其ノ参 初陣と恐怖
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優は腰に刀を差す。
10歳になり、ようやく出陣させてもらえるようになった。
優「頑張ろ」
彼女は深呼吸する。
優は動けるようにと、薄紫色の膝が出るくらいの丈の着物を濃姫からもらった。
裾は筒状に広がっていて、足が動きやすい。
「お前、邪魔。どけよ」
振り向くと、馬に乗った少年が現れた。
優(わ……かっこいい……!)
少年もこちらを見つめる。
優「あっ……と、名前は?」
「えっと、蘭丸」
ふたりはかすかに顔を赤くして、そっぽを向く。
蘭丸は頭をポリポリとかいた。
桶狭間ー
優は数人切って固まる。
優(これが……お父さんとお母さんが戦ってた戦場……)
まわりにはいくつもの屍が転がっている。
彼女はその場でうずくまった。
優(いや……帰りたい……!)
そのとき
「何やってんだ!バカ!」
目の前に蘭丸がいた。
蘭丸「死にてーのかよ!」
優「ごめ……ゲホッ、ゲホッ」
蘭丸「ったく。しょうがねぇから、守ってやるよ」
優は目を丸くする。
彼の背中が頼もしく、かっこ良く見える。
優「……ありがと」
蘭丸「特別だからな」
彼女は小さくうなずいた。
優は溜め息をつく。
蘭丸「大丈夫か?」
優「うん……」
優の目から涙がこぼれた。
蘭丸「なっ、何泣いてんだよ!」
優「強くなるために……ここまできたのに……。向いてないのかな……?」
蘭丸「……」
蘭丸は彼女を抱きしめたー