其ノ壱 RESCUE(救出)
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昼ー
小十郎は優の部屋を訪れた。
小十郎「体調はどうだ」
優「だいぶマシ」
彼女の枕元には兵法書が置いてあった。
小十郎「食欲あるか?」
優「あんまり」
小十郎「そうか。なら白飯と味噌汁だけでも食え。少し待ってろ」
小十郎は部屋を出ていく。
少しして、優は目を丸くした。
勝家が膳を持ってきたのだ。
優「勝家!?なんで!?」
勝家「いろいろとありまして……」
小十郎「政宗様が『光を見せてやる』ってな」
優は納得したようにうなずいた。
彼女は味噌汁を見た。
野菜がたくさん入っている。
優「美味しそう……!でも人参……」
小十郎「嫌いなのか?」
優「苦いのがちょっと……大根もあまり苦いとやだ」
小十郎は箸を手に取ると、人参を取った。
小十郎「食ってみろ」
優「え?ひとりで食べれ……」
小十郎「いいから食え」
優はほおを桜色に染め、しぶしぶ人参を食べた。
優「ん!苦くない……!」
小十郎「だから言ったろ」
小十郎は大根を一口大に箸で切った。
それを彼女に出す。
優はそれを口にすると、笑みがこぼれた。
優「美味しい……!」
勝家は彼女と小十郎を見た。
なんだか微笑ましくて、心が温かくなる。
勝家は静かに部屋を出た。
小十郎は優の様子を政宗に報告した。
政宗「野菜苦手なのか。可愛いとこあるじゃねぇか」
小十郎「可愛いですか……?」
政宗「可愛いって思わなかったか?」
小十郎「……(可愛くないと言ったらウソにはなるが……)」
政宗はほおをゆるませる。
政宗「アイツの面倒、頼んだぜ」
小十郎「はっ」
小十郎は頭を下げた。
政宗「……だが、小十郎は不器用だからな……」
小十郎「?何の話でしょうか」
政宗「いや、独り言だ」
小十郎「?そうですか」
政宗は小さく溜め息をついた。
つづく