◇第百三十八話◇守りたい人と守るべき想い(3)
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「ライナー・ブラウンー----!!ベルトルト・フーーーバーーー!!」
リヴァイが迫られた選択を、調査兵のほとんどが理解していた。
そして、彼が下した決断はとても意外で、けれど当然でもあった。
だから、フレイヤが、ジャンになまえを放すなと叫んだのに、誰もが驚かされる。
なによりも、それを言うはずじゃなかったのが彼女だったはずだ。
そして今度は、ライナーとベルトルトの名前を叫びだして、調査兵達を驚かせている。
「待ちなさいよ!!
アンタ達が助けに来なさいよ!!逃げんじゃないわよ!!」
フレイヤが腹の底から叫ぶ。
リヴァイ達がぶら下がる少し先に、鎧の巨人はいた。
確かに、彼が走って戻ってきてくれれば、リヴァイ達は助かるかもしれない。
けれど、フレイヤの叫びが届いたのかは分からないが、ちょうど巨人の群れを追い払った鎧の巨人は、さらに遠くへと駆けだしてしまう。
鎧の巨人の周りを囲んでいた巨人が、ジャンやなまえを喰おうと壁の方へと向かったことで、彼らの逃亡を手助けしてしまったようだ。
そもそも、調査兵団から逃げるためにここまで必死に走った鎧の巨人が、その調査兵を助けるために戻ってくれるわけがない。
鎧の巨人及び超大型巨人捕獲作戦についての会議をしているときでも、なまえは最後の最後まで希望を捨てなかった。
だから、もしも本当にライナー達が人類史上最悪の仇だったとしても、話し合えば分かり合えるかもしれないと図書施設の地下に会議室を用意していた。
けれど、正体がバレていると気づいたライナー達はブレードを抜いて巨人化した。
崩れ落ちる瓦礫でなまえ達が押し潰されるかもしれなかったのに、躊躇はなかった。
そのときの状況は知らずとも、徹夜で逃げ続けた鎧の巨人を見てきた調査兵達は皆知っている。
彼らは、本当の仲間ではなかった———。
けれど今、調査兵達は敵に助けてくれと懇願してしまうくらいに切羽詰まっている。
そして、本当は誰も諦めていない。
もう間に合わないのだと分かっていないながらも、ミカサとエルドは急いでガスを補充している。
彼らだけではない。
動けそうな精鋭兵達は皆が、とっくにガスの補充を始めている。
本当は、立体起動装置の整備が必要だった。
このまま無理をしたら自分達が危険に晒されるかもしれない。
でも、大丈夫かもしれない。
やってみなければ分からないのだ。
このまま諦めてしまったら、少なくともなまえは確実に死んでしまうのだから———。
「調査兵は、誰も死んでない!!怪我はしたけど、誰も死んでない!!
なまえさんが守ってくれたからよ!!」
フレイヤが叫ぶ。
腹の底から叫ぶ。
肩で息をしながら、それでも叫んだ。
「アンタ達のせいで、皆最低最悪な気分だけど!!
誰も死んでない!!なまえさんはアンタ達が殺すかもしれなかった仲間を守ったの!!
それなのにどうして…!!どうして、なまえさんが死ななきゃいけないのよ!!
おかしいでしょ、そんなの!!悪いのは!!アンタ達なのに!!」
大きな声を出し過ぎだ。
フレイヤの声は、すぐに掠れていった。
それでも彼女は止めなかった。
「おかしい…!!おかしいでしょぉ…っ。」
フレイヤが膝から崩れ落ちた。
彼女の魅力でもある大きな瞳から、涙がとめどなく溢れ落ちては頬を流れていく。
そんな彼女を黙って抱きしめたのは、ミケから世話役を頼まれていたルルだった。
ルルに抱き着いたフレイヤが、声を上げて泣く。
本当は、フレイヤも分かっているのだ。
今の最善策は、なまえを諦めることだ。
そもそも転落したのはなまえだ。その彼女を救うことが出来ないのなら、せめて助けに行ったジャンとリヴァイは守らなければいけない。
リヴァイが迫られた選択を、調査兵のほとんどが理解していた。
そして、彼が下した決断はとても意外で、けれど当然でもあった。
だから、フレイヤが、ジャンになまえを放すなと叫んだのに、誰もが驚かされる。
なによりも、それを言うはずじゃなかったのが彼女だったはずだ。
そして今度は、ライナーとベルトルトの名前を叫びだして、調査兵達を驚かせている。
「待ちなさいよ!!
