◇第六十話◇変わらない貴方の目と変わってしまった私の気持ち
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「ごめんね。」
謝ると、シャワー上がりの私の髪を乾かし終えたタオルを畳み、テーブルの上に置こうとしていたジャンの手が止まった。
そして、不思議そうに私の方を向く。
「何がですか?」
「パパとママ、朝から晩まで振り回されて困ったでしょ。」
「あ~、そのことですか。」
ジャンは納得したように言いながら、ソファに背中を預けた。
「ジャンのご両親まで巻き込んで、式場とか連れまわしちゃって
本当にごめん。」
隣に座るジャンの方を向いて、頭を下げた。
私の為に婚約者のフリをしてくれているだけのジャンに、たくさんの迷惑をかけてしまった。
でも、ジャンは、クスリと笑うと、謝罪する私の頭の上に大きな手を乗せた。
「いいですよ。なまえさんのドレス姿も見れたし、
俺は楽しかったですよ。」
クシャリと髪を撫でて、ジャンが言う。
最近、ジャンのそういう優しさが、ちょっと胸に痛い。
「ありがとう。ジャンがうまくしてくれるから
パパとママも楽しそうで、本当に助かったよ。」
ニコリと笑って言うと、ジャンに抱きしめられた。
大きな腕にすっぽり包まれた私を、ジャンが見下ろしてニッと口の端を上げた。
嫌な予感はたぶん、当たっていて———。
「ドレス姿の次は、エロい下着姿を見せて貰おうかな。」
「見せないよ…!」
ジャンの硬い胸板を勢いよく突き飛ばして、私はソファから立ち上がった。
「往生際が悪いっすよ!」
逃げる私をジャンが追いかける。
こんな狭い部屋じゃ、すぐに腕を掴まれて、後ろから抱きしめられてしまった。
ちゃっかり胸を大きな手が包んでいて、私は分かりやすいくらいに顔を真っ赤にしてしまう。
「ヘンタイ…っ!」
「なまえさんのことっすか?」
「違うよ…!!ジャンが!!」
「期待してエロい下着つけてる人には、負けますよ。」
ジャンが意地悪く言いながら、ロングワンピースの裾を持ち上げて太ももに触れようとする。
「つけてないからっ。」
慌ててジャンの手首を掴んで、動きを止めさせた。
あぁ、今朝、どうして余計なことを口走ってしまったのだろう。
ジャンの言う通りだ、私は本当は期待してる。
今夜だけじゃなくて、あの夜からずっと。
ジャンの指先が、私に触れることを————。
「へぇ。そうなんすか。」
「そうだよっ。」
「なら、さっきから、この緩んだ襟元からチラチラ覗かせて
俺を誘惑してくるいやらしいレースは、俺の見間違いですかね?」
「…!?ち、違…、キャッ!!」
慌てて首元を両手で隠して、ジャンから離れようとした私は、焦り過ぎたせいでバランスを崩してしまった。
あっという間に後ろに倒れていく私の腕を、ジャンがすぐに掴まえた。
そして、勢いよく腕を引っ張られた。
ほんの一瞬のように感じた。
ジャンは、私を腕の中に抱きしめて守ったままで、背中からベッドにダイブしていた。
「ご…ッ、ごめんッ。大丈夫!?」
ジャンの上に乗ってしまっていた私は、慌てて身体を起こそうとした。
でも、肩を掴まれて、ジャンの目線と至近距離で動けなくなってしまった。
「抱かせてよ。」
あまりにストレートなセリフは、私から誤魔化しの言葉を奪った。
熱っぽい瞳と、見たことのないジャンの男らしい色気のある表情は、私から呼吸を奪った。
最後に残った理性は————。
「もう限界。なまえさんが欲しい。」
肩を掴んでいたジャンの手が離れて、私の首筋を撫でて上がっていく。
そして、頬に触れた。
熱い瞳とは裏腹に、その手はすごく冷たくて、そのアンバランスが私に現実と夢の境い目を曖昧にさせる。
「なまえさんの初めて、俺にください。」
「貰って、くれるなら…。」
ジャンの手が私の後頭部を包んで、長くて綺麗で、悪戯な指が私の髪に絡む。
唇を近づけたのは、ジャンの手かな。
それとも、私の意志だったかもしれない。
