優が小十郎の妻になると決めた翌日ー

「小十郎、竜堂と温泉行ってこい」

政宗は突然言い出した。

小十郎「は？」
優「え？」
政宗「竜堂の傷の治癒のためにも」
小十郎「し、しかし！ふたりというのは……！」

小十郎は顔を赤くした。

政宗「いいから行ってこい。命令だ」
小十郎「……」

同じ風呂に入らなければ問題ないか

優「……」

湯帷子（ゆかたびら）着るし大丈夫だよね

ふたりは困惑した表情で顔を見合わせた。


2日後ー

小十郎と優は奥州の中にある温泉に来た。
織田の残党兵2名と伊達軍の兵2名を護衛として連れてきた。

「申し訳ございません。2部屋しか空いてなくて……」

優「え」

「じゃあ俺たち1部屋でいいんで、ふたりで同じ部屋にどうぞ」

小十郎「なっ……！」

「では、部屋に案内しますね」

ふたりは戸惑った表情で部屋に向かった。


優「わぁ……！綺麗なお部屋……！」
小十郎「そうだな」

「貸し切り風呂がありますので、そちらをお使いください」

女将は笑顔で去っていく。

優「貸し切りか〜。小十郎さん、行こ」
小十郎「え？」

彼女は小十郎の右手をつかみ、部屋を出た。

小十郎「一緒に入るのか……？」
優「？はい。湯帷子（ゆかたびら）着て入るし」
小十郎「……そうか（にしても何か……）」

小十郎はかすかに顔を赤くした。


ふたりは湯帷子（ゆかたびら）を着て温泉に入った。

優「熱いけど、気持ちい〜」
小十郎「あぁ」

彼女は気持ちよさそうな表情だ。

小十郎「……優、こっち来い」

優は不思議そうに近寄った。
小十郎は彼女の背中を優しく抱きしめた。

優「！」
小十郎「お前とここに来れて良かった。ここは伊達軍が良く利用する温泉なんだ」
優「そうなんですね」
小十郎「好きな女と来る日がくるとは思ってなかった」

優は振り返った。
至近距離で目を見開く。
小十郎は彼女に顔を近づけた。