◇第百二話◇眠り姫が恋をして思い知ったこと
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クローゼットから引っ張り出した着替えを抱えて、なまえは悲劇的な部屋に背を向けた。
でも、扉を開くために持ち上げた手は、そのままでピタリと止まる。
「どうした?忘れもんか。」
「すみません。ひとつだけ…。」
怪訝そうに訊ねるリヴァイに、肯定の返事をしたなまえが、早足で向かったのはベッドだった。
見たこともない甘いお菓子が入っていた紙袋は、デスクの引き出しの中に仕舞った。
でも、ジャンが添えていたメモ書きだけは、それ以上触れるのが怖くて、ベッドの上に置いたままだ。
なまえは、一旦、ベッドの上に着替えを置くと、床に落ちている筆ペンを拾い上げる。
そして、最後の最後に、ジャンが伝えることを選んだその言葉の下に、返事を書いた。
「渡すのか。」
訊ねるリヴァイに、今度は、なまえは、否定のために首を横に振る。
この返事は、渡せない。
きっとこれは、ジャンが、自分なりにこの関係を終わらせようとして告げたものだろうから。
でも、だからこそ、なまえも彼の想いに応えなければならなかった。
これが、最後なのだから————。
【I'm sorry for loving you】
(あなたを愛してしまって、ごめん)
【I'm sorry too, still love you】
(私の方こそごめんね、それでもやっぱりあなたを愛してるの)
眠り姫の恋は、夢の中でしか、実らない————。
でも、扉を開くために持ち上げた手は、そのままでピタリと止まる。
「どうした?忘れもんか。」
「すみません。ひとつだけ…。」
怪訝そうに訊ねるリヴァイに、肯定の返事をしたなまえが、早足で向かったのはベッドだった。
見たこともない甘いお菓子が入っていた紙袋は、デスクの引き出しの中に仕舞った。
でも、ジャンが添えていたメモ書きだけは、それ以上触れるのが怖くて、ベッドの上に置いたままだ。
なまえは、一旦、ベッドの上に着替えを置くと、床に落ちている筆ペンを拾い上げる。
そして、最後の最後に、ジャンが伝えることを選んだその言葉の下に、返事を書いた。
「渡すのか。」
訊ねるリヴァイに、今度は、なまえは、否定のために首を横に振る。
この返事は、渡せない。
きっとこれは、ジャンが、自分なりにこの関係を終わらせようとして告げたものだろうから。
でも、だからこそ、なまえも彼の想いに応えなければならなかった。
これが、最後なのだから————。
【I'm sorry for loving you】
(あなたを愛してしまって、ごめん)
【I'm sorry too, still love you】
(私の方こそごめんね、それでもやっぱりあなたを愛してるの)
眠り姫の恋は、夢の中でしか、実らない————。