◇第二十四話◇お酒が喋らせる危険な秘密【中編】
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「起きたか?」
覗き込んできたリヴァイ兵長の綺麗な顔が、視界いっぱいを占領して、私は初めて、自分が知らない場所にいることに気がついた。
しっとりしたBGMが流れていて、淡い照明しかなく薄暗い。
目の前には4人用程の円卓があって、私は、リヴァイ兵長の首に両腕をまわして、膝の上で横抱きされているような格好で座っているようだ。
ここはどこだろう———。
そう思いながら、辺りを見渡すと、同じテーブルのソファ席に、ハンジさんとモブリットさん、団長がいた。隣の席には、ナナバとゲルガー、リヴァイ班のメンバーもいる。
奥には、カウンター席があって、バーテンダーとお酒を飲んでいる男女がいる。
ハンジさんが、モブリットさんに、覚えきれないくらいのメニューの注文をお願いしているのを聞きながら、私はここがバーであることを認識した。
でも、それ以外は分からない。
記憶喪失者にでもなった気分だった。
「…夢ですか?」
私は、隣に座るリヴァイ兵長に訊ねた。
「お前がさっきまでいた方が夢だな。」
「そうですか…。」
一応頷いたけれど、私はやっぱり状況を理解出来ていなかった。
確かに、さっきまでいたのは、お城だった。
そこで、私は、騎士にお姫様抱っこされて、一緒に踊っていたのだ。
アレは、夢に違いない。
じゃあ、今はやっぱり、現実なのだろうか。
それならここはどこだろう。
モブリットさんが驚異の記憶力で、店員さんに注文を伝えているのをぼんやりと眺めながら、私はここへ至るまでの記憶を遡る。
確か、仕事をしろと口うるさい補佐官のいない今夜は、早いうちにベッドに入って眠っていたのだ。
そこへ、突然、誰かが扉のノックもなしに部屋に入ってきた。
確か、日頃からジャンが『注意しろ!』と耳が痛くなるほどに忠告してくるハンジさんだった気がする。
叩き起こされて寝ぼけている私に、ハンジさんが何かを楽しそうに喋っていたのは、なんとなく覚えている。
それから、ぼんやりとしてよく分からないまま、お気に入りのパジャマを脱がされて、私服に着替えさせられていた。
でもやっぱり眠たくて、ベッドで寝ていたら、ハンジさんが誰かを呼びに行って———。
途中、揺りかごの中で眠っていたような記憶もある。
でも私は、バーにいて、リヴァイ兵長に抱っこされている。
「リヴァイ兵長、やっぱり、これは夢ですね?」
「夢がいいのか?」
逆に訊ねられてしまって、私は困り果てる。
夢でも、夢でなくてもどちらでもいい。
ただ、この状況を理解したいだけなのだ。
「リヴァイ兵長、それ以上、私の可愛いなまえに悪戯するのはやめてくれない?」
頭上から聞こえたのは、ナナバの声だった。
同時に顔を上げた私とリヴァイ兵長を、ナナバの困り顔が見下ろす。
「悪戯をした気はねぇ。」
「でも、なまえが困ってるのは気づいてたでしょ。」
「さぁ?」
とぼけているらしいリヴァイ兵長に、ナナバが首を竦めた。
何の話だろうと思っていれば、私の身体が宙に浮いた。
ゲルガーが、私を抱き上げたらしかった。
「悪ぃっすね、リヴァイ兵長。
俺達の可愛い同期がお世話になりました。」
ゲルガーがニッと笑った。
私はやっぱり、今の状況がよく理解出来ない。
ここはどこで、私は、どうしてリヴァイ兵長に抱き着いていたのだろう。
覗き込んできたリヴァイ兵長の綺麗な顔が、視界いっぱいを占領して、私は初めて、自分が知らない場所にいることに気がついた。
しっとりしたBGMが流れていて、淡い照明しかなく薄暗い。
目の前には4人用程の円卓があって、私は、リヴァイ兵長の首に両腕をまわして、膝の上で横抱きされているような格好で座っているようだ。
ここはどこだろう———。
そう思いながら、辺りを見渡すと、同じテーブルのソファ席に、ハンジさんとモブリットさん、団長がいた。隣の席には、ナナバとゲルガー、リヴァイ班のメンバーもいる。
奥には、カウンター席があって、バーテンダーとお酒を飲んでいる男女がいる。
ハンジさんが、モブリットさんに、覚えきれないくらいのメニューの注文をお願いしているのを聞きながら、私はここがバーであることを認識した。
でも、それ以外は分からない。
記憶喪失者にでもなった気分だった。
「…夢ですか?」
私は、隣に座るリヴァイ兵長に訊ねた。
「お前がさっきまでいた方が夢だな。」
「そうですか…。」
一応頷いたけれど、私はやっぱり状況を理解出来ていなかった。
確かに、さっきまでいたのは、お城だった。
そこで、私は、騎士にお姫様抱っこされて、一緒に踊っていたのだ。
アレは、夢に違いない。
じゃあ、今はやっぱり、現実なのだろうか。
それならここはどこだろう。
モブリットさんが驚異の記憶力で、店員さんに注文を伝えているのをぼんやりと眺めながら、私はここへ至るまでの記憶を遡る。
確か、仕事をしろと口うるさい補佐官のいない今夜は、早いうちにベッドに入って眠っていたのだ。
そこへ、突然、誰かが扉のノックもなしに部屋に入ってきた。
確か、日頃からジャンが『注意しろ!』と耳が痛くなるほどに忠告してくるハンジさんだった気がする。
叩き起こされて寝ぼけている私に、ハンジさんが何かを楽しそうに喋っていたのは、なんとなく覚えている。
それから、ぼんやりとしてよく分からないまま、お気に入りのパジャマを脱がされて、私服に着替えさせられていた。
でもやっぱり眠たくて、ベッドで寝ていたら、ハンジさんが誰かを呼びに行って———。
途中、揺りかごの中で眠っていたような記憶もある。
でも私は、バーにいて、リヴァイ兵長に抱っこされている。
「リヴァイ兵長、やっぱり、これは夢ですね?」
「夢がいいのか?」
逆に訊ねられてしまって、私は困り果てる。
夢でも、夢でなくてもどちらでもいい。
ただ、この状況を理解したいだけなのだ。
「リヴァイ兵長、それ以上、私の可愛いなまえに悪戯するのはやめてくれない?」
頭上から聞こえたのは、ナナバの声だった。
同時に顔を上げた私とリヴァイ兵長を、ナナバの困り顔が見下ろす。
「悪戯をした気はねぇ。」
「でも、なまえが困ってるのは気づいてたでしょ。」
「さぁ?」
とぼけているらしいリヴァイ兵長に、ナナバが首を竦めた。
何の話だろうと思っていれば、私の身体が宙に浮いた。
ゲルガーが、私を抱き上げたらしかった。
「悪ぃっすね、リヴァイ兵長。
俺達の可愛い同期がお世話になりました。」
ゲルガーがニッと笑った。
私はやっぱり、今の状況がよく理解出来ない。
ここはどこで、私は、どうしてリヴァイ兵長に抱き着いていたのだろう。