蘭丸に求婚されてから月日は流れ、優は15回目の誕生日を迎えた。
蘭丸は彼女の部屋を訪れる。

蘭丸「誕生日おめでとう。はい」

彼は薄い紫色の紐を渡す。

優「腰紐……？」

自分の腰紐を見てみる。
……いい加減替えた方がよさそうだ。

優「いつもありがと」

彼女は苦笑いした。

蘭丸「ったく。ボロボロになる前に替えろって」
優「まだ使えるかなぁってつい」

彼女はさっそく腰紐を交換した。

蘭丸「あとさ」
優「ん？」
蘭丸「あー……その……夜一緒に寝たいなって」

蘭丸は少し顔を赤くしてつぶやく。
すると、優は目を見開き、顔を赤くした。

蘭丸「あっ、違うぞ！その、ホントに寝るだけで、そういうことはしねーから！」
優「あぁ……それならいいよ」
蘭丸「ありがと」

ふたりは顔を赤くしたまま、そっぽをむいた。


夜ー

蘭丸が部屋に入ってくる。

優（ホントに一緒に寝るんだ。どうしよう）

彼女は顔を赤くした。
とりあえずふとんに入って、深く息を吐いた。
蘭丸は優の横にふとんを敷き、横になった。

蘭丸「……ドキドキするけど、安心するな」
優「え？」
蘭丸「これなら何かあってもすぐ気付いてやれる」

蘭丸は笑みを浮かべる。

あっ、そっか
そういう利点があるんだ
確かにお互いの生存確認は取りやすい

優はほおをゆるませ、うなずいた。
蘭丸は手を伸ばすと、優も手を出した。
手をつなぐと、安心感で満たされていく。
ふたりは安心感に包まれながら、ゆっくり眠りに落ちていった。