◇第九十話◇愛の記憶を信じさせて
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ジャンが目を覚まして、数日が経った。
懸念されていた後遺症もなく、今はただベッドで安静にしながら、傷の治りと体力の回復を待つ日々だ。
「はぁ…。」
天井をぼんやりと眺めながら、ため息が漏れる。
ここ数年、身体が悲鳴を上げても続けられる訓練やなまえから押し付けられた雑用に書類仕事で、たまには休みたいと弱音を漏らしたくなったのは、一度や二度ではない。
でも実際、ベッドで横になるばかりの毎日は、退屈でしかない。
なまえなら、最高だと思うのだろうか。
ここぞとばかりに、1日中、惰眠を貪るのだろうか。
そして、きっと、嬉しそうに夢の話を聞かせるのだ。
でも———。
「おはよう、ジャン坊。
調子はどうだい?」
「ふふ、おはよう、ジャン坊!」
病室の扉が開き、母親が入ってくる。
そして、彼女の後ろから仲良くついて来たのは、今日も、フレイヤだった。
「お母さん、お弁当はこっちの棚に置いておきますね!」
「あぁ、ありがとう。
フレイヤちゃんがいて、本当に助かるよ。」
母親に褒められたフレイヤは、窓際の棚に弁当を置きながら、まんざらでもない笑みを浮かべる。
そして、ベッド脇の椅子に座る母親の横に、当然のように腰を降ろす。
彼女達の慣れたやり取りは、まるで、母娘のようだった。
でも、どうして———母親の隣にいるのが、なぜ、なまえではなくてフレイヤなのか、理解できない。
「朝食はちゃんと食べたのかい?」
ジャンの表情を覗き込みながら、母親が訊ねる。
だから、ジャンは、少し目を逸らして、壁の方を向いた。
偽物の婚約者だったのだとしても、母親の隣で楽しそうに笑うなまえがいた記憶があるせいで、今の光景をどうしても受け入れたくないのだ。
「あぁ。食った。」
「ならよかったよ。お昼のお弁当は、お前の好きなオムライスを———。」
「なまえさんは?」
「…来ないよ。」
「何してんの?なまえさんは、元気にしてんの?」
「あぁ、元気だったよ。さっきも———。」
「なら、どうして、俺に会いに来ねぇんだよ!」
勢いよく母親の方を向くと、怒りに任せに叫んだ。
その途端、腹の傷に引きつるような猛烈な痛みを感じて、思わず「い…ッ。」と声が漏れる。
「ジャン…っ!大丈夫かい!?」
「ジャンさん…ッ。」
痛みに腹をよじって苦しみ藻掻くジャンの背中を母親がさすり、フレイヤが心配そうに名前を呼ぶ。
息苦しさで、胸が引き裂かれるようだった。
心を占めているのは、怒りだけではない。寂しさと後悔、焦燥感、それから、不安だ。
なまえが、会いに来ない理由を、ジャンはもう母親とフレイヤから聞いて、知っている。
痛みが落ち着いた後、母親とフレイヤに背中を支えられて、改めてベッドに仰向けに横になった。
浅い息を整えながら、天井を見上げる。
覚えていないけれど、こんな風に、天井を見上げていた気がするのだ。
そうして、なまえの声をを待っていたら、まるで願いが届いたかのように、愛おしい声が、ジャンを眠りから目覚めさせた。
濡れたなまえの涙の感触を、今でも思い出せる———そんな気がするのに、それはただの夢だと、母親も、フレイヤも、父親でさえも言う。
ジャンが目覚めたとき、そばにはなまえはいなかった。その前も、その後も、傷ついたジャンの元になまえが姿を現したことはない。
それが、母親達が、ジャンに話して聞かせた〝事実〟だ。
「なまえさんを、連れてきて。」
「ジャン坊、お願いだよ。それは出来ないんだ。」
なまえの名前を出すと、母親はいつも、ひどく悲しそうな顔をする。
そして、彼女のことは忘れてくれと懇願するのだ。
母親の傷ついた顔なんて、好んで見たいとは思わない。
出来れば、一生、見たくない。調査兵団なんて、特に短命な兵士を選んでしまったけれど、それでも、両親に死顔なんて見せたくないと願っているのだ。
でも———。
「なんで。」
「それは…、」
「なまえさんは人殺しだったんですよ!
ジャンさんだって、なまえさんのせいで、刺されたんです!
