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ぐんじんかぞく。

おかーさん」
つきたての餅をもぐもぐと咀嚼しながら、綱吉は母親を見上げた。彼を膝に乗せたラルは大きな琥珀色の目を見つめ、問う。
「どうした?」
「おとーさんとリボーン、なかよしだね!」
「…………そうか?」
ラルは一瞬、本気で愛息子を眼科に連れていくべきか思案した。彼女達の前で餅をつくコロネロとリボーンはさっきから悪態ばかり吐いている。
「こんなんじゃいつまで経っても終わんねーぞ」
リボーンが悪意のにじむ笑みでそう茶化せば、
「うるせぇぞコラ!」
コロネロはそう即座に切り返す。早口の会話に平行して餅を返し、杵を振り降ろし、二人はやけにスピーディーに餅をついていた。
確かに険悪な関係ではない、ただ昔馴染みという近しい関係が歯に衣着せぬ物言いにしているだけだろう。そう、ラルは認識した。
これが本気ならば、既に武器が取り出されている。だが今は会話が盛り上がるだけで、丸めた餅を木箱に並べるスカルも、つまらなそうにコロネロとリボーンを眺めるバイパーも、ラル自身も何の危機感も感じていない。
結局、これはいつものことなのだ。綱吉も見慣れてしまったらしい。
「おとーさんがんばってねー」
「当然だぞコラ!」
「ツナぁ、俺には応援ねーのか?」
「リボーンも!」
無邪気に笑う綱吉に、バイパーは呟いた。
「おちびちゃん、大物になるね」
「……そうっスね…先輩と教官の子供ですから」
スカルもしみじみと頷く。何も答えられず、ラルは綱吉を抱き締めた。
「おかーさん?」
「ああいう状況のあいつらに近づくと怪我するからな、気を付けろ」
「はーい」
「いい返事だ」
気を付けていても有無も言わせず巻き込まれることもある、とは言わずにいた。
――言わずとも、いずれ身を持って体験するだろう。

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