THE ONE - i promise love of the eternity


人が賑わう夕方の街。
木ノ葉の中心部では買い物帰りの主婦やアカデミーから帰宅する子供達や、仕事から帰宅する男たち、これから任務の忍、または任務帰りの忍が行き交う。
平凡な風景に一際目立って見えた人物。
真っ白な服を纏う男が前から歩いてくる。
声を掛けようとして、ナルトは言葉を発するのを寸止めした。
その人物の足取りは重く、いつもは姿勢良く前を見据えて歩く姿が嘘のように、俯き長い横髪で暗い顔を隠すようだった。
仲間だけに、このままあいつが通り過ぎるのを黙って見過ごすなどナルトにはできなかった。
遂に己へと擦れ違ったときに、ナルトは白い袖に隠れる腕を力強く掴み、歩みを止めさせた。

「なあ、ネジ……、お前何かあったのか?」

ネジは掴まれた腕を解くこともせず、ただ黙っていた。
ナルトは物言わぬネジに痺れを切らして、もう一度同じ事を問う。
すると、ネジの口が静かに開いた。

「……お前には関係のない事だ」

ナルトは心配してやってるのにその言い草はなんだと頭にきたが、どうにか堪える。

「関係なくたって話してみろってばよ。 もしかしたらオレに何かできるかもしんねェ……」

ネジの腕に力がこもった。
唇を噛み締めて、怒りで拳がわなわなと震える。

「話しても無駄だ。お前には何もできない」

努めて冷静を装い、ネジはそう言うと掴まれた手を振りほどき、早足でナルトをすり抜けた。
ナルトはすぐに振り返った。ネジの急ぐ背中に向かって小さく舌打ちをしてから叫んだ。

「おい! コラ待てってばよッ!! 逃げんじゃねー!!」

ナルトも距離が開かぬうちに、小走りでネジを追いかけた。
それを察知したネジも追いつかれぬようにと、ついにはスピードをつけて走り出す。
ナルトはここでも、機転の良さを発揮してみせた。

両手で印を作った。

「影分身の術!!」

ナルトの隣に煙を纏い二人のナルトが現れる。

「ネジをどうにかして先回りして捕まえるってばよ! 三手に分かれるぞ!」

二人のナルトが頷き、散った。

ネジは、白眼を使う事など頭になかった。
ただひたすらナルトから距離を取った。
そうして日向の屋敷の前へと帰ってきたはいいのだが、苦い顔をしながら決して中へと入ろうとはしなかった。
やはり引き返そう、と踵を返した瞬間、影分身の一体によりネジは羽交い締めにされてしまった。

「よくやったってばよ! そのままそいつを捕まえててくれ!!」

「おう!!」

ネジは、しまったと悔しそうに、きまり悪そうに抵抗をしてみせる。

「クソッ、離せッ!!」

本体のナルトがネジの正面から歩いてきた。

「フンッ、手間取らせやがって!」

ナルトは術を解いた。
ネジの拘束も解かれる。
ネジは反射的に再び逃げようとするが、ナルトはそれを許さないというように睨みつけた。

「また逃げんのか? させねーってばよ」

「いい加減にしろ……、お前にだって出来ないこともあるんだ。話しても無駄だと言っただろう」

ネジは逃げることを諦めたかのように、吐き捨てるように言う。
ナルトはネジのあまりの強情さに苛立ちを隠す事が出来ずにいた。

「……お前ってば、いい加減にしろってばよ。 じゃねーと犯すぞ……」

ナルトはジリジリと、ネジに近づく。
対するネジはそこから一歩も引かぬままナルトを睨み返す。

「やるならやればいい……」

ネジの発した一言にナルトの足が止まった。
犯すと言われて、やるならやればいいと返すネジにナルトは唖然とした。
ネジは何かを押し殺したように怒りの中に辛さや哀しさを潜ませていた。
眼で分かる。
ナルトは狼狽えた。
その様子を見てネジは挑発的な笑みへと変わる。

「どうした、犯すんだろう。やるなら酷くやればいい。それとも出来ないのか?」

いつもみたいに鼻で嗤ってみせるネジに、ナルトは止まっていた足に一気に怒りを込めて突き動かした。

「……フンッ、どーなっても知らねえからな」

ナルトはネジの腕を再び引っ手繰るように掴むと、街の方へと大股で歩き始めた。
戻って行く景色。木ノ葉の中心部。
ネジが引っ張られるようにして連れて来られたのは、ナルトの家。
家の主に身を押し込められるようにして、ネジは部屋の中に足を踏み入れた。

「……ヤるなら酷くやってくれ。 何もかも全て掻き消してしまうぐらいに酷くだ」

道中からずっと沈黙だったのを破ったネジはナルトの顔も見ずに言う。
ネジにとっては、これ幸いといったものだったかもしれない。
嫌な事を忘れてしまいたかった。
そこにこうしてナルトが犯すと言ってくれたのだから、大好きなナルトによって酷く犯されて、いっそ嫌な事を忘れてしまおうとも思えたのだから。

「……酷くっつーことは、よっぽど嫌な事とかあったんだろ」

ナルトは漸くほんの少しだけ見えてきたネジの苦悩に、先ほどまで理由が分からずにそれ故、苛立っていた自分が落ち着いて行くのを実感していた。
しかしネジは変わらず犯される気でいるようだが。
ナルトにはやっぱりやめたと言うべきなのかそのまま犯してやるべきなのか分からなかった。
ネジは痺れを切らして、自ら胸の唯一のボタンに手を掛けてそれを外すと、胸元を曝け出した。

「ほら、早くしてくれ。 逃げるなと言ったのはお前だ」

ナルトはほぼ無意識に手を伸ばしていた。
ネジの肩に両手を置いた。
否、掴んだと言った方が良い具合に力を込めていた。

「本当に犯されてえのか?」

ネジは迷いなくナルトの問いに頷いた。
ナルトはネジの眼を真っ直ぐ見つめた。

「あっそ……」

そのまま腕に力を入れて背後の壁へとネジの体を押し付けると、ナルトはまず元より曝け出されていた首に噛み付いた。
ネジは痛みに顔を顰めたが、酷くしてほしいと願ったのは自分だと、ただ痛みに堪えた。
一つの場所に十数秒は噛み付かれて、そしてまた別の場所に同じぐらい噛み付かれる。
ネジの白い首にはすでに幾つかの赤い痕が浮き出ていた。

「ッ……ぅ、はっ……」

時々、舌先で噛んだところを舐めてはナルトはネジの傷を滲みさせる。
ヒリヒリと痛む首筋。
ナルトに何度も与えられる痛みにネジの感覚が麻痺を起こしそうになる。
ネジは首という、目立つ場所に幾つもの痕を残されるのも拒まない。
徐々に赤い痕が、下へ下へと広がりをみせた。
首筋から胸板へと下りていくナルトの唇。
そこにある突起をナルトは甘噛みした。

「は、……あっ、……ん、ッ……」

ただの痛みから変わり、純粋な甘い快感によって洩れたネジの声に喘ぎが混じる。
ネジは苛立っているナルトに突起を強く噛まれたりなどしないだろうかという、少しの恐怖と不安を抱えた。
その恐怖と不安が、変わらず胸に来る甘い波の感覚をさらに強めた。






100突破の裏シリーズです!!
大まかな内容は決まってるのですが、何話やるかまでは決めてないので、ダラダラとなるかアッサリ終わるかは分かりませんが宜しければお付き合い下さい~!






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