其ノ五 HESITATION(ためらい)
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奥州ー
優は部屋に向かう。
小十郎「……。米しまっといてくれ」
「へい」
小十郎は彼女を追いかける。
部屋に着くと、優は肩を震わせていた。
小十郎は障子を閉めた。
小十郎「泣きたいなら泣け」
優「グスッ……」
小十郎は優に歩み寄る。
優「グスッ……グスッ」
あたしはなんで泣いてるんだろう
死んだと思ってた蘭丸が生きてたから?
蘭丸がいつきって子と仲良くしてたから?
どっちの意味で泣いてるの?
小十郎はそっと彼女を抱きしめた。
優「!」
小十郎「我慢するな」
優「う……ひっく……うぅ……グスッ」
彼女は小十郎の胸に顔を当てた。
優しくしないで
その優しさに甘えてしまうから
頼ってしまうから
そんな優しくされたらあたしは……
小十郎は優しく優の頭をなでた。
しばらく優は彼の腕の中で泣いたのだったー
優は小十郎から離れた。
優「すみません。ありがとうございました」
小十郎「あぁ」
小十郎は小さく息を吐く。
小十郎「つらいときは俺を頼っていい」
優「え?」
小十郎「俺はずっとここにいるし、ずっとお前を見てる」
優「はい。……え?今何て……?」
彼女は顔を上げた。
小十郎は「しまった!」と赤い顔を手で隠す。
小十郎「あ、いや……その……」
優の顔が赤くなる。
小十郎は深く息を吐いた。
小十郎「答えはすぐじゃなくていい。ゆっくり考えてくれ。俺のこと」
優「あ……はい……」
小十郎は部屋を出ていく。
え?
小十郎さんがあたしを想ってくれてるってこと?
ウソ……
頭の中が混乱状態だ。
あたしなんかを……?
小十郎さんが……?
へ……?
ちょっと待って……
優は困惑した表情をした。