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ナルトは困った顔をしながら頭を掻いた。
ため息を吐いては、そこらをきょろきょろと見回し、そして再びため息をつく。

「鍵閉めらんねェと家から出れねえじゃねーか……」

ナルトはこのまま家にいるわけにもいかなかったので、不用心と思いつつ、鍵を開けっぱなしのまま外出する事にした。

鍵は帰ってきてまた探せばいい。
最悪なければ新しく作りに行けばいいやと、ナルトはいつものサンダルを履くとドアを開けた。

「あっ! ネジ!」

ナルトはこんなナイスタイミングで探し物にはうってつけの人物を見かけるとは思いもよらずに笑みが溢れた。
ナルトはもう一度大声を出してネジの名前を呼んだ。

ネジは思いもよらぬ人物からの大きな呼び声に、咄嗟にナルトの家の方へと顔を向けた。辺りを軽く見回したあと、この位置からは小さなナルトの姿を確認する。

「おーい! ネジィ!! ちょっくらオレん家に来てくれー!」

ネジが己の姿を見つけた事を確認したナルトは大きく両手を挙げて振った。

ネジはキョトンとした顔をしたが、ナルトの呼び掛けに頷いてみせると、建物の屋根を飛び越えてあっという間にナルトの目の前まで来た。

「何かあったのか?」

ナルトはネジの問いかけに困った顔をして頬をぽりぽりと掻いてみせると、パンッと良い音を響かせて両手を合わせた。

「家の鍵を失くしちまったんだ! たぶん家の中にあるってことは確かだと思うんだよなァ。悪ィんだけどよ、お前の白眼で探して欲しいんだってばよ……」

ネジはふいと顔を反らした。

「悪いが他を当たれ」

「え!? なんで!!?」

「家の鍵ぐらいで白眼を使うなど馬鹿馬鹿しい……」

「そうなんだけどさあ、オレってばこれから家出なきゃなんねえんだよ。鍵なかったら開けっぱなしで出なきゃなんなくてよ」

ナルトは、あからさまにため息をついてみせると、腕を組んだ。

「しゃあねえな。じゃあヒナタに頼んでみるってばよ。ヒナタ呼びに行くのに家開けなきゃなんねえけど」

ナルトの言葉に、ネジの眼が一瞬揺れた。
そして眉間のシワが深くなった。

「ヒナタ様に態々そんなことさせる必要ない。……オレがやる」

ナルトは意図的にそんな事を言ったわけではなかったのだが、ネジが案外簡単に頼みを聞いてくれた事に少しだけ驚いた。

(コイツってば……案外ちょろいってばよ)

「……これからは鍵なんか失くしても探してやらないぞ」

「ああ! サンキューな! ネジ!」




THE END

元 拍手お礼文でした!


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