言ったでしょう!?なまえさんが友人の婚約者を寝取って、飽きたからって捨てて殺し——。」
「信じねぇ!!」
頭の下に置いていた枕を勢いよく引き抜くと、そのまま、フレイヤに向かって思いっきり投げ捨てた。
驚愕とショックを織り交ぜたような表情で目を見開く彼女の肩に、枕が当たって落ちる。
顔を避けてあげたわけではない。そんな気遣いをしてやれる余裕なんか、ない。
ただ、まだ身体は回復の途中で、枕を持つ手にすら必要な力が入らなかっただけなのだ。
だから、悔しい。
こんな身体が、ひどく悔しい。
なまえの元に、駆け寄れない身体が、じれったくて、悔しいのだ。
「俺は、信じねぇから。」
ギロリと睨みつけるジャンの目は、殺気を孕んでいた。
そのはずなのに、フレイヤは、怯えないのだ。
驚愕を浮かべていた表情に、哀れみを足しただけだ。
その隣では、母親までもが、息子を不憫そうに見つめる。
まるで、自分だけが我儘に現実を受け入れない子供になってしまったみたいで、最低な気分だった。
それでも———。
「俺は、なまえから聞くまで、絶対に信じねぇ。」
息を呑んだ音が、ふたつ聞こえた。
あまりの頑固さに驚いたのか、呆れているのか、可哀想だとでも思ったのか。
何だっていい。誰に何を思われても、どうでもいい。
気になるのは、なまえの気持ちだ。
彼女は今、何を想い、何を考え、どこで何をしているのだろう。
それだけが、気がかりで、頭がおかしくなりそうだ。
「ジャン…。」
「出てけ。」
右腕を乗せて両目を隠すと、自分でも驚くほどに冷たい声が出た。
隠したのは、目頭が熱くなったせいなのだけれど、母親の悲しそうな顔を見たくなかったから、ちょうどよかった。
でも、きっと、母親は、泣きそうになっていることに気づいているのだろう。
友達と喧嘩をして悔し泣きをしているとき、父親に叱られてしまったとき、こうして顔を隠して強がっていたのを、いつもそばにいて見守ってくれていた母親は知ってる。
「ジャン、私はあなたにこれ以上、傷ついてほしくないんだよ。
なまえさんのことは、もう忘れておくれ。」
「出ていけって。」
「彼女も、そう願ってるよ。
ジャンの幸せを———。」
「お願いだ。出て行って、くれ…。」
ひとりになりたかった。
誰が、何を言っても、説得をしようとしても、到底受け入れられないのだ。
「ジャンさん、私達は、ジャンさんにもう二度と
人殺しのせいで、傷ついてほしくないんですよ。」
「フレイヤちゃん、行きましょう。」
それでも尚、ジャンを説得しようとしていたフレイヤを制した母親の声がしてすぐに、椅子から立ち上がった音がした。
フレイヤは、まだ何かを言おうとしていたけれど、母親がもう一度、部屋を出るように促すと、躊躇いがちに椅子が床をずれて音を立てる。
「お弁当、置いておくから、しっかり食べなさいね。」
母親の寂しそうな声にも、返事はしなかった。
小さくなっていく足音は、閉じた扉の向こうに消えていく。
なぜ、こんなことになってしまったのか、理解が出来ない。
なまえが人殺しだなんて————。
「信じねぇ…。」
唇から零れた本音。そこからは、さっきまでの怒りに任せたような勢いは消え失せ、泣いているようだった。
なまえを、信じたい。
もしも、母親やフレイヤの語った〝事実〟のどこかに、〝真実〟が混ざっていたのだとしても、そこにはきっと理由があるはずだ。
絶対に、信じない。なまえが、自分の身勝手で、友人やその婚約者を傷つけるなんてありえないことだ。
でも、万が一、すべてが〝真実〟だったとしたら———。
怖い———自分は、今まで通り、彼女のことを想えるだろうか。
母親やフレイヤがしたように、冷たく背を向けたりしてしまわないだろうか。
身体が動けば、今すぐになまえの元へ駆け寄って確かめるのに、それが出来ない。
だから、悔しい。もどかしい。悔しい。
駆け寄る勇気のない自分が、情けなくて、悔しい。
「なまえ…。」
なまえの名前が漏れる。何度でも、何度でも、この唇が覚えてしまった名前が零れ落ちる。
目が覚めて数日、人殺しのなまえは、自分のせいで殺されかけた婚約者にすら会いたいと思わない最悪な女なのだと聞かされてからずっとだ。
だって————。
『会いたい…。』
記憶にないなまえの声が、耳の奥で木霊していて、離れないのだ。
なまえは、自分が眠り続けていた時、そばにいてくれたような気がする。
