「朝ですよ。」
ジャンの声が、遠くで聞こえていた。
肩を揺すられ続けて、何度目かで、私はゆっくりと目を開ける。
窓から射しこむ光が眩しくて、開けたばかりの目を思わず細めてしまう。
そんな私を、ジャンが、クスリと笑った。
「
なまえさん、おはよう。」
「寝癖、いっぱい。」
「っるせー。お互い様です。」
「おはよ。」
「おはよう。」
ジャンが、私の髪を撫でながら、顔を近づける。
私はそれを、当然のように受け止めて、瞳を閉じる。
そして私達は、まるで本当の恋人同士のように、おはようのキスで1日を始めた———。