蝶の章
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優は縁側を歩いていた。
「おい、どこへ行く」
振り返ると三成がいた。
三成「そういえば、この前いないと思ったら町に行っていたらしいな」
優「あー……うん。ちょっとね」
三成「私の許可なく外出するな」
優「ごめん」
ふたりのやり取りを左近と大谷が遠くから見ていた。
大谷「過保護よな」
左近「好きに出かけさせてあげればいいのに」
三成「まるで蝶だな」
優「?」
三成「捕まえておかなければすぐどこかへ行く」
彼女は驚いた顔をした。
三成「で、どこへ行くんだ」
優「……ヒマだっただけだからいいや」
三成「そうか」
優はチラッと腰紐を見ると、表情を暗くした。
夜ー
三成は障子を開けた。
寝巻きを着た優が月を眺めていた。
優 「蘭丸はどう思うんだろう。わたしが他の
三成「……好きな
彼女は振り返った。
三成「
優「三成……」
三成「ずるずる引きずられては、そいつも安心して成仏できん」
優「そうだね……」
優は切なそうに笑った。
涙が目からこぼれる。
優「ダメだね……強くなれたと思ったのに……いろんな意味で弱い」
三成「……」
前を向く覚悟をしているものだと思っていた
明るく振る舞っていたのは、愛する人への想いを、迷いを振り払うため……
三成は優を優しく抱きしめた。
三成「前を向けぬなら、私が導いてやる。無理に強くなろうとするな。私が守ってやる」
彼女は目を丸くした。
優「……ごめん、そんなこと言わせて。わたしがしっかりしてないから……」
三成「お前はそのままでいい」
優「三成……」
優は口元をほころばせると、顔を彼の胸板に押し当てた。
三成「!」
三成は目を細めると、髪をなでた。
三成「中に入るぞ。体を冷やす」
彼は優を寝室に入れた。
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