夢の中にまで会いに来て、会いたいと泣いていたはずなのだ。
そして、目が覚めたとき、ひどく安心したように涙を流すなまえの涙を拭った記憶が、頭の片隅にある。
それさえもすべて、長い眠りが見せた夢だというのだろうか———。
唇を噛んだら、右腕では隠しきれなかった涙の雫が、頬を零れて落ちていった。
今はただベッドで安静にしながら、傷の治りと体力の回復を待つ日々だ。
そして、なまえが会いに来てくれるのを、待つ日々だ———。
懸念されていた後遺症もなく、今はただベッドで安静にしながら、傷の治りと体力の回復を待つ日々だ。
「はぁ…。」
天井をぼんやりと眺めながら、ため息が漏れる。
ここ数年、身体が悲鳴を上げても続けられる訓練やなまえから押し付けられた雑用に書類仕事で、たまには休みたいと弱音を漏らしたくなったのは、一度や二度ではない。
でも実際、ベッドで横になるばかりの毎日は、退屈でしかない。
なまえなら、最高だと思うのだろうか。
ここぞとばかりに、1日中、惰眠を貪るのだろうか。
そして、きっと、嬉しそうに夢の話を聞かせるのだ。
でも———。
「おはよう、ジャン坊。
調子はどうだい?」
「ふふ、おはよう、ジャン坊!」
病室の扉が開き、母親が入ってくる。
そして、彼女の後ろから仲良くついて来たのは、今日も、フレイヤだった。
「お母さん、お弁当はこっちの棚に置いておきますね!」
「あぁ、ありがとう。
フレイヤちゃんがいて、本当に助かるよ。」
母親に褒められたフレイヤは、窓際の棚に弁当を置きながら、まんざらでもない笑みを浮かべる。
そして、ベッド脇の椅子に座る母親の横に、当然のように腰を降ろす。
彼女達の慣れたやり取りは、まるで、母娘のようだった。
でも、どうして———母親の隣にいるのが、なぜ、なまえではなくてフレイヤなのか、理解できない。
「朝食はちゃんと食べたのかい?」
ジャンの表情を覗き込みながら、母親が訊ねる。
だから、ジャンは、少し目を逸らして、壁の方を向いた。
偽物の婚約者だったのだとしても、母親の隣で楽しそうに笑うなまえがいた記憶があるせいで、今の光景をどうしても受け入れたくないのだ。
「あぁ。食った。」
「ならよかったよ。お昼のお弁当は、お前の好きなオムライスを———。」
「なまえさんは?」
「…来ないよ。」
「何してんの?なまえさんは、元気にしてんの?」
「あぁ、元気だったよ。さっきも———。」
「なら、どうして、俺に会いに来ねぇんだよ!」
勢いよく母親の方を向くと、怒りに任せに叫んだ。
その途端、腹の傷に引きつるような猛烈な痛みを感じて、思わず「い…ッ。」と声が漏れる。
「ジャン…っ!大丈夫かい!?」
「ジャンさん…ッ。」
痛みに腹をよじって苦しみ藻掻くジャンの背中を母親がさすり、フレイヤが心配そうに名前を呼ぶ。
息苦しさで、胸が引き裂かれるようだった。
心を占めているのは、怒りだけではない。寂しさと後悔、焦燥感、それから、不安だ。
なまえが、会いに来ない理由を、ジャンはもう母親とフレイヤから聞いて、知っている。
痛みが落ち着いた後、母親とフレイヤに背中を支えられて、改めてベッドに仰向けに横になった。
浅い息を整えながら、天井を見上げる。
覚えていないけれど、こんな風に、天井を見上げていた気がするのだ。
そうして、なまえの声をを待っていたら、まるで願いが届いたかのように、愛おしい声が、ジャンを眠りから目覚めさせた。
濡れたなまえの涙の感触を、今でも思い出せる———そんな気がするのに、それはただの夢だと、母親も、フレイヤも、父親でさえも言う。
ジャンが目覚めたとき、そばにはなまえはいなかった。その前も、その後も、傷ついたジャンの元になまえが姿を現したことはない。
それが、母親達が、ジャンに話して聞かせた〝事実〟だ。
「なまえさんを、連れてきて。」
「ジャン坊、お願いだよ。それは出来ないんだ。」
なまえの名前を出すと、母親はいつも、ひどく悲しそうな顔をする。
そして、彼女のことは忘れてくれと懇願するのだ。
母親の傷ついた顔なんて、好んで見たいとは思わない。
出来れば、一生、見たくない。調査兵団なんて、特に短命な兵士を選んでしまったけれど、それでも、両親に死顔なんて見せたくないと願っているのだ。
でも———。
「なんで。」
「それは…、」
「なまえさんは人殺しだったんですよ!
ジャンさんだって、なまえさんのせいで、刺されたんです!
