記念日
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「早いものであれからもう1週間経ったんですね」
「てゆーか、まだ1週間なんだ。なんかもうずっと前から一緒にいるような気になってました」
「これからもよろしくね!」
俺たちはまたベッドと椅子に座ってお菓子と飲み物を食べながらだべっている。でもモノクロは扉の前で背を向けてしゃがんでいる。相当へこんでんな。
『俺は?』
「あ、よろしくね」
『え?サラッとそれだけ?1ヶ月前に助けたのに?』
「なっ、今更思い出すんじゃないわよ!」
「へぇー、淳樹先輩は私たちより先に御坂さんと知り合ってたんですかぁ?」
『ああ。御坂が不良に絡まられてたんだよ』
「そうだったんですね。でも先輩なら助けそうですよね」
『実際助けたんだけど、初春?』
「別に、アンタが割って入んなくても私の能力で蹴散らせたのに…」
『いやいや、あの時はまさか超能力者の超電磁砲(レールガン)だったなんて知らなかったからさ。それに困ってる人がいたら助けてやれってじいちゃんに昔から言われてたからな』
「御坂さん良かったですね。淳樹先輩に助けてもらって」
「だから、コイツに助けられなくても…うっさいわね!さっきからアンタは!」
先程からズゴゴゴコと妙な音が鳴っていた。最初は小さかったから気にしなかったんだけど、徐々に大きくなり御坂がその音の方に向かって叫ぶ。
「自棄汁子ですわ」
「はぁ?」
その音の正体はモノクロが缶を勢いよく啜っている音だった。飲み干したであろう缶を握り潰して不機嫌な顔でこちらを見る。
「これが自棄にならずにいられましょうか」
「えぇっと…」
「出会って1週間?はぁ!?笑わせないでくださいな。1ヶ月、今日は私とお姉さまの運命の赤い糸で結ばれて丁度1ヶ月目の記念日ですのよ!1月前のこの日、黒子とお姉さまは偶然にもこの部屋のルームメートになった」
なんか語りだした。
「以来、寝食をともにし、喜びも悲しみを分かち合ってきたここで!この部屋で!うぐっ、うううっ…」
なんか泣き出したよ。でも、そっか。モノクロにとっては大切な日なんだな。
「白井さん…」
「私たち、お呼びじゃなかったかな…」
初春と佐天さんが申し訳そうにしている。
「黒子…」
御坂が口を開いた。
「アンタ…」
「お姉さm」
「無理やりここに押しかけてきたよね…?」
「!!!」
おっと、淀んだ空気が一気に揺らいだ。
「偶然でも、運命の赤い糸でもなくさぁ、それで何?喜び悲しみ?自棄汁子」
「いえっ、わたくs」
「よくもそこまでいえたわねぇ!!」
また、モノクロの頬を抓る。モノクロの妄想だったって事か。
「アバベボ…へんたいの…そうじですの…」
「そーよね!変態は掃除しないとねぇ!!?」
モノクロが御坂の手を解いた。頬が赤くなってる。
「見解の相違ですの!それに私はただお姉さまと今日という日をささやかにお祝いしたいと…」
「「ん?」」
話しているとインターフォンがなった。
「はい」
御坂がインターフォンの液晶のボタンを押して対応する。
「宅急便です。208号室の白井黒子さんのお部屋でよろしいでしょうか?」
「はい、そうですけど…あの品物は」
「パソコン部品と書いてありますが…」
俺の横でモノクロの表情がチラホラ変わってる。風紀委員の備品か何かか?
「送り主は?」
「有限会社、愛と漢方のせつりん媚薬様からです」
「ってそこを明記してどーしますの!」
『うおっ』
びっくりした、急に大声出すなよ。
「黒子…」
「はっ…!」
「ささやかにお祝いするのになんで媚薬がいるのかしら?」
「ええぇっと…」
モノクロの顔から大量の汗。
「アンタの変態性質を治すにはそうとうな荒療治が必要なようねぇ?」
「お、お姉さm」
「その名のとおり真っ黒焦げになりなさい!」
限界を迎えた御坂がモノクロに向かって電撃を放ったがでもモノクロは得意の空間移動(テレポート)で廊下に移動した。そのおかげで扉が吹っ飛んだ。
「おっほほほほ。私の能力をお忘れになっては困りますわ!」
「ううっ…」
空間移動って逃げるのにすげえ便利だよな。
「こうなったら、食うか食われるか…黒子の愛を受け入れないのなら、いっそ黒子と戦いまし!」
「くっ」
俺たち3人は部屋から顔だけを出して2人を見ていた。すると、モノクロの後ろから女性が現れた。
「ひぃぃっ!」
御坂がその女性を見て変な声を出してまっすぐな気をつけをする。
「ん?お姉様?」
「寮則、第9条。寮内での能力の使用はこれを硬く禁ずる」
「ひっ!」
モノクロも御坂と同じようにまっすぐな気をつけをした。
「よもや、忘れたわけではあるまい白井」
「こここっ、これはご機嫌麗しゅう寮監様。もちろんですわ、私たちただいたずらに能力を使ったわけではありませんの。これには深いわけが」
「なるほど、よんどころない事情みたいわけか」
「そそっそーなんですの。実は…」
「だが」
寮監がモノクロの肩をがっちりつかんだ
そして首を曲げられた。ポキっと骨の音が聞こえた。
『「「えぇっ!?」」』
モノクロの手がぷらんと力なく垂れる。死んでないよな…?
「黒子っ…ぃ!!」
寮監様が御坂に近づいてきた。
「そんな事情をいちいち新着していては寮の規律は守ることはできん。規則破りには罰が必要だ。そうは思わんか?御坂」
「はっ……はい!」
「ところで、後ろにいるのは男子では…?」
『お、俺か?』
俺以外に誰がいると言うんだ。
「ここは男子禁制なのだが、なぜ御坂と白井の部屋にいるのだ?御坂」
「えっ?あっ!そっそれは…」
と、とりあえず自己紹介しといたほうがいいかな?
『は、はじめまして寮監さん。黒崎淳樹といいます』
「黒崎…ってまさか…」
やっぱり分かるよな。
『りょっ、寮監さん、ちょっと!』
俺は寮監さんの腕を引っ張って、みんなに聞こえないくらいの距離をおいた。
「な、なんですか!?」
『俺が黒崎大輔の孫って彼女たちに言わないでください』
「やはり、あなたは学び舎の園の創立者、黒崎大輔さんの孫さんなのですね」
『いつか自分の口で言うんで言わないでください!お願いします!』
「…分かりました。黒崎さんの頼みなら…」
『そんな、寮監さん。わざわざ年下の俺なんかにさんなんてつけなくていいですよ』
「いや、でも…」
『それより、御坂と白井に罰を与えなくていいんですか?』
「あぁ、そういえばそうでした」
俺と寮監さんはみんなのいるところに戻った。
「どうしたんですか、寮監様?」
御坂がおそるおそると寮監さんに言った。御坂が〝様〟を付けるなんて、よほど怒ると怖いんだろうなぁ。
「いや、なんでもない」
「そ、そうですか…?」
「まー、彼のことは置いといて・・・」
「えっ」
規則に厳しい寮監さんが俺の事を有耶無耶にしたんだ、そりゃぁ驚くよな。
「それより、御坂、明日常盤台のプールを白井と掃除をしろ。それが規則を破った罰だ」
「え゙っ、あのプールを2人で、ですか!?」
「そうだ」
で、2人は次の日、プール掃除をしたわけだ。
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