アンタ達が助けに来なさいよ!!逃げんじゃないわよ!!」
フレイヤが腹の底から叫ぶ。
リヴァイ達がぶら下がる少し先に、鎧の巨人はいた。
確かに、彼が走って戻ってきてくれれば、リヴァイ達は助かるかもしれない。
けれど、フレイヤの叫びが届いたのかは分からないが、ちょうど巨人の群れを追い払った鎧の巨人は、さらに遠くへと駆けだしてしまう。
鎧の巨人の周りを囲んでいた巨人が、ジャンやなまえを喰おうと壁の方へと向かったことで、彼らの逃亡を手助けしてしまったようだ。
そもそも、調査兵団から逃げるためにここまで必死に走った鎧の巨人が、その調査兵を助けるために戻ってくれるわけがない。
鎧の巨人及び超大型巨人捕獲作戦についての会議をしているときでも、なまえは最後の最後まで希望を捨てなかった。
だから、もしも本当にライナー達が人類史上最悪の仇だったとしても、話し合えば分かり合えるかもしれないと図書施設の地下に会議室を用意していた。
けれど、正体がバレていると気づいたライナー達はブレードを抜いて巨人化した。
崩れ落ちる瓦礫でなまえ達が押し潰されるかもしれなかったのに、躊躇はなかった。
そのときの状況は知らずとも、徹夜で逃げ続けた鎧の巨人を見てきた調査兵達は皆知っている。
彼らは、本当の仲間ではなかった———。
けれど今、調査兵達は敵に助けてくれと懇願してしまうくらいに切羽詰まっている。
そして、本当は誰も諦めていない。
もう間に合わないのだと分かっていないながらも、ミカサとエルドは急いでガスを補充している。
彼らだけではない。
動けそうな精鋭兵達は皆が、とっくにガスの補充を始めている。
本当は、立体起動装置の整備が必要だった。
このまま無理をしたら自分達が危険に晒されるかもしれない。
でも、大丈夫かもしれない。
やってみなければ分からないのだ。
このまま諦めてしまったら、少なくともなまえは確実に死んでしまうのだから———。
「調査兵は、誰も死んでない!!怪我はしたけど、誰も死んでない!!
なまえさんが守ってくれたからよ!!」
フレイヤが叫ぶ。
腹の底から叫ぶ。
肩で息をしながら、それでも叫んだ。
「アンタ達のせいで、皆最低最悪な気分だけど!!
誰も死んでない!!なまえさんはアンタ達が殺すかもしれなかった仲間を守ったの!!
それなのにどうして…!!どうして、なまえさんが死ななきゃいけないのよ!!
おかしいでしょ、そんなの!!悪いのは!!アンタ達なのに!!」
大きな声を出し過ぎだ。
フレイヤの声は、すぐに掠れていった。
それでも彼女は止めなかった。
「おかしい…!!おかしいでしょぉ…っ。」
フレイヤが膝から崩れ落ちた。
彼女の魅力でもある大きな瞳から、涙がとめどなく溢れ落ちては頬を流れていく。
そんな彼女を黙って抱きしめたのは、ミケから世話役を頼まれていたルルだった。
ルルに抱き着いたフレイヤが、声を上げて泣く。
本当は、フレイヤも分かっているのだ。
今の最善策は、なまえを諦めることだ。
そもそも転落したのはなまえだ。その彼女を救うことが出来ないのなら、せめて助けに行ったジャンとリヴァイは守らなければいけない。