◇第四十六話◇今はまだ夢と現実の狭間にいる
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シャワーを浴びた私は、ソファに座って髪を乾かす。
普段は、ジャンにしてもらっているから、自分でするのはすごく面倒くさい。
早く元気になってくれないかな、と思っていたら、ベッドに横になっているジャンと目が合った。
意地悪く口元を歪めているジャンに、心の声を読まれた気がして、思いっきり舌を出してやった。
静かな部屋で、ジャンが喉を鳴らして笑う声が小さく届く。
「やっぱり、なまえさんは、
ドレスよりもそういうだらしない恰好が似合いますね。」
ジャンが楽しそうに言う。
一瞬、ムッとした。
だから、失礼なやつだな———と文句を言いかけたのだ。
でも———。
「…私もそう思う。」
私は結局、頷いた。
実際、私も、襟元や袖口が伸びきっているパジャマを着ている方が楽だし、好きだったのだ。
悔しそうにしながらも、認めた私に、ジャンの機嫌はさらに良くなる。
満足気に口の端を上げるジャンに見守られながら、髪を乾かし終えた私は、適当にソファにタオルを投げ捨てて立ち上がった。
「また。濡れたタオルはちゃんと———。」
「今日は、私がジャンの部屋で寝るね。」
「は?」
また、ジャンが面倒なことを言いだす前に、私は言葉を遮った。
髪を乾かしながら、考えていたことだ。
特注品の自慢のベッドは、熱を出して寝込んでいるジャンが使うのがいいに決まっている。
でも、ソファで寝るのは、私が嫌だ。
「病人のジャンを自分の部屋に帰れって言うような鬼じゃないし、
でも、私もベッドで寝たいし。だから、ジャンのベッド借りるね。
で、風邪が治るまでは、そのベッドは、ジャンに貸してあげるよ。」
私は自慢気に言った。
だって、特注のそのベッドは、私の宝物なのだ。
出来れば、24時間、一瞬たりとも離れたくないくらいに愛しているのだ。
そのベッドをジャンに貸してあげるのだから、有難く思って欲しいくらいだ。
でも、ジャンは不満気に口を尖らせた。
「何言ってるんすか。なまえさんも俺と一緒に寝るんですよ。」
想定外の選択肢に、私は驚いた。
「やだよ。うつされちゃうじゃん。」
「誰のせいだと思ってるんすか。」
露骨に表情を歪めた私に、ジャンが至極最もなことを言う。
まぁ、確かにそうなのだけれど、だからこそ、あの苦しみをもう二度と味わいたくないのだ。
普段は、ジャンにしてもらっているから、自分でするのはすごく面倒くさい。
早く元気になってくれないかな、と思っていたら、ベッドに横になっているジャンと目が合った。
意地悪く口元を歪めているジャンに、心の声を読まれた気がして、思いっきり舌を出してやった。
静かな部屋で、ジャンが喉を鳴らして笑う声が小さく届く。
「やっぱり、なまえさんは、
ドレスよりもそういうだらしない恰好が似合いますね。」
ジャンが楽しそうに言う。
一瞬、ムッとした。
だから、失礼なやつだな———と文句を言いかけたのだ。
でも———。
「…私もそう思う。」
私は結局、頷いた。
実際、私も、襟元や袖口が伸びきっているパジャマを着ている方が楽だし、好きだったのだ。
悔しそうにしながらも、認めた私に、ジャンの機嫌はさらに良くなる。
満足気に口の端を上げるジャンに見守られながら、髪を乾かし終えた私は、適当にソファにタオルを投げ捨てて立ち上がった。
「また。濡れたタオルはちゃんと———。」
「今日は、私がジャンの部屋で寝るね。」
「は?」
また、ジャンが面倒なことを言いだす前に、私は言葉を遮った。
髪を乾かしながら、考えていたことだ。
特注品の自慢のベッドは、熱を出して寝込んでいるジャンが使うのがいいに決まっている。
でも、ソファで寝るのは、私が嫌だ。
「病人のジャンを自分の部屋に帰れって言うような鬼じゃないし、
でも、私もベッドで寝たいし。だから、ジャンのベッド借りるね。
で、風邪が治るまでは、そのベッドは、ジャンに貸してあげるよ。」
私は自慢気に言った。
だって、特注のそのベッドは、私の宝物なのだ。
出来れば、24時間、一瞬たりとも離れたくないくらいに愛しているのだ。
そのベッドをジャンに貸してあげるのだから、有難く思って欲しいくらいだ。
でも、ジャンは不満気に口を尖らせた。
「何言ってるんすか。なまえさんも俺と一緒に寝るんですよ。」
想定外の選択肢に、私は驚いた。
「やだよ。うつされちゃうじゃん。」
「誰のせいだと思ってるんすか。」
露骨に表情を歪めた私に、ジャンが至極最もなことを言う。
まぁ、確かにそうなのだけれど、だからこそ、あの苦しみをもう二度と味わいたくないのだ。