◇第八十八話◇絶望の淵で見た優しい愛
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そこは、夢と呼ぶには、あまりにも悲しい場所だった。
ジャンが立っているのは、辺り一面が砂で覆われている大地の真ん中だ。
夜なのか、頭上には真っ暗な空が広がっている。紫と黒の絵の具を混ぜた後、ただひたすらに筆で塗りたくっただけのような無機質なそこには、月どころか、星ひとつ見つからない。
目に映るのは、どこまでも続く砂と、終わりの見えない夜の空だけだ。
どうして、自分がこんなところにいるのか、ジャンには理解できなかった。
「—————!」
誰かいませんか———そう叫んだはずなのに、声が出ない。
いや、実際はどうなのかは分からない。
叫んでいるつもりはあるのだ。
だが、その声が自分の耳には聞こえない。
気持ちの悪い感覚だった。
それでも、何度か試してみるが、結果は同じだ。
仕方なく、ジャンは、歩きながら人を探すことにした。
サラサラと滑るような砂の上を、一歩、一歩、踏み出して歩く。
その度に、足が砂にとられて歩きづらい。でも、砂を踏んでいるという感じはしない。
まるで、宙を浮いているようだった。
不思議に思って足元を見て初めて、自分が靴を履いていないことに気が付いた。小さな砂の粒が足の指の間に絡まっているのだが、気持ち悪いと感じるどころか、何かが足に触れている感覚すらなかった。
(どうなってんだ…?)
身体から、神経の全てが消えてしまったとしか思えなかった。
立ち止まり、ジャンは自分の身体を見下ろす。
一応、調査兵団のロゴが刻まれている兵団服は着ているようだが、なぜか、腹のあたりが赤黒く染まっている。
(なんだこれ…、血…?)
赤黒い血のようなもので染まっている腹の辺りに触れてみる。
もう渇ききっているのか、血のようなものがジャンの手につくことはなかった。
だが、その瞬間に、幾つかの断片的な映像が、勢いよく脳裏に蘇ってきた。
駐屯兵団本部の会議室とリコ・ブレツェンスカ、なまえに持っていくように頼まれた書類、それから、後ろから名前を呼んだ誰か———。
急にゾクリと背筋が冷えて、思わず振り返る。
そこにあるのは、さっきまでと同じだ。どこまでも続く砂と、終わりの見えない夜の空があるだけ。
でも、確かに、あの時、ジャンの目の前には、若い女が立っていた。
ジャンよりも幾つか年上に見えた彼女は、虚ろな目をキラキラと輝かせて、なまえの婚約を心から喜んでいた。
そして———。
(刺され、た…、のか…?)
徐々に、思い出してきた。
なまえの知り合いらしい彼女に、婚約を祝われた後、気づいたときにはもう、腹に猛烈な痛みを感じていた。
驚いたような仲間の顔と、誰かの悲鳴、力を失い倒れていく足———記憶は、そこで途切れている。
それでも、必死に消えた記憶を辿れば、何度も自分の名前を呼ぶ仲間達の声が蘇ってくる。その声の向こうには、なまえの悲壮に満ちた表情がちらついている。
(なまえ…!)
ハッとして、辺りを見渡した。
なまえはどこにいるのか。今、彼女はどうしているのだろうか。
なぜ、自分が刺されたのかは分からない。
ただ、あの若い女は、なまえの知り合いのようだった。
もしもそれが、ジャンが刺されたことと関係するのならば、なまえの悲壮な表情も頷ける。
きっと、彼女は今、死ぬほど自分を責めているのだろう。ひとりきりで泣いているかもしれない。
なにより、眠り姫のくせに、出張でジャンがいないだけで、寂しさで眠れなくなってしまったこともある。
早く、戻ってやらなければならない。自分は大丈夫だから、笑ってくれと言わなければならない。
ほんの少しくらいいじめれば、きっと、いつものように困った顔で笑ってくれる。
ホッとしたような、笑みを思い出させてやらなければ———。
「———っ。」
ジャンは、立ち止まっていた足を、もう一度、一歩、一歩、前に押し出して歩き始めた。
なまえを守らなければならないという使命感が、ジャンを突き動かしたというのは間違いない。
でも、一番の理由は、それではないのだ。
ただ、彼女に会いたかった。触れたかった。
なぜこんな場所にいるのか。なぜ自分の声が聞こえないのか。なぜ、感覚の全てを失っているのか———悪い答えしか出そうにないことは、考えないようにした。
壊れそうなくらいに華奢なのに柔らかくて綺麗ななまえの肌に、温もりに、触れたい。
これからも、共に生きていけるのだと、安心したい。自分の未来を確信したい。
でも、視界の向こうに現れたのは、ジャンの希望を打ちのめすには十分な光景だった。
そこにいたのは、訓練兵時代に苦楽を共にした104期の仲間だった。
ミーナにトーマス、ミリウスにナック。フランツとハンナは、相変わらず、仲睦まじく笑い合っている。
そのそばには、トロスト区奪還作戦の時にエレンを守って犠牲になった駐屯兵団の精鋭チームの姿も見えた。
よく見れば、それだけではない。
調査兵団に入団してから今まで、ジャンが失ってきた仲間達まで、そこにいたのだ。
誰も悲しそうな顔をしていないのだけが、救いだったかもしれない。
気の合う仲間同士でお喋りをしては、笑い合っている姿を見て、少しだけ、心に刺さっていた棘が抜けたような気がしたのだ。
