◇第五十四話◇人肌恋しい夜に会いに来て
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眠れない夜が続いている。
ジャンがいない1日が、こんなに長いなんて知らなかった。
たった1人に会えないだけの夜が、こんなにも長くなるだなんて想像したこともなかった。
ベッドの縁に座って、窓の向こうにある月を眺めようとしたところで、今夜は雲が夜空を闇に染めていた。
「寂しいな…。」
呟いてみても、ジャンどころか、誰にも届かない。
そう、思っていたのに———。
まるで、起きているのは私だけじゃないと教えてくれるみたいに、扉を叩く音がした。
眠っていたら絶対に気づかないような、遠慮がちなノックだった。
こんな真夜中に誰だろう———。
そう思いながら、私は立ちあがる。
そして、扉を開いて驚いた。
立っていたのは———————。