◇第三十八話◇雨の罠に囚われる
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「ジャ、ン…?」
自分の名前を呼ぶか細い声にハッとして、玄関を睨みつけていたジャンの意識が、なまえへと戻った。
視線を下げれば、横抱きされてジャンの胸元に頬を寄せているなまえが、虚ろな目で見上げている。
彼女の額や首筋の辺りにはうっすらと汗が滲み、火照った身体はいまだに熱い。
とりあえず、今は、リヴァイとのことを考えているときではない。
「今から着替えますよ。」
ジャンはそう言いながら、なまえをベッドのヘッドボードに寄り掛かるように座らせた。
今朝よりはマシになっていたのか、とりあえず、座ることは出来るようで安心する。
「そのまま待っててください。」
ジャンは、チェストに着替えを取りに行くために、ベッドに背を向ける。
だが、すぐに、弱々しい手が、ジャンの手に触れた。
驚いて振り向けば、虚ろな目に見上げられていた。
「ど、こいくの…?」
「着替えを取りに行くだけですよ。
後、出来れば、汗も拭きたいんで、温めたタオルでも貰って来ますよ。」
「いらない。」
なまえはジャンの手に触れたままで、首を横に振った。
ジャンは、疲れたため息を吐く。
今日、1日中だ。
何をしようとしても、何をしてやっても、いらないと言われる。
それでもなんとか自分なりに慣れない看病を頑張ったが、最終的に見せられたのが、リヴァイとのキスシーンだ。
ここまで来ると〝要らない〟のは、食事や薬でも着替えでもなく、自分なんじゃないかと思えてくる。
「いい加減にしてくださいよ。俺だって暇じゃないんです。
とにかく、着替えを持ってくるんでそこで待っててください。」
冷たく突き放すように言って、ジャンはなまえの手を振りほどく。
そして、チェストから、彼女がよく着ているゆったりしたワンピースのパジャマを取り出した。
下着はどうしようか少しだけ悩んで、そこまでしてやる必要もないかとやめた。
汗が滲んだパジャマだけ着替えられれば、いいだろう。
そんなことを考えていれば、後ろから、ドンッと何か重たいものが落ちたような音がして、驚いて振り向いた。
自分の名前を呼ぶか細い声にハッとして、玄関を睨みつけていたジャンの意識が、なまえへと戻った。
視線を下げれば、横抱きされてジャンの胸元に頬を寄せているなまえが、虚ろな目で見上げている。
彼女の額や首筋の辺りにはうっすらと汗が滲み、火照った身体はいまだに熱い。
とりあえず、今は、リヴァイとのことを考えているときではない。
「今から着替えますよ。」
ジャンはそう言いながら、なまえをベッドのヘッドボードに寄り掛かるように座らせた。
今朝よりはマシになっていたのか、とりあえず、座ることは出来るようで安心する。
「そのまま待っててください。」
ジャンは、チェストに着替えを取りに行くために、ベッドに背を向ける。
だが、すぐに、弱々しい手が、ジャンの手に触れた。
驚いて振り向けば、虚ろな目に見上げられていた。
「ど、こいくの…?」
「着替えを取りに行くだけですよ。
後、出来れば、汗も拭きたいんで、温めたタオルでも貰って来ますよ。」
「いらない。」
なまえはジャンの手に触れたままで、首を横に振った。
ジャンは、疲れたため息を吐く。
今日、1日中だ。
何をしようとしても、何をしてやっても、いらないと言われる。
それでもなんとか自分なりに慣れない看病を頑張ったが、最終的に見せられたのが、リヴァイとのキスシーンだ。
ここまで来ると〝要らない〟のは、食事や薬でも着替えでもなく、自分なんじゃないかと思えてくる。
「いい加減にしてくださいよ。俺だって暇じゃないんです。
とにかく、着替えを持ってくるんでそこで待っててください。」
冷たく突き放すように言って、ジャンはなまえの手を振りほどく。
そして、チェストから、彼女がよく着ているゆったりしたワンピースのパジャマを取り出した。
下着はどうしようか少しだけ悩んで、そこまでしてやる必要もないかとやめた。
汗が滲んだパジャマだけ着替えられれば、いいだろう。
そんなことを考えていれば、後ろから、ドンッと何か重たいものが落ちたような音がして、驚いて振り向いた。