其ノ壱
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優は目を覚ます。
何も聞こえないくらい静かで、人の気配はない。
ふとんに横たわっていることに気づき、額に何か置かれている気がした。
優(どこ……?)
彼女は深く息を吐いた。
体を起こそうかと思ったが、体が重く起きる気になれない。
優 (体がだるい……。早朝に戦ったからかな……)
そのとき、足音が聞こえた。
「あっ、目覚めた?良かった……!」
茶髪の男が傍で腰を下ろす。
優「誰?」
「豊臣の左腕に近し、島左近!以後お見知り置きを」
優 「豊臣……?」
左近「あっ、ちょっと待ってね」
左近は立ち上がると離れていく。
左近「三成様ー!意識戻りました!」
少しすると、銀髪の男が入ってくる。
「私は石田三成だ」
左近「豊臣の左腕で、すっげぇ人なんだぜ」
三成「無駄口を叩く暇があるなら、手拭いを換えてやれ」
左近「はい!すんません!」
左近は優の額の手ぬぐいを手に取ると、桶の中の水に漬けた。
しっかり絞ると、彼女の額にそれを乗せた。
三成「高熱が出ている。しばらく養生しろ。何かあれば左近を使え」
それだけ言うと、三成は出ていった。
優「これからあたしはどうすればいいの?」
左近「ここにいればいいんじゃね?三成様もそのつもりだと思うし」
優「……そう」
彼女は表情を暗くした。
「優様!」
侍女が駆け寄り、優の傍で座った。
優「無事だったのね」
侍女「優様もご無事で何より……!」
侍女は目を潤ませた。
侍女「本能寺から逃げてきた兵士たち、ここにおいていただけるそうです」
優「そう」
彼女はかすかな笑みを浮かべた。
優は2日後から少しずつ熱が下がり始めた。
その次の日、起き上がれるようになり、石田軍に来て4日後、いつも通り生活できるまで回復したのだった。
つづく