてしまう。
『痛っ!てか、あつっ!』
唐辛子みたいなものが飛んできて顔に命中した。地味に痛くてその場でうずくまってしまう。
V・ド「淳樹!」
怯んでる内にレッドベジーモンの長い腕によって拘束された。クソ、油断した。他のみんなもベジーモンたちに拘束されてしまった。
ヒ「淳樹くん!」
『や、八神さん…みんな、ごめん』
レ「こいつには罰として百叩きの刑だ!」
ブ「やめろ!やるなら俺にしろ!」
?「そうか。ならお前も百叩きの刑だ!」
ブ「え、うわっ!」
ダークタワーのほうからレッドベジーモンと同じような腕がブイモンを拘束した。
「弟よ、来るのがおせーよ」
するともう1体レッドベジーモンが現れた。
弟「すまねえ兄貴、道に迷っちまって」
「一本道だろうが!ま、いい。今からこいつらを百叩きの刑にしてやるから、よく見とけ!それ、いーち!にー!」
レッドベジーモンたちはみんなから離れた場所に移動して俺とブイモンを攻撃しはじめた。
『つうっ…』
2、3発くらったが、倒れず踏みとどまった。
「なかなかいい根性してるじゃねえか」
『生憎、すぐに倒れるような体してないからね』
「ちっ、その強がりもいつまでつづくかな!」
『ぐっ…かはっ』
レッドベジーモンは容赦なく攻撃をしつづけた。
~・~
「…73、74、75!」
『ま…まだだ!』
レッドベジーモンの攻撃が70を超える。もうどのくらい経ったのか分からないくらい俺の意識は朦朧としていた。しかし俺はまだ倒れる訳にはいかない。
「しぶてえ野郎だな!」
『ははっ、しぶといのをウリにしてるからな』
「クソがっ」
かなかな倒れない俺にレッドベジーモンの怒りが増していく。
ブ「うわー!」
弟「なんだなんだー?70でおしまいかー?」
隣で同じように殴られているブイモンの悲鳴が聞こえた。
『ブイモン!』
ブイモンは立つのもやっという状態だった。このままだとブイモンが危ない。
弟「あ?」
ブ「淳樹!?」
ヒ「淳樹くん!?」
レ「貴様、どういうつもりだぁ?」
『ブイモンの残りも俺が全部受ける』
俺は倒れてるブイモンの前に守るように背中を向けて立つ。もうこれ以上ブイモンの苦しむところなんて見たくない。
レ「てめぇ、死に急いでんのか!?」
ブ「淳樹!何言ってんだよ!?死んじゃうよ!?」
『いいから、黙って休んでろ』
ブ「嫌だ!だったら淳樹の分まで俺が…うぐっ」
ブイモンの腹を思い切り殴って気絶させた。傷に響くから耳元で騒がないでくれ。
大「淳樹!?ブイモンになにしてんだ!」
『言っても聞かなそうだったから寝てもらっただけだよ。さあ、俺しか動けるやつはいなくなった。かかってこいよ』
レ「仲間を気絶させてまでてめえが受けるってか」
弟「はっ、腐ってやがるぜ!いいぜ、そいつの分もてめぇにくれてやる!」
『ああ、こい!』
その後、レッドベジーモン兄弟は容赦なく俺に攻撃をし続けた。
~・~
レ「95!」
『ぐっ…』
ブイモンの分が終わって自分の残りを受けてやっと95回目。流石に100回とちょっとは堪える。
ド「もうやめろ!!」
V「そうだよ!!やるなら俺達を代わりにやれ!!」
ベジーモンたちに拘束されてるドルモンとブイモンが必死に叫ぶ。
レ「美しい友情だねぇ…安心しろ、こいつが終わったら順番に相手してやる…96!」
『うっ…』
レ「97、98、99!」
『…!』
99回目で背中に何かがぶつかった。かろうじて顔を動かして確認すると、ダークタワーだった。その衝撃でタワーにヒビが入っている。俺は咄嗟に思いつき、次の攻撃に備える。
レ「よく耐えたな…でもこれで最後だ!」
「やめろー!!」
レッドベジーモンの最後の攻撃にみんなが叫ぶ。
『はっ』