(あぁ…。)
そうか、自分は死んだのか。
それが最も望んでいない答えだったとしても、ジャンにはもう、そう理解するしかなかった。
それなら、ここは天国か。もしくは地獄か。それとも、そのどちらでもないのかもしれない。
ただ分かるのは、ここが、〝生〟のある世界とは隔離された場所だということだ。
それだけで、物心ついた頃からずっと気が張っていたジャンの肩の力を抜くのに、十分だった。
その瞬間、なまえのことが、頭から、心から消えた。
ジャンを支配したのは『もう苦しまなくていい。』という安心感だった。
「——————!」
トーマス、ナック、久しぶりだな———そう声をかけたはずだったけれど、相変わらず自分の声は聞こえない。
でも、彼らには聞こえたらしく、楽しそうにお喋りをしていたトーマス達が、ジャンの方を向いた。
その途端、彼らは、なぜか、泣きそうな顔をしたのだ。
そして、ひどく悲しそうに、小さく首を横に振る。
「————!—————!!
——————!」
なんだよ、俺も仲間に入れてくれよ、そっちに行かせてくれ———ジャンは、身振り手振りで必死に懇願した。
それでも、来るなというように首を横に振るから、彼らがいる場所まで、必死に走った。
確かに距離は縮んでいるはずなのに、彼らの姿はいつまで経っても近づかない。
それなのに、彼らの悲しそうな表情だけは、嫌というほどにハッキリしてくるのだ。
なんとか近づこうとして必死に走っていると、ミーナがまた、小さく首を横に振った。
そして、ある方向を指さした。
(なんだ?)
立ち止まったジャンは、導かれるように、ミーナが指さした方を向く。
そこにあったのは、光だった。
朝焼けと呼ぶにはあまりにも心許ない光だったけれど、終わりがないと思っていた深い夜空に、一筋の白い光が見えていたのだ。
「—————?」
あそこに行けばいいのか———訊ねたけれど、ミーナは何も答えない。
ただ、真っ直ぐに、朝焼けになろうとしているその光の方を指さすのだ。
よく見てみれば、トーマス達や調査兵団の仲間達、駐屯兵団の精鋭チームも、その光が射している方をじっと見つめていた。
眩しそうに、切望するように、どこか諦めたように、でも、希望を信じているかのように、彼らは、一筋の光を見つめている。
(わかったよ、行けばいいんだろ…!)
死ぬな———そういうことなのだと理解して、ジャンは、ミーナ達に背を向けた。
彼らのいる場所こそ、安らぎの場所だ。少なくとも、ジャンにはそう思えた。
だって、彼らは、不安も何もないような顔をして、仲間と笑い合っていたのだ。
羨ましい。自分も本当はそこに行きたい。苦しむのなんて、もう嫌だ。
不安なんてない、夢のような場所で、仲間と———。
そこまで考えて、脳裏に蘇るのは、屈託のない笑みを浮かべるなまえだった。
地獄よりも残酷な現実で、彼女が見せていた笑みは、ついさっきまでトーマス達が見せていた表情にそっくりだった。
(あぁ、そうか…。)
なまえの笑みを見ていると、なぜか安心した。その理由が、なんとなく分かった気がする。
自分達は、なまえを通して、失った大切な人達の希望を見ていたのだ。
今頃、彼らはきっと、そんな風に、不安もなにもない夢のような場所で笑っている。残酷な現実から抜け出すことが出来たのだ、と信じられた。
(なまえ…っ。)
会いたい———さっきまで、跡形もなく消えていたはずの願望が、ジャンの胸の内に、泡の様にむくり、むくりと湧き上がってきた。
仕方なく朝焼けに向かって重たく引きずっていた足が、速度を上げていく。
会いたい、なまえに会いたい。触れたい、抱きしめたい。
伝えたいことが、ある。
その結果がどうなろうとも、伝えなければならないことがあるのだ。
人の命とは儚く、呆気なく、壁外も壁内も関係なく、誰かの勝手で容易く奪われる。
いつ死ぬか分からないのだと身をもって知ってしまった今、〝良いタイミング〟なんて待っていられない。
なまえに会ったらすぐに、気持ちを伝えなければ———。
ジャンが立っているのは、辺り一面が砂で覆われている大地の真ん中だ。
夜なのか、頭上には真っ暗な空が広がっている。紫と黒の絵の具を混ぜた後、ただひたすらに筆で塗りたくっただけのような無機質なそこには、月どころか、星ひとつ見つからない。
目に映るのは、どこまでも続く砂と、終わりの見えない夜の空だけだ。
どうして、自分がこんなところにいるのか、ジャンには理解できなかった。
「—————!」
誰かいませんか———そう叫んだはずなのに、声が出ない。
いや、実際はどうなのかは分からない。
叫んでいるつもりはあるのだ。
だが、その声が自分の耳には聞こえない。
気持ちの悪い感覚だった。
それでも、何度か試してみるが、結果は同じだ。
仕方なく、ジャンは、歩きながら人を探すことにした。
サラサラと滑るような砂の上を、一歩、一歩、踏み出して歩く。
その度に、足が砂にとられて歩きづらい。でも、砂を踏んでいるという感じはしない。
まるで、宙を浮いているようだった。
不思議に思って足元を見て初めて、自分が靴を履いていないことに気が付いた。小さな砂の粒が足の指の間に絡まっているのだが、気持ち悪いと感じるどころか、何かが足に触れている感覚すらなかった。
(どうなってんだ…?)
