世界は理不尽だから



※注意

未だ闇を抱えたままのネジ。
正直、病みというかネジは宗家のこと死ぬ間際になってやっぱり恕してなかったんじゃないかと思ってる。

解釈などについては THINGS にて長々と書いてます。
話を読む前に目を通した方が地雷を踏まないかもです。

かなりナル←ネジ至上主義的な解釈話です。
ネジがナルトに依存的、尚且つ凄く排他的です。









やっと死ねる、そう思ったら “怖い” や “嫌だ” よりも正直なところ安堵した。

そして、ざまぁみろ、とも思った。
この命の使い方を、自らで決めてやったんだ。

今まで18年間を生きてきて、結局のところオレは生きることよりも死ぬことを選んだんだ。
ナルトが必死で辺りを見回して医療忍者を探してくれたのは嬉しかったが、オレは生きることを放棄したんだ。

別に、人生で一度たりとも楽しいこと、嬉しいことがなかった訳ではない。
それなりには楽しかったこともある。
ナルトに救われてからは、世界が色付いて見えた。
それでもオレは、楽しいことや嬉しいこと、それらには到底比べ物にならないほど “死” に惹かれる。

どう足掻いてもこの世界は理不尽で冷たいんだよ。
頑張っても、報われないことの方が多いんだよ。
なんて、そんなこと今更…言えないよな……。

皆、誰しもがきっと、オレの中にはもはや闇は無いと思っているんだろう。
オレは、いつもそういう風に振舞ってきた。

宗家をゆるし、己の凡小さを受け入れ……。
だが、どれもこれも死ぬ間際になってようやく色々なことが理解できたし、自分の本心が浮き彫りになった。


オレは宗家が、まだ憎い。


オレはどうしようもない人間なんだと思う。
白眼なんて持っていても、視野が狭く身勝手だ。
陰険で、そのくせ心が弱い。
そして、こうして死ぬ自分が一番可哀想だと。

ナルトに変えられるよりも先に、自分こそが日向を変えてやるんだというつもりで──

オレばかりが、歩み寄って、施しをして……。

そう思っていたのに、皆の足を引っ張り、挙句ヒナタに何度も助けられる始末。
結局、天才だのなんだの言われていたオレもいざ戦争となったら弱かったんだ。

それなのに、こんなオレをナルトは何故か『天才』だと褒めてくれる……。

周りの人間はオレのことを未だに完璧だと思っている。
幻滅されるのは、怖い。
今更、独りにはたえられない。
なにより、ナルトに見放されたらオレは……。
もはや生きている価値など、無い。

やっと、本当のオレを理解してくれるお前という存在に出会えたんだよ。

死を前にしてやっとわかった。
どうやらオレは、ナルトのことが自分で思う以上に好きで好きで好きで好きで好きで仕方ないみたいだ。
依存していると言っても過言では無い。
オレの命は、とっくにお前の一つだったと告げた。

最初は、こんなはずでは無かったんだ。
ただ、普通にお前を目標にして生きて行ければそれでよかったんだろうに……。
最初は、そういうふうに生きてみたんだよ。
だが、だからと言ってなかなか上手くいくもんでもないのかオレは、生きることに不器用すぎるのか。
天才だと言われて、上忍にまでなったオレがそんなことを言っても嫌味にしか聞こえんだろうが、オレは常に満たされない気持ちを抱えて生きていたと思う。


ああ、憎いんだよ。

正直……今でも憎いんだよ……。


悔しいだろう……。
こんな、死に方……。

だからせめて────

オレだって、死ぬ理由は自分で選びたかったんだよ。
いくら取り繕ってみたって……。
綺麗なままで死ぬなんてのは無理みたいだよ。

オレにはナルトが全てだから。

皆には悪いが、悪いとも本心ではあまり思ってない。

ナルト以外、正直…どうでもいいかな。

本当の理解者も、救い出してくれたのも、辛い時、死にそうな時、思い出すのは全部全部、ナルトだったから。

ナルトだけだったんだよ。




父様、こんな息子でもどうか迎えに来てください。





THE END






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