唇が重なる前にもう私は、ジャンの綺麗な瞳に、ダメだとストップをかける僅かに残っていた理性すらも奪われていたから———。
謝ると、シャワー上がりの私の髪を乾かし終えたタオルを畳み、テーブルの上に置こうとしていたジャンの手が止まった。
そして、不思議そうに私の方を向く。
「何がですか?」
「パパとママ、朝から晩まで振り回されて困ったでしょ。」
「あ~、そのことですか。」
ジャンは納得したように言いながら、ソファに背中を預けた。
「ジャンのご両親まで巻き込んで、式場とか連れまわしちゃって
本当にごめん。」
隣に座るジャンの方を向いて、頭を下げた。
私の為に婚約者のフリをしてくれているだけのジャンに、たくさんの迷惑をかけてしまった。
でも、ジャンは、クスリと笑うと、謝罪する私の頭の上に大きな手を乗せた。
「いいですよ。なまえさんのドレス姿も見れたし、
俺は楽しかったですよ。」
クシャリと髪を撫でて、ジャンが言う。
最近、ジャンのそういう優しさが、ちょっと胸に痛い。
「ありがとう。ジャンがうまくしてくれるから
パパとママも楽しそうで、本当に助かったよ。」
ニコリと笑って言うと、ジャンに抱きしめられた。
大きな腕にすっぽり包まれた私を、ジャンが見下ろしてニッと口の端を上げた。
嫌な予感はたぶん、当たっていて———。
「ドレス姿の次は、エロい下着姿を見せて貰おうかな。」
「見せないよ…!」
ジャンの硬い胸板を勢いよく突き飛ばして、私はソファから立ち上がった。
「往生際が悪いっすよ!」
逃げる私をジャンが追いかける。
こんな狭い部屋じゃ、すぐに腕を掴まれて、後ろから抱きしめられてしまった。
ちゃっかり胸を大きな手が包んでいて、私は分かりやすいくらいに顔を真っ赤にしてしまう。
「ヘンタイ…っ!」
「なまえさんのことっすか?」
「違うよ…!!ジャンが!!」
「期待してエロい下着つけてる人には、負けますよ。」
ジャンが意地悪く言いながら、ロングワンピースの裾を持ち上げて太ももに触れようとする。
「つけてないからっ。」
慌ててジャンの手首を掴んで、動きを止めさせた。
あぁ、今朝、どうして余計なことを口走ってしまったのだろう。
ジャンの言う通りだ、私は本当は期待してる。
今夜だけじゃなくて、あの夜からずっと。
ジャンの指先が、私に触れることを————。
「へぇ。そうなんすか。」
「そうだよっ。」
「なら、さっきから、この緩んだ襟元からチラチラ覗かせて
俺を誘惑してくるいやらしいレースは、俺の見間違いですかね?」
「…!?ち、違…、キャッ!!」
慌てて首元を両手で隠して、ジャンから離れようとした私は、焦り過ぎたせいでバランスを崩してしまった。
あっという間に後ろに倒れていく私の腕を、ジャンがすぐに掴まえた。
そして、勢いよく腕を引っ張られた。
ほんの一瞬のように感じた。
ジャンは、私を腕の中に抱きしめて守ったままで、背中からベッドにダイブしていた。
「ご…ッ、ごめんッ。大丈夫!?」
ジャンの上に乗ってしまっていた私は、慌てて身体を起こそうとした。
でも、肩を掴まれて、ジャンの目線と至近距離で動けなくなってしまった。
「抱かせてよ。」
あまりにストレートなセリフは、私から誤魔化しの言葉を奪った。
熱っぽい瞳と、見たことのないジャンの男らしい色気のある表情は、私から呼吸を奪った。
最後に残った理性は————。
「もう限界。なまえさんが欲しい。」
肩を掴んでいたジャンの手が離れて、私の首筋を撫でて上がっていく。
そして、頬に触れた。
熱い瞳とは裏腹に、その手はすごく冷たくて、そのアンバランスが私に現実と夢の境い目を曖昧にさせる。
「なまえさんの初めて、俺にください。」
「貰って、くれるなら…。」
ジャンの手が私の後頭部を包んで、長くて綺麗で、悪戯な指が私の髪に絡む。
唇を近づけたのは、ジャンの手かな。
それとも、私の意志だったかもしれない。
唇が重なる前にもう私は、ジャンの綺麗な瞳に、ダメだとストップをかける僅かに残っていた理性すらも奪われていたから———。