身体から、神経の全てが消えてしまったとしか思えなかった。
立ち止まり、ジャンは自分の身体を見下ろす。
一応、調査兵団のロゴが刻まれている兵団服は着ているようだが、なぜか、腹のあたりが赤黒く染まっている。
(なんだこれ…、血…?)
赤黒い血のようなもので染まっている腹の辺りに触れてみる。
もう渇ききっているのか、血のようなものがジャンの手につくことはなかった。
だが、その瞬間に、幾つかの断片的な映像が、勢いよく脳裏に蘇ってきた。
駐屯兵団本部の会議室とリコ・ブレツェンスカ、なまえに持っていくように頼まれた書類、それから、後ろから名前を呼んだ誰か———。
急にゾクリと背筋が冷えて、思わず振り返る。
そこにあるのは、さっきまでと同じだ。どこまでも続く砂と、終わりの見えない夜の空があるだけ。
でも、確かに、あの時、ジャンの目の前には、若い女が立っていた。
ジャンよりも幾つか年上に見えた彼女は、虚ろな目をキラキラと輝かせて、なまえの婚約を心から喜んでいた。
そして———。
(刺され、た…、のか…?)
徐々に、思い出してきた。
なまえの知り合いらしい彼女に、婚約を祝われた後、気づいたときにはもう、腹に猛烈な痛みを感じていた。
驚いたような仲間の顔と、誰かの悲鳴、力を失い倒れていく足———記憶は、そこで途切れている。
それでも、必死に消えた記憶を辿れば、何度も自分の名前を呼ぶ仲間達の声が蘇ってくる。その声の向こうには、なまえの悲壮に満ちた表情がちらついている。
(なまえ…!)
ハッとして、辺りを見渡した。
なまえはどこにいるのか。今、彼女はどうしているのだろうか。
なぜ、自分が刺されたのかは分からない。
ただ、あの若い女は、なまえの知り合いのようだった。
もしもそれが、ジャンが刺されたことと関係するのならば、なまえの悲壮な表情も頷ける。
きっと、彼女は今、死ぬほど自分を責めているのだろう。ひとりきりで泣いているかもしれない。
なにより、眠り姫のくせに、出張でジャンがいないだけで、寂しさで眠れなくなってしまったこともある。
早く、戻ってやらなければならない。自分は大丈夫だから、笑ってくれと言わなければならない。
ほんの少しくらいいじめれば、きっと、いつものように困った顔で笑ってくれる。
ホッとしたような、笑みを思い出させてやらなければ———。
「———っ。」
ジャンは、立ち止まっていた足を、もう一度、一歩、一歩、前に押し出して歩き始めた。
なまえを守らなければならないという使命感が、ジャンを突き動かしたというのは間違いない。
でも、一番の理由は、それではないのだ。
ただ、彼女に会いたかった。触れたかった。
なぜこんな場所にいるのか。なぜ自分の声が聞こえないのか。なぜ、感覚の全てを失っているのか———悪い答えしか出そうにないことは、考えないようにした。
壊れそうなくらいに華奢なのに柔らかくて綺麗ななまえの肌に、温もりに、触れたい。
これからも、共に生きていけるのだと、安心したい。自分の未来を確信したい。
でも、視界の向こうに現れたのは、ジャンの希望を打ちのめすには十分な光景だった。
そこにいたのは、訓練兵時代に苦楽を共にした104期の仲間だった。
ミーナにトーマス、ミリウスにナック。フランツとハンナは、相変わらず、仲睦まじく笑い合っている。
そのそばには、トロスト区奪還作戦の時にエレンを守って犠牲になった駐屯兵団の精鋭チームの姿も見えた。
よく見れば、それだけではない。
調査兵団に入団してから今まで、ジャンが失ってきた仲間達まで、そこにいたのだ。
誰も悲しそうな顔をしていないのだけが、救いだったかもしれない。
気の合う仲間同士でお喋りをしては、笑い合っている姿を見て、少しだけ、心に刺さっていた棘が抜けたような気がしたのだ。
(あぁ…。)
そうか、自分は死んだのか。
それが最も望んでいない答えだったとしても、ジャンにはもう、そう理解するしかなかった。
