◇第百十二話◇泣いて喚いて許しは乞わない、ただ無条件に信じて
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おとなしく部屋に戻れ———。
リヴァイにそう言われた野次馬達は、不安そうにしながらも自分達の部屋に戻っていった。
状況確認等は自分達が幹部と共に行う為、今夜のことを他言することはないようにという指示も出たため、噂が不要に広がる可能性も低いだろう。
誰も、リヴァイ兵長には逆らえない。
「お前も部屋に戻れ。」
リヴァイがジャンに言った。
「え、でも…、俺の話を聞くんじゃ…。」
「明日でもいいだろ。どうせフレイヤもいねぇんじゃ、話の正誤を確認することも出来ねぇ。
それでも、こんな夜遅くに、面倒な話をしてぇなら付き合ってやらねぇこともねぇが。」
「いえ…、俺も、明日でいいのならその方がいいですけど。」
「なら、明日、ミケに状況説明に行け。時間は、アイツから指定があるはずだ。
ミケには俺から簡単に伝えておく。」
「分かりました。ありがとうございました…!」
ジャンは勢いよく頭を下げた。
リヴァイとなまえが来てくれたおかげで、本当に助かった。
ジャンが下げた頭の向こうで、リヴァイがため息を吐く。
「ったく、面倒ごとに巻き込みやがって。
コイツが失くした明日の会議の資料を探しに行くのも面倒だってのに。
無駄に時間がとられちまった。」
リヴァイが、チッと舌打ちをついた先で、なまえが「ごめんなさいっ。」と慌てた様子で謝っている。
どうやら、なまえの部屋に会議資料を探しに行く途中だったようだ。
ジャンは、今さら、なまえと久しぶりに同じ空間にいることを意識して、緊張してしまった。
ふ、と目が合う。
でもやっぱり、気づいたときには無意識に目を逸らしてしまう。
冤罪や他人の正義から救ってくれたのは、リヴァイだけではなくて、なまえもだというのに———。
「なまえ、行くぞ。」
「あ、はい…!」
リヴァイとなまえが立ち去っていく。
(待って———。)
上がった手が、出せなかった声につられて弱弱しく降りていく。
引き留めようとしたわけではない。
ただ、礼を伝えたかっただけだ。
でも———。
(言えなかった。)
礼も、信じてくれて嬉しかったことも、何も、いつだってなまえには伝えられていない。
リヴァイにそう言われた野次馬達は、不安そうにしながらも自分達の部屋に戻っていった。
状況確認等は自分達が幹部と共に行う為、今夜のことを他言することはないようにという指示も出たため、噂が不要に広がる可能性も低いだろう。
誰も、リヴァイ兵長には逆らえない。
「お前も部屋に戻れ。」
リヴァイがジャンに言った。
「え、でも…、俺の話を聞くんじゃ…。」
「明日でもいいだろ。どうせフレイヤもいねぇんじゃ、話の正誤を確認することも出来ねぇ。
それでも、こんな夜遅くに、面倒な話をしてぇなら付き合ってやらねぇこともねぇが。」
「いえ…、俺も、明日でいいのならその方がいいですけど。」
「なら、明日、ミケに状況説明に行け。時間は、アイツから指定があるはずだ。
ミケには俺から簡単に伝えておく。」
「分かりました。ありがとうございました…!」
ジャンは勢いよく頭を下げた。
リヴァイとなまえが来てくれたおかげで、本当に助かった。
ジャンが下げた頭の向こうで、リヴァイがため息を吐く。
「ったく、面倒ごとに巻き込みやがって。
コイツが失くした明日の会議の資料を探しに行くのも面倒だってのに。
無駄に時間がとられちまった。」
リヴァイが、チッと舌打ちをついた先で、なまえが「ごめんなさいっ。」と慌てた様子で謝っている。
どうやら、なまえの部屋に会議資料を探しに行く途中だったようだ。
ジャンは、今さら、なまえと久しぶりに同じ空間にいることを意識して、緊張してしまった。
ふ、と目が合う。
でもやっぱり、気づいたときには無意識に目を逸らしてしまう。
冤罪や他人の正義から救ってくれたのは、リヴァイだけではなくて、なまえもだというのに———。
「なまえ、行くぞ。」
「あ、はい…!」
リヴァイとなまえが立ち去っていく。
(待って———。)
上がった手が、出せなかった声につられて弱弱しく降りていく。
引き留めようとしたわけではない。
ただ、礼を伝えたかっただけだ。
でも———。
(言えなかった。)
礼も、信じてくれて嬉しかったことも、何も、いつだってなまえには伝えられていない。