力を振り絞ってレッドベジーモンの攻撃を避けてダークタワーにめり込んだ。するとダークタワーに亀裂が走る。
ヤ「あ、デジヴァイスが!」
石田先輩のデジヴァイスが光だした。その光で先輩を拘束してたベジーモンが驚いて離れた。
ガ「ヤマト!」
ヤ「ああ、ガブモン、進化だ!」
ガ「ガブモン進化!ガルルモン!」
『進化、した…』
その光景を見た途端、安心して力が抜けて大の字に倒れた。
ド・V「淳樹!!」
ドルモンとブイモンがベジーモンの拘束から解放され真っ先に俺のところに駆け寄った。
ド「無茶しやがって!」
『修行の成果ってやつだな』
V「呑気な事言ってんなよ、バカ!!」
心配かけまいと言ったものの逆効果だった。
『ごめん…心配してくれてありがとな』
目元に涙を溜めて我慢してるブイモンの頭を撫でてあやしてやる。
ヒ「淳樹くん!」
ドルモンとブイモンの後から、次は八神さんが駆け寄ってくれた。
『八神さん』
ヒ「バカ!なんであんな無茶するの!」
『ごめん…でも大丈夫だから』
痛む体にムチを打って上体を起こす。
ヒ「死んじゃうかと思ったんだから…」
『あ…』
八神さんの目から涙が零れた。それを見て思わず心臓がはねた。
『ご、ごめん…えっと…』
女の子が泣いてる時、どうすればいいんだ。俺にはその経験がなくて焦る。
ヒ「えっ…」
咄嗟にドルモンとブイモンが落ち込んだ時みたいに八神さんの頭を撫でた。
『俺のために泣いてくれて、ありがとう』
ヒ「…うん」
なんだ、この背中がムズムズするような空気は。
『!?』
慣れない状況に戸惑っていると、大きな音と地響きが鳴った。
ド「あ、ダークタワーを倒したんだ」
音と地響きの正体はダークタワーが倒れたものだった。
伊「イービルリングの効力が消えています」
イービルリングを付けていたベジーモンたちが正気に戻った。なるほど、そういう事か。
京「なるほどそういうわけか」
井ノ上さん…に八神先輩と泉先輩がいつの間にかデジタルワールドに来ていた。
ホ「何が、そういうわけ、なんですか?」
京「この塔はただの飾りじゃないって事。デジモンカイザーのパワーをキャッチしてここ一面に広める、電波塔みたいな役割を果たしてるんだわ…そうですよね、泉先輩」
光「はい、その推理が正しいと思います」
太「なるほどな…これで選ばれし子供たちの目的もハッキリしたな」
ヤ「ああ。デジモンカイザーが支配する建てられた塔を、片っ端からぶっ壊して行く事だ」
タ「頑張るよ、お兄ちゃん」
大「俺だって!」
ア「塔を破壊して進化できれば!」
テ「こっちのもんよ!」
太「よし、アグモン!ゴツモンたちのエリアに行くぞ!」
目的が明確にみんなの士気が上がっていく。
『よし、そうとなれば少しでも塔を壊しにいくか…いてて』
みんなの勢いに乗ろうと立ち上がろうとしたら体全身に痛みが走った。
ド「バカ、淳樹は休んでろ」
V「そうだよ」
『なんだよ。せっかくみんなの勢いに乗ろうと思ったのに』
ド「…そうだ。ヒカリ、淳樹を見張っててくれないか?」
ヒ「えっ」
テ「それは名案だわ。ヒカリ頼んだわよ」
ヒ「え、ちょっと、テイルモンまで!?」
V「ヒカリが見張っててくれば淳樹も大人しくなるからさ」
『おい、お前ら。俺をなんだと思ってんだ』
俺はそこまで子供じゃないぞ。
ド「けが人だろ。テイルモン、ブイモン、太一たちと塔を倒しに行こ」
V「おう!」
テ「ええ」
『おいっ…ってあいつら』
3人は俺の返事を聞かず走って行ってしまった。
ヒ「淳樹くん、どこにも行かないでね」
『…行かないよ』
君にまた泣かれると参っちゃうから。だからそんな心配な顔をしないでくれ。
俺は観念してみんなが塔を破壊してるのを八神さんと眺めていた。
2/2ページ