thanks gifts


護りたいものはたくさんある。

護らなければいけない人は昔からいたが、命を投げ捨ててまで護り通せるかと言われればその対象はその人ではなかった。
分家は宗家の人間を護って死ぬのが運命だと大昔から定められていたが、オレは最期に、そんな運命を身を以て変えることができた。

ナルトの目の前で証明する事ができた。

日向でもないお前を守って命をかけることができたのはそれほどまでにお前を守らなくてはならないと強く思ったからだ。

お前無しに今のオレはなかった。

お前が希望なんだ。
希望は決して絶やしてはいけない。

だからお前はずっと真っ直ぐ前を向いて、オレの希望を絶やさないでくれ。



THE END




強い風が吹いた。
イタズラ風とはこれを言うのだろう。
黒い腰布が大きく捲り上がって、ネジは咄嗟に布を押さえる。
もちろん、捲り上がっても見られて困るものなどないのだが、なぜか反射的に押さえてしまった。
ネジは自分の無意識に行った咄嗟の行動に薄っすら顔を赤らめていた。
スカートじゃあるまいし。

(……捲り上がった格好など、みっともないだろう……!)

一人、自分に向けての弁解を始めたが、辺りを見回して誰も見ていないことに今更気づき、二重の恥ずかしさを覚えたネジは、何事もなかったかのように再び歩き出した。



THE END





隣の寝息に、鼓動が乱される。
いつもの “冷静” と称される自分なんてものはナルトの前では存在しない。
さっきまであんなにいろいろ喋っていたのにナルトはいきなり眠りに落ちてしまった。
静まり返ったこの空気が寂しい。
こうも感情的にさせてくれる人はナルトしかいない。
ナルトといるとオレは生きていると実感できてしまう。
心が落ち着いてなどいられないからな。



THE END





ふと目が覚めた。
隣で寝ているネジに目を向けてナルトはギョッとした。
もしかして痛い思いさせていたか?
無理させてしまったか?
ネジの目尻に涙が溜まって、今にもなだらかな頬へと伝いそうに雫が震えている。
ネジは眉を顰めて、少し乱れた寝息を立て、寝ている。
嫌な夢でも見ているのか。

「ナルト……、っ、ナルト…………」

「へっ?! なんだってばよ……」

返事はなく、ただ再び静かな寝息を返される。
ただの寝言かよ、とナルトは、はだけた毛布を曝け出された肩に少々乱暴に掛けてやり、自分も同じ毛布に潜った。

(ネジってば、なんの夢見てんだろ……)




THE END





ナルトが天才だと信じてくれるなら、オレはとことん天才でい続けてしまうだろう。

ナルトにとってのオレの存在が “天才であること” というのならば、

オレがナルトに認めてもらおうと思うならば、

オレはそうするに決まっている。

いつだって、オレはナルトありきだ。
もしナルトの中にオレの存在があるとするならば、きっとそいつは天才なのだろうから。

日向の天才なんてものは、大したものじゃないが、ナルトに称される天才というものはオレをいつも奮い立たせてくれる。




THE END


160508までの拍手お礼文でした。


3/3ページ
like it…!