オレのために、二度も命を懸けてくれたんだよな。
一度目はサスケを連れ戻すために。
二度目は、オレとヒナタを庇って。

『オレが火影になってから日向を変えてやるよォ…！！！』

オレにとって、ネジに叫んだあの言葉は
“火影になって一体、何をするというのか”
それを初めて具体的にもしてくれた。

昔から口癖のように、里のヤツらを見返すためにと繰り返していた火影になるという夢。

今にして思えばネジと本気でぶつかり合ったことでオレはようやく火影になるという夢を、里の仲間のためにという考えに、アイツに変えられたのかもしれねえ。

恐ろしいぐらい現実主義で……
運命に逆らおうと必死なクセして諦めたフリをすることで運命を受け入れようとする、あの憎たらしいネジに、オレは知らず知らずのうちによ。

オレは未熟すぎて気づかなかったのかもしれねーけど。
あの時のオレが間違っていたなんてことは決してそこは曲げねえけどさ。
実はオレこそネジから色々教わっていたのかもなァ。


オレ、あいつのために何かしてやれてたかな？




迷って立ち止まったら終わりなんだ。
ネジは、そんなの望んでねえから。
それだけは、分かるってばよ。


なあ、ネジ────



THE END