それなら、ここは天国か。もしくは地獄か。それとも、そのどちらでもないのかもしれない。
ただ分かるのは、ここが、〝生〟のある世界とは隔離された場所だということだ。
それだけで、物心ついた頃からずっと気が張っていたジャンの肩の力を抜くのに、十分だった。
その瞬間、なまえのことが、頭から、心から消えた。
ジャンを支配したのは『もう苦しまなくていい。』という安心感だった。
「——————!」
トーマス、ナック、久しぶりだな———そう声をかけたはずだったけれど、相変わらず自分の声は聞こえない。
でも、彼らには聞こえたらしく、楽しそうにお喋りをしていたトーマス達が、ジャンの方を向いた。
その途端、彼らは、なぜか、泣きそうな顔をしたのだ。
そして、ひどく悲しそうに、小さく首を横に振る。
「————!—————!!
——————!」
なんだよ、俺も仲間に入れてくれよ、そっちに行かせてくれ———ジャンは、身振り手振りで必死に懇願した。
それでも、来るなというように首を横に振るから、彼らがいる場所まで、必死に走った。
確かに距離は縮んでいるはずなのに、彼らの姿はいつまで経っても近づかない。
それなのに、彼らの悲しそうな表情だけは、嫌というほどにハッキリしてくるのだ。
なんとか近づこうとして必死に走っていると、ミーナがまた、小さく首を横に振った。
そして、ある方向を指さした。
(なんだ?)
立ち止まったジャンは、導かれるように、ミーナが指さした方を向く。
そこにあったのは、光だった。
朝焼けと呼ぶにはあまりにも心許ない光だったけれど、終わりがないと思っていた深い夜空に、一筋の白い光が見えていたのだ。
「—————?」
あそこに行けばいいのか———訊ねたけれど、ミーナは何も答えない。
ただ、真っ直ぐに、朝焼けになろうとしているその光の方を指さすのだ。
よく見てみれば、トーマス達や調査兵団の仲間達、駐屯兵団の精鋭チームも、その光が射している方をじっと見つめていた。
眩しそうに、切望するように、どこか諦めたように、でも、希望を信じているかのように、彼らは、一筋の光を見つめている。
(わかったよ、行けばいいんだろ…!)
死ぬな———そういうことなのだと理解して、ジャンは、ミーナ達に背を向けた。
彼らのいる場所こそ、安らぎの場所だ。少なくとも、ジャンにはそう思えた。
だって、彼らは、不安も何もないような顔をして、仲間と笑い合っていたのだ。
羨ましい。自分も本当はそこに行きたい。苦しむのなんて、もう嫌だ。
不安なんてない、夢のような場所で、仲間と———。
そこまで考えて、脳裏に蘇るのは、屈託のない笑みを浮かべるなまえだった。
地獄よりも残酷な現実で、彼女が見せていた笑みは、ついさっきまでトーマス達が見せていた表情にそっくりだった。
(あぁ、そうか…。)
なまえの笑みを見ていると、なぜか安心した。その理由が、なんとなく分かった気がする。
自分達は、なまえを通して、失った大切な人達の希望を見ていたのだ。
今頃、彼らはきっと、そんな風に、不安もなにもない夢のような場所で笑っている。残酷な現実から抜け出すことが出来たのだ、と信じられた。
(なまえ…っ。)
会いたい———さっきまで、跡形もなく消えていたはずの願望が、ジャンの胸の内に、泡の様にむくり、むくりと湧き上がってきた。
仕方なく朝焼けに向かって重たく引きずっていた足が、速度を上げていく。
会いたい、なまえに会いたい。触れたい、抱きしめたい。
伝えたいことが、ある。
その結果がどうなろうとも、伝えなければならないことがあるのだ。
人の命とは儚く、呆気なく、壁外も壁内も関係なく、誰かの勝手で容易く奪われる。
いつ死ぬか分からないのだと身をもって知ってしまった今、〝良いタイミング〟なんて待っていられない。
なまえに会ったらすぐに、気持ちを伝えなければ———。