翌日ー

三成は半兵衛の元を訪れる。
半兵衛の前で片膝をつき、頭を垂れた。

三成「半兵衛様、ご相談を乞う許可を」
半兵衛「三成君が？珍しいね」
三成「竜堂のことでご相談が」

半兵衛は驚いた顔をした。

半兵衛「何か不備でもあったかな」
三成「いえ！ただ……最近竜堂を見ると胸がざわつくのです」
半兵衛「……恋、か」
三成「恋？」

半兵衛は小さくうなずいた。

半兵衛「愛おしいって、守りたいって思ってるんだろう？」
三成「……愛（いと）しいとは思っています」
半兵衛「本物の夫婦になりたいって思うかい？」
三成「……おそらく」

半兵衛はほおをゆるませた。

半兵衛「彼女に伝えるといい」
三成「はっ。感謝いたします」
半兵衛「うん」
三成「失礼します」

三成は去っていく。
半兵衛は目を細めた。


三成は廊下を歩く。
ちょうど優が歩いてきた。

三成「竜堂」
優「？」
三成「私は……」

優は不思議そうな顔をする。

三成「……何でもない」

彼女は首を傾げた。


数日後ー

優 は伸びをしながら城内を散歩していた。

三成「竜堂」

優は三成を見た。

三成「引越しの準備をしろ」
優「へ？どこへですか？」
三成「佐和山だ。秀吉様より譲っていただいたのだ」

優は驚いた顔をした。

優「ついて行っていいんですか？」
三成「好きにしろ」

彼女は目を丸くした。

三成「早く準備をしろ」

三成は去っていく。
優はほおをゆるませた。


佐和山城ー

優「質素だね」
左近「質素っすね」
三成「文句を言うな」
吉継「充分良かろ」

三成は優を見た。

三成「竜堂、城下町を見に行くぞ」
優「え？あぁ、はい！」

彼女は三成の後を追った。