言ったでしょう!?なまえさんが友人の婚約者を寝取って、飽きたからって捨てて殺し——。」
「信じねぇ!!」
頭の下に置いていた枕を勢いよく引き抜くと、そのまま、フレイヤに向かって思いっきり投げ捨てた。
驚愕とショックを織り交ぜたような表情で目を見開く彼女の肩に、枕が当たって落ちる。
顔を避けてあげたわけではない。そんな気遣いをしてやれる余裕なんか、ない。
ただ、まだ身体は回復の途中で、枕を持つ手にすら必要な力が入らなかっただけなのだ。
だから、悔しい。
こんな身体が、ひどく悔しい。
なまえの元に、駆け寄れない身体が、じれったくて、悔しいのだ。
「俺は、信じねぇから。」
ギロリと睨みつけるジャンの目は、殺気を孕んでいた。
そのはずなのに、フレイヤは、怯えないのだ。
驚愕を浮かべていた表情に、哀れみを足しただけだ。
その隣では、母親までもが、息子を不憫そうに見つめる。
まるで、自分だけが我儘に現実を受け入れない子供になってしまったみたいで、最低な気分だった。
それでも———。
「俺は、なまえから聞くまで、絶対に信じねぇ。」
息を呑んだ音が、ふたつ聞こえた。
あまりの頑固さに驚いたのか、呆れているのか、可哀想だとでも思ったのか。
何だっていい。誰に何を思われても、どうでもいい。
気になるのは、なまえの気持ちだ。
彼女は今、何を想い、何を考え、どこで何をしているのだろう。
それだけが、気がかりで、頭がおかしくなりそうだ。
「ジャン…。」
「出てけ。」
右腕を乗せて両目を隠すと、自分でも驚くほどに冷たい声が出た。
隠したのは、目頭が熱くなったせいなのだけれど、母親の悲しそうな顔を見たくなかったから、ちょうどよかった。
でも、きっと、母親は、泣きそうになっていることに気づいているのだろう。
友達と喧嘩をして悔し泣きをしているとき、父親に叱られてしまったとき、こうして顔を隠して強がっていたのを、いつもそばにいて見守ってくれていた母親は知ってる。
「ジャン、私はあなたにこれ以上、傷ついてほしくないんだよ。
なまえさんのことは、もう忘れておくれ。」
「出ていけって。」
「彼女も、そう願ってるよ。
ジャンの幸せを———。」
「お願いだ。出て行って、くれ…。」
ひとりになりたかった。
誰が、何を言っても、説得をしようとしても、到底受け入れられないのだ。
「ジャンさん、私達は、ジャンさんにもう二度と
人殺しのせいで、傷ついてほしくないんですよ。」
「フレイヤちゃん、行きましょう。」
それでも尚、ジャンを説得しようとしていたフレイヤを制した母親の声がしてすぐに、椅子から立ち上がった音がした。
フレイヤは、まだ何かを言おうとしていたけれど、母親がもう一度、部屋を出るように促すと、躊躇いがちに椅子が床をずれて音を立てる。
「お弁当、置いておくから、しっかり食べなさいね。」
母親の寂しそうな声にも、返事はしなかった。
小さくなっていく足音は、閉じた扉の向こうに消えていく。
なぜ、こんなことになってしまったのか、理解が出来ない。
なまえが人殺しだなんて————。
「信じねぇ…。」
唇から零れた本音。そこからは、さっきまでの怒りに任せたような勢いは消え失せ、泣いているようだった。
なまえを、信じたい。
もしも、母親やフレイヤの語った〝事実〟のどこかに、〝真実〟が混ざっていたのだとしても、そこにはきっと理由があるはずだ。
絶対に、信じない。なまえが、自分の身勝手で、友人やその婚約者を傷つけるなんてありえないことだ。
でも、万が一、すべてが〝真実〟だったとしたら———。
怖い———自分は、今まで通り、彼女のことを想えるだろうか。
母親やフレイヤがしたように、冷たく背を向けたりしてしまわないだろうか。
身体が動けば、今すぐになまえの元へ駆け寄って確かめるのに、それが出来ない。
だから、悔しい。もどかしい。悔しい。
駆け寄る勇気のない自分が、情けなくて、悔しい。
「なまえ…。」
なまえの名前が漏れる。何度でも、何度でも、この唇が覚えてしまった名前が零れ落ちる。
目が覚めて数日、人殺しのなまえは、自分のせいで殺されかけた婚約者にすら会いたいと思わない最悪な女なのだと聞かされてからずっとだ。
だって————。
『会いたい…。』
記憶にないなまえの声が、耳の奥で木霊していて、離れないのだ。
なまえは、自分が眠り続けていた時、そばにいてくれたような気がする。
夢の中にまで会いに来て、会いたいと泣いていたはずなのだ。
そして、目が覚めたとき、ひどく安心したように涙を流すなまえの涙を拭った記憶が、頭の片隅にある。
それさえもすべて、長い眠りが見せた夢だというのだろうか———。
唇を噛んだら、右腕では隠しきれなかった涙の雫が、頬を零れて落ちていった。
今はただベッドで安静にしながら、傷の治りと体力の回復を待つ日々だ。
そして、なまえが会いに来てくれるのを、待つ日々だ———。