◇第二十六話◇彼の機嫌が分からない朝
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眉を顰めて、押し上げるように瞼を開いた。
ぼんやりと見えるのは、古びた壁とクローゼット、デスクに向かってペンを動かしている自由の翼を背負った大きな背中————、見慣れた自分の部屋の様子だ。
壁掛けの時計は、いつもジャンが私を叩き起こすよりも1時間以上早い時間を指している。
(どうやって、帰って来たんだっけ…?)
昨日の夜、ハンジさん達とお洒落なバーにいたところまでは覚えている。
嘘を吐きやすいようにと思って、お酒を大量に飲んで、ハンジさんとお喋りをしていて————。
そこから先は、なんとなく断片的にしか、記憶がない。
それに思い出すために脳を動かそうとすると、多数の巨人が頭の中で地団駄を踏んでいるような猛烈な痛みが襲ってきて、吐きそうになる。
目が覚めてしまうと、横になっているのもツラくて、私はゆっくりと身体を起こした。
ベッドが軋む音がしたからか、それとも気配を感じたのか、ジャンが振り返った。
「あぁ、起きたんすか。今日は早いですね。」
「ん~…、頭が、痛くて…。」
額に頭を乗せて、弱々しい声で答えると、ジャンのため息が返ってきた。
彼が何を思っているのか、手に取るようにわかった。
呆れているのだろう。
「飲み過ぎなんですよ。もういい大人なんですから
許容範囲くらい覚えててくださいよ。」
「ん…、気をつける…。
ねぇ…、私、昨日————。」
「とりあえず、シャワー浴びてきたらどうですか。
少しはスッキリすると思いますよ。服も昨日のままですし、
その間に、俺がシーツを新しくしておきますから。」
昨日、私は何かをやらかさなかったか————、ジャンに聞きたいことも、言い訳もたくさんあったのだけれど、小さな私の声はかき消されてしまった。
そして、少し考えようとして、やっぱり頭が痛くて思考を停止した。
「・・・・・うん、そうする。ありがと。」
ジャンに短く答えて、よろよろしながらベッドから降りた。
ローテーブルの上には綺麗に畳んで兵団服が置いてあった。私が寝ている間に、ジャンが用意しておいてくれたのだろう。
チェストの引き出しから下着だけを取り出した私は、兵団服を抱えて、ふらふらしながら部屋を出た。
ぼんやりと見えるのは、古びた壁とクローゼット、デスクに向かってペンを動かしている自由の翼を背負った大きな背中————、見慣れた自分の部屋の様子だ。
壁掛けの時計は、いつもジャンが私を叩き起こすよりも1時間以上早い時間を指している。
(どうやって、帰って来たんだっけ…?)
昨日の夜、ハンジさん達とお洒落なバーにいたところまでは覚えている。
嘘を吐きやすいようにと思って、お酒を大量に飲んで、ハンジさんとお喋りをしていて————。
そこから先は、なんとなく断片的にしか、記憶がない。
それに思い出すために脳を動かそうとすると、多数の巨人が頭の中で地団駄を踏んでいるような猛烈な痛みが襲ってきて、吐きそうになる。
目が覚めてしまうと、横になっているのもツラくて、私はゆっくりと身体を起こした。
ベッドが軋む音がしたからか、それとも気配を感じたのか、ジャンが振り返った。
「あぁ、起きたんすか。今日は早いですね。」
「ん~…、頭が、痛くて…。」
額に頭を乗せて、弱々しい声で答えると、ジャンのため息が返ってきた。
彼が何を思っているのか、手に取るようにわかった。
呆れているのだろう。
「飲み過ぎなんですよ。もういい大人なんですから
許容範囲くらい覚えててくださいよ。」
「ん…、気をつける…。
ねぇ…、私、昨日————。」
「とりあえず、シャワー浴びてきたらどうですか。
少しはスッキリすると思いますよ。服も昨日のままですし、
その間に、俺がシーツを新しくしておきますから。」
昨日、私は何かをやらかさなかったか————、ジャンに聞きたいことも、言い訳もたくさんあったのだけれど、小さな私の声はかき消されてしまった。
そして、少し考えようとして、やっぱり頭が痛くて思考を停止した。
「・・・・・うん、そうする。ありがと。」
ジャンに短く答えて、よろよろしながらベッドから降りた。
ローテーブルの上には綺麗に畳んで兵団服が置いてあった。私が寝ている間に、ジャンが用意しておいてくれたのだろう。
チェストの引き出しから下着だけを取り出した私は、兵団服を抱えて、ふらふらしながら部屋を出た。