学び舎の園
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6学び舎の園
今の天気は雨である。
俺は、初春と佐天さんとバスで学び舎の園に向かっている。なぜかというと、2人が常盤台を見てみたいと言ったら、御坂と黒井が見せてくれると言う事で今に至る。なんで俺もいるかって?なんか知らないけど、そのとき一緒にいたからそのままの勢いで誘われた。学び舎の園も男子禁制って分かっててこの子らは誘ったのか?
「楽しみですねぇ、学び舎の園」
「って言ってもさぁ、それってただ女子が集まっているだけな街でしょう」
「その集まっている学校が普通じゃないじゃないですか!常盤台中学はもちろん、どれも名だたるお嬢様学校ですよ!」
「そりゃぁ、そうだけどさぁ」
『でも女の子だけの街ってよくそんな街つくったよなぁ』
「それ言えてます。でも学園都市ならでわってかんじですよね」
「今日は白井さんたちが招待されたから入れますけど、そうじゃなかったら、私みたいな庶民は一生縁が無いとこなんですよ!」
「卑屈だなぁ~。大体、初春はさぁ…」
初春が佐天さんの鞄から少しはみ出ている雑誌を取り出した。
「これって…」
「えっ?」
「なーんだ。佐天さんだって今日行くケーキ屋さん、チェックしてるじゃないですかぁ」
佐天さんが焦っている。
「だ、だってパスティッチリア・マウカーニなんだよ!厳選された素材をイタリア本国とすんぐんたがわぬレシピで焼き上げたチーズケーキはまさに芸術品って書いてあるでしょう!これ前から一度食べてみたかったのに日本じゃ学び舎の園にしか出展してないいんだもん!」
顔を赤くして一生懸命言い訳をする佐天さん。
「佐天さんって意外とミーハーなんですね」
「うっ」
いつもは人をちゃかしたりしている佐天さんが、逆の立場になるのって新鮮だな。貴重なのが見れてラッキー。
『なんだかんだで佐天さんも楽しみなんだね。素直じゃないところも可愛いですなぁ』
「ちょっと淳樹先輩は黙ってて下さい!」
『ごめんごめん』
”次は学び舎の園入り口”
『お、次だな』
”学び舎の園入り口です”
俺たち3人はバスから降りた。雨はまだ降っている。
「ありゃぁ、バス予定より早く着いちゃったねぇ」
「大丈夫ですよ」
『何が?』
「3、2、1」
初春のカウントとともに雨がやんだ。
「…うわぁ、相変わらずこの街の天気予報は完璧だねぇ」
「予報というより、演算によって確定された未来の事象を読み上げているっと言うほうが正しいですね」
「たまには、はずすくらいあってもいいと思うな、私は」
『それは言えてる』
「それより早く行きましょう!」
天気が晴れたことで学び舎の園の入り口に向かった。
~・~
学び舎の園の入り口に着いたが、これがすごい。駅の改札みたいになっている。
「常盤台中学1年の白井黒子さんに招待された、初春飾利と」
「佐天涙子です」
2人は黒井にもらった招待状を受付の人に見せる。
「おふたりは結構ですが、男性の方は…」
だよな…しかし俺には切り札がある。
『はい』
俺は受付の人にカードを見せた。
「え…!し、失礼しました!どうぞ!」
俺も無事、学び舎の園の中に入れた。そりゃ驚くよな。
「先輩、何見せたんですか?」
『ん?あぁ、ちょっとね…』
「えー、教えてくださいよ、先輩」
『あとでな。2人と合流してから教えてあげるよ』
俺の祖父は学び舎の園の創立者だったりする。その孫にあたる俺は学び舎の園に入れるカードを以前から貰っていた。絶対使わないと思っていたけど、その時が来るとは思わなかった。
「意地悪ですね」
『佐天さん程でも』
「褒めてないですし、私は意地悪じゃないです!」
『またまたぁ~』
「違いますって!」
「はぁ…なんて可愛らしい街なんでしょう!」
初春は俺たちの会話に入る事なく学び舎の園をキラキラした顔で見渡している。
「…横断歩道や信号まで全部外とデザインまで違うとか、こってるよねぇ」
小さくため息をはいて初春と並んで学び舎の園を見渡す。
『まるで別の世界に来た感じだね』
「本当によその国に来たみたいです!」
「だねぇ~」
「…ん?」
『どうした初春?』
「あの…私たちなにやら注目されてませんか?」
「えっ?」
そういえば、さっきたら周りからの視線が気になる。
「あぁ、この格好じゃない?ここじゃ外の学校の生徒が珍しいんだよ、きっと」
「あぁ、なるほど~」
「それに…」
”あの人格好よくない?”
”なんで、男の人が学び舎の園にいるの?”
「先輩のほうが目立ってるし」
「そ、そうですね…」
『きみー、ハンカチ落としたよ』
「あっ、ありがとうございます」
『どういたしまして』
「はぅ…」
「あ、あのお名前教えてもらってもよろしいですか!」
『え?いいけど』
「先輩…」
「ハンカチを落とすってベタですね」
「突っ込むとこそっち!?ってやっば!もうこんな時間!」
「あっ、本当だ」
「淳樹先輩ー!そろそろ行きましょう!」
『ああ。じゃ、俺はこれで』
「はい…ごきげんよう」
佐天さんに呼ばれ、2人の所に戻った。
「それじゃ、急ぎましょう…わっ!」
佐天さんが水溜りで足を滑らせ体勢を崩した。
『佐天さん!!』
俺はとっさに佐天さんの体を抑えた。
『うお!?』
が、俺も水溜りで足が滑り、佐天さんを巻き込む形で水溜まりに入ってしまった。
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