優の部屋で彼女は手当てを受けた。
左の上腕と右肩に包帯を巻いてもらった。

小十郎「しばらく安静にな」
優「はい。……あの……」

優は小十郎の方を見た。

小十郎「どうした？」
優「わたし、甘えん坊ですけど、いいですか？」

小十郎は驚いた顔をした。

小十郎「あぁ。面倒見てやる」
優「家事まったくできないし」
小十郎「それは引き続き俺がやる」
優「私の方が若いし」

前にもこんなやり取りしたな

小十郎は目を細める。

小十郎「長生きすりゃ問題ねぇだろ」
優「ならいいですよ。その……小十郎さんの妻……」

彼女の顔が赤くなっていく。

小十郎「いいのか？」
優「後悔しないならね」
小十郎「しない」

彼女は笑みを浮かべた。

優「あっ、そうだ。着物着ていいですか？」

優は薄緑の小袖を手に取る。

優「もったいないというかなんか着れなかったけど、着てみたい」
小十郎「あぁ。着て欲しい。俺は後ろ向いてるから」

小十郎は後ろを向いた。
優は着物ドレスを脱ぎ、小袖を着た。

優「小十郎さん」

声をかけられ、小十郎は振り返る。

小十郎「！……綺麗だ」

優は顔を真っ赤にした。

小十郎「とても似合っている」
優「そ、そうですか？」

小十郎は彼女を抱きしめた。

小十郎「余計に惚れそうだ」
優「へ!?」

小十郎さんって意外とストレートに言うから心臓がもたない……
これから大変だ……

優はこれからの刺激的な生活を想像して、顔を熱くしたのだったー


終わり