行き場のない小鳥が目指した先
オレンジ色の大きな背中を追いかけて、せめて手が触れられる距離まで近付けたならばと思ってきた。
それは大空の様に果てしない、前も後ろも右も左も同じ道を彷徨っているそんな気がしていた。
それでも、以前は暗闇だったのだからそれが青空に変わったのは見通しが良いものだ。
それに、青空には途轍もなく大きな目印がある。
全てを照らしてくれる大きな太陽の熱に当てられると不可能などないんだと思えてくる。
課せられた運命という名の鎖と開け方が分からないために、開けることなどとっくの昔に諦めていた固く頑丈な鳥籠をその熱さで溶かしてくれた。
自由にこの大空を飛んでいいんだ。
飛ぶことができたなら次は行き先を決めなければ。
自由になるに伴い目印は失くなる。
決められた行き先などないのだから目印のない青の空間を彷徨った。
暖かくて、あの燦々と輝く太陽に近付いてみたくて、それからはひたすらそこを目指して飛んだ。
それで熱さに身を焦がされてしまっても、この小さくてひ弱な鳥でも太陽の様になれるのなら……
太陽の一部になれるのなら鳥として飛んでみた甲斐があるというものだ。
漸く、漸く、太陽の至近距離に近付くことができた時、最後の鎖が消えた。
手も足も羽も動かない、目も霞んできた。
冷たい体に灼熱が触れるとこの身を焦がした。
心までも氷解して、融けて、やっと太陽と一体になれた……。
信じてきた通り、
やはりお前は太陽だったよ。
THE END
ポエミーですなあ……。
偶にポエムというか詩みたいなネジの心理描写書きたくなるんですよね(;_;)
太陽と鳥さん=ナルネジです。
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