◇第二十五話◇お酒が喋らせる危険な秘密【後編】
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バーの店内に入ったジャンは、奥のソファ席に見慣れた調査兵達の姿を見つけた。
104期の飲み会とは違い、騒がしいのは「俺はリヴァイ兵長の後継者だ!」と高らかに宣言してお酒を煽っているオルオだけで、他のメンバーは静かにお酒を飲んでいるか、酔い潰れてソファで眠っているかのどちらかだ。
当然、なまえは後者で、ナナバから聞いていた通り、ソファの上で、リヴァイの膝を枕にして眠っている。
だが、リヴァイは、慣れているとでも言うように、腰に抱き着くなまえを気にもしていない様子で、エルヴィンとハンジと喋りながら酒を飲んでいる。
その隣のテーブルで、リヴァイ班のメンバーがお酒を愉しんでいて、さらにその奥のソファ席では、ゲルガーとモブリットが酔い潰れて眠っていた。
「ジャンを連れてきましたよ。」
ナナバが声を掛けて、漸く、エルヴィン達は気づいたようだった。
彼らはそれぞれ酒に落としていた視線を上げて、テーブルへ歩み寄るジャンを見つけた。
「やぁ、ごめんね~。
まるで、何かから逃げるみたいになまえがお酒を飲んじゃって。」
「そうっすか。」
ハンジの言葉を聞き流すように言って、ジャンは腰を屈めると、なまえの腕を掴んだ。
「なまえさん、帰りますよ。」
「ん~~、まだぁ~~。」
「寝たままでいいっすから。俺が連れて帰ります。」
「やだぁ~~、リヴァイのにおい~~。」
「…。」
なまえは、リヴァイに抱き着くどころか、腰に頬を擦りよせて幸せそうに眠っている。
話しかけるのも馬鹿馬鹿しくなるほどの、間抜けな寝顔だ。
「な?離れないんだよ、リヴァイから。
不思議だろう?君が婚約者なのに。」
ハンジが、とぼけた様に首を傾げる。
なまえに向けていた視線を上げれば、ハンジの隣で、エルヴィンが困り顔で眉尻を下げていた。
「そうなんだよ!!お前な、婚約者ならちゃんと躾とけよ!!
リヴァイ兵長のこと、呼び捨てし始めたんだ!!」
立ち上がったオルオが、ジャンを叱り始める。
酔っぱらっているからだろうが、なまえも上官だということを忘れているようだ。
オルオは、まだギャーギャーと何かを喚いていたけれど、ジャンは平気で聞き流した。
さっき、リヴァイのことを呼び捨てにしたのはすぐに気がついたし、そんなこと、どうだってよかった。
ジャンはまた、なまえを見下ろして、腕を引っ張った。
「なまえさん、いい加減に———。」
「俺が連れて帰ってやってもいいが。」
なまえを起こそうと続けたジャンの言葉に被せたのは、リヴァイだった。
細い腕を握っているジャンの手に、無意識に力が入る。
顔を上げれば、リヴァイと目が合った。
勝ち誇ったように口の端でも上げていれば、腹が立つことも出来たかもしれない。
でも、彼は睨むわけでもなければ、蔑むわけでもない。
何を考えているのか分からない三白眼が、これほど怖いと思ったことはなかった。
「なまえさんに聞いてみますよ。
リヴァイ兵長を選べば、俺は別にそれでもいいんで。」
ジャンはそう言うと、床に肘をついて腰を降ろした。
そして、なまえの耳元に口を近づけて、選択肢を与える。
「なまえさん、俺に見捨てられてもいいなら
一生そこで幸せな夢見ててくださいよ。
婚約も解消しますよ。酒の勢いだとしても、他の男に抱き着く女は趣味じゃないんで。」
調査兵団にはもう残れませんね———。
なまえの耳元で、彼女だけに聞こえるように小さな声で囁いた。
104期の飲み会とは違い、騒がしいのは「俺はリヴァイ兵長の後継者だ!」と高らかに宣言してお酒を煽っているオルオだけで、他のメンバーは静かにお酒を飲んでいるか、酔い潰れてソファで眠っているかのどちらかだ。
当然、なまえは後者で、ナナバから聞いていた通り、ソファの上で、リヴァイの膝を枕にして眠っている。
だが、リヴァイは、慣れているとでも言うように、腰に抱き着くなまえを気にもしていない様子で、エルヴィンとハンジと喋りながら酒を飲んでいる。
その隣のテーブルで、リヴァイ班のメンバーがお酒を愉しんでいて、さらにその奥のソファ席では、ゲルガーとモブリットが酔い潰れて眠っていた。
「ジャンを連れてきましたよ。」
ナナバが声を掛けて、漸く、エルヴィン達は気づいたようだった。
彼らはそれぞれ酒に落としていた視線を上げて、テーブルへ歩み寄るジャンを見つけた。
「やぁ、ごめんね~。
まるで、何かから逃げるみたいになまえがお酒を飲んじゃって。」
「そうっすか。」
ハンジの言葉を聞き流すように言って、ジャンは腰を屈めると、なまえの腕を掴んだ。
「なまえさん、帰りますよ。」
「ん~~、まだぁ~~。」
「寝たままでいいっすから。俺が連れて帰ります。」
「やだぁ~~、リヴァイのにおい~~。」
「…。」
なまえは、リヴァイに抱き着くどころか、腰に頬を擦りよせて幸せそうに眠っている。
話しかけるのも馬鹿馬鹿しくなるほどの、間抜けな寝顔だ。
「な?離れないんだよ、リヴァイから。
不思議だろう?君が婚約者なのに。」
ハンジが、とぼけた様に首を傾げる。
なまえに向けていた視線を上げれば、ハンジの隣で、エルヴィンが困り顔で眉尻を下げていた。
「そうなんだよ!!お前な、婚約者ならちゃんと躾とけよ!!
リヴァイ兵長のこと、呼び捨てし始めたんだ!!」
立ち上がったオルオが、ジャンを叱り始める。
酔っぱらっているからだろうが、なまえも上官だということを忘れているようだ。
オルオは、まだギャーギャーと何かを喚いていたけれど、ジャンは平気で聞き流した。
さっき、リヴァイのことを呼び捨てにしたのはすぐに気がついたし、そんなこと、どうだってよかった。
ジャンはまた、なまえを見下ろして、腕を引っ張った。
「なまえさん、いい加減に———。」
「俺が連れて帰ってやってもいいが。」
なまえを起こそうと続けたジャンの言葉に被せたのは、リヴァイだった。
細い腕を握っているジャンの手に、無意識に力が入る。
顔を上げれば、リヴァイと目が合った。
勝ち誇ったように口の端でも上げていれば、腹が立つことも出来たかもしれない。
でも、彼は睨むわけでもなければ、蔑むわけでもない。
何を考えているのか分からない三白眼が、これほど怖いと思ったことはなかった。
「なまえさんに聞いてみますよ。
リヴァイ兵長を選べば、俺は別にそれでもいいんで。」
ジャンはそう言うと、床に肘をついて腰を降ろした。
そして、なまえの耳元に口を近づけて、選択肢を与える。
「なまえさん、俺に見捨てられてもいいなら
一生そこで幸せな夢見ててくださいよ。
婚約も解消しますよ。酒の勢いだとしても、他の男に抱き着く女は趣味じゃないんで。」
調査兵団にはもう残れませんね———。
なまえの耳元で、彼女だけに聞こえるように小さな声で囁いた。