学び舎の園
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【今、佐天さんが犯人と接触してそちらに向かっています】
『あいよ』
俺は初春に指示された場所に着いた。インカム越しに初春から状況を伝える。俺は多重能力者(デュアルスキル)の一つ、風力使いで周りの風の流れを読む。姿が見えなくても走れば風は出る。
『…そこだ!』
俺は犯人の腕を掴んだ。すると人の姿が現れた。
「えっ!なんで!?」
『よくも俺の可愛い後輩の顔に落書きしてくれたね』
「なんで男がいるの!?」
『さぁ、大人しく捕まっ…だっ』
話している途中で激痛が走った。思わず犯人の手を離して、その場に倒れてしまった。顔だけ上げると片手にスタンガンを持っていた。そうかスタンガンで気絶させてその隙に書いていたってわけか。
『うぐっ』
犯人はすぐさま立ち去ってしまった。
「先輩、大丈夫ですか!」
犯人の跡を追いかけてきた佐天さんがやってきた。
『あぁ、大丈夫だ。俺のことより犯人を追って。俺も後からいく』
「分かりました」
佐天さんは再び犯人を追いかけた。
【先輩、大丈夫ですか!?】
インカムから初春の声が聞こえる。
『大丈夫だ。少し休めば動ける』
「分かりました。あまり無茶しないでくださいね」
『あぁ』
【それと、動けるようになったら言ってください。すぐ指示を出しますので】
『分かった』
『よし…初春、指示を出してくれ』
【もう大丈夫なんですか?】
『あぁ』
少しして痺れも治まり立ち上がった。うん、足もふらつきなし。
【分かりました。今、犯人が公園に向かっています。他のみんなも向かっていますので、先輩も向かってください】
『了解』
初春の指示で俺は公園に向かった。
~・~
『やっと捕まえたか』
俺が公園に着いた時には犯人は眠っていた。
「先輩!大丈夫ですか!?」
『ああ、大丈夫だ』
「淳樹さん、何があったんですの?」
『油断してスタンガンでやられた』
「アンタ、体大丈夫なの?」
『大丈夫。それより、その子とりあえずベンチに運ぼうか』
犯人に近寄って抱き抱えてベンチに向かう。
「そーね…ってまた!?」
『よし…にしても、この子といい佐天さんといい軽いな。女子ってこんなに軽いんだね』
「先輩、まさか常盤台まで私をそうやって運んだんですか!?」
真っ赤な顔をして俺を問い詰める。
『そうだけど…だってその方が運びやすいし。背負った方が良かった?』
「…先輩の運びやすいようにして下さい」
正直、背負うと胸が当たって気になるから、抱えてる、とは今の状況では言えないよな。
「まー、今犯人が気を失っている今がチャンス!どんな眉毛にしてあげようかな…へ」
佐天さんがポケットからマジックペンを取り出して犯人の前髪をあげると気の抜けた声を出した。それと同時に犯人が起きた。
「…はっ、いや!」
起きたとたん顔を両手で隠した。
「えぇっと…」
「おかしいでしょ」
「はい?あの…」
「笑いなさいよ!笑えば良いわ。あの人みたいに」
『「「「あの人?」」」』
~回想省略~
「…この世の眉毛全てが憎い!だから!みんな面白い眉毛にしてやろうと思ったのよ!」
『「えぇっと・・・」』
見事に黒井とかぶった。
「ごめん、途中から話が見えないや」
『御坂に同じく』
「なによ!」
「えっ?」
「どうしたの。さぁ、笑いなさいよ!」
そういい、前髪をあげて佐天さんに向かって顔を突き出した。
『笑ってほしいの?』
「えっ?」
「そ、そうだよ…それに変じゃないよ」
「変、じゃない…?」
「それくらい、その…そう!丁度いいチャームポイントだって、私はそれ好きだなぁ」
投げやりに言う佐天さん。
「…」
顔が赤くなる重福さん。
「…罪な女ですの」
変なことを言う黒井さん。
「えっ!!」
『…あ、そういうことか』
「えええぇぇぇ!!!」
佐天さんの叫び声が公園中に響き渡った。
その後少しして、警備員(アンチスキル)が来て、重福さんを引き渡した。
「あの…手紙書いても良いですか?」
佐天さんを見て重福さんが言った。
「…はい」
佐天さんは気の抜けた声で返事をした。重福さんは満足そうな顔を見せて警備員の車の中に入っていった。
『俺、佐天さんを応援するよ?』
「しないでください。とりあえずお友達からです」
『とりあえず、ね』
「怒りますよ?」
『その顔で怒られても』
「淳樹先輩!」
この後、怒り爆発した佐天さんに追いかけられた。
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