◇第五十話◇虫除けの赤い痕の効果は絶大
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兵団ジャケットに腕を通したジャンは、クローゼットの扉裏の鏡で全身を確認した。
部屋の外からは、新しい1日を始めた調査兵達の朝の挨拶が聞こえてきている。
ズボンのポケットから、ロケットを取り出して時間を確認すれば、そろそろ、なまえを起こしに行く時間だ。
憂鬱とは違うけれど、顔を合わせづらくて、なかなか足が動かない。
ジャンは、ロケットを握りしめる自分の手を凝視する。
今まで誰も触れたことのない彼女の秘密の泉———、そこに触れてしまった感触が、まだ指から消えていない。
彼女の滑らかな肌の手触りも、片手で包めてしまう可愛らしい胸が教えてくれたどこまでも柔らかい心地よさ、そして、イク前に痙攣しながらギュウッと締め付けて来た肉壁と、身体と心を奥底から刺激した艶やかな嬌声———。
むくりと立ち上がる欲情に気づいたジャンは、ハッとして首を激しく左右に振った。
昨日も、なまえの頭を撫でてやりながら、自身を落ち着かせるのに苦労したのだ。
すぐに彼女の元から去らなければ、自分が何をしでかすか分からなかった。
あんな風に、物欲しそうに潤んだ熱っぽい瞳が目の前にあれば尚更———。
死ぬ前のお願いだとか身勝手なことを言って、優しい彼女を無理やり手に入れようとしていたあのクズと同じには、絶対になりたくない。
その為だけに駆け込んだ自室で、男が何をしたのか、何をしなければならなかったのか、無垢な彼女は何も知らないのだろう。
知ってしまったらきっと、もう二度と、触れさせてはくれないのだと思う。
なまえに触れたことではなくて、自分の手の中で乱れるなまえの記憶を使って腫れ上がった自身を満たしたことで、この世の誰よりも彼女を穢したような気分だった。
あの後の、史上最悪の罪悪感と虚しさは、今後も一生、塗りかえられることはない自信がある。
「はぁ…。何やってんだ、俺。」
ため息を吐いたジャンは、ロケットをズボンのポケットに戻すと、クローゼットの扉を閉めた。
部屋の外からは、新しい1日を始めた調査兵達の朝の挨拶が聞こえてきている。
ズボンのポケットから、ロケットを取り出して時間を確認すれば、そろそろ、なまえを起こしに行く時間だ。
憂鬱とは違うけれど、顔を合わせづらくて、なかなか足が動かない。
ジャンは、ロケットを握りしめる自分の手を凝視する。
今まで誰も触れたことのない彼女の秘密の泉———、そこに触れてしまった感触が、まだ指から消えていない。
彼女の滑らかな肌の手触りも、片手で包めてしまう可愛らしい胸が教えてくれたどこまでも柔らかい心地よさ、そして、イク前に痙攣しながらギュウッと締め付けて来た肉壁と、身体と心を奥底から刺激した艶やかな嬌声———。
むくりと立ち上がる欲情に気づいたジャンは、ハッとして首を激しく左右に振った。
昨日も、なまえの頭を撫でてやりながら、自身を落ち着かせるのに苦労したのだ。
すぐに彼女の元から去らなければ、自分が何をしでかすか分からなかった。
あんな風に、物欲しそうに潤んだ熱っぽい瞳が目の前にあれば尚更———。
死ぬ前のお願いだとか身勝手なことを言って、優しい彼女を無理やり手に入れようとしていたあのクズと同じには、絶対になりたくない。
その為だけに駆け込んだ自室で、男が何をしたのか、何をしなければならなかったのか、無垢な彼女は何も知らないのだろう。
知ってしまったらきっと、もう二度と、触れさせてはくれないのだと思う。
なまえに触れたことではなくて、自分の手の中で乱れるなまえの記憶を使って腫れ上がった自身を満たしたことで、この世の誰よりも彼女を穢したような気分だった。
あの後の、史上最悪の罪悪感と虚しさは、今後も一生、塗りかえられることはない自信がある。
「はぁ…。何やってんだ、俺。」
ため息を吐いたジャンは、ロケットをズボンのポケットに戻すと、クローゼットの扉を閉めた。