身長差と態度の差
体は小さいが、存在感は大きい奴。
それがナルトだろう。
だが、しかしやはり改めて見ると本当に小さい。
見下ろす形で、目の前の金髪青目を見やるネジはふっと鼻で笑った。
ナルトは当然、そんなネジの態度にカチンときて眉間にしわを寄せた。
「なんだってばよ……?」
「いや、相変わらず身長が低いな、お前は……」
初めて会った時からそれなりに経っているのだがネジからするとナルトの身長はあまり変わってないように思えた。
成長期の男子ならグングン伸びるであろうこの時期に、ナルトの低身長はさらにネジにそう思わせる。
「……お前ってば喧嘩売ってんのか? オレってばこれでもちゃんと毎朝牛乳飲んでるし、身長、確実に伸びてるってばよ!!」
ナルトはチビとからかわれることも多い事を自覚していたので、毎朝牛乳を飲む努力はしていたのだ。
だが、それが消費期限切れの牛乳なこともしばしばある事はこの際置いておこう。
ナルトはネジを見上げる形で、悔しそうに睨みをきかせた。
ネジはそんなナルトを見下ろすと、わざとらしくため息を吐いた。
「そうか? では、なぜオレはお前と話す時こんなに目線を下げる必要がある? ふっ……暫く、この差は埋まりそうもないな」
ごもっともな事を言われナルトは反論したいが上手い言葉が見つからない。
「うっ……、ふんだ! お前なんか、いつかぜってー追い越してやるからな!今に見てろってばよッ!!」
ネジに向かって、あっかんべをしてナルトはその場を立ち去った。
そしてナルトが向かった先は、今の場所から目と鼻の先の牛乳屋である。
そんなナルトを見て、ネジは面白おかしくくすりと笑った。
──── PART1 THE END
ナルトとネジがまともに会うのはどれぐらいぶりか。
軽く二年半以上は経っている。
「お前と面と向かって話すのはいつぶりだろうな。凄く久しぶりな気がする……」
「ああ、そうだな。お前とはあんまり会う機会ねえもんなあ~」
双方、身長が二年半前に比べ大きく伸びた事は誰が見ても明らかだ。
だが、ネジがナルトを見下ろし、ナルトがネジを見上げる構図は変わってはいないようだ。
「……ナルト、身長伸びたようだな」
「おう! オレってばあの頃よりすっげー伸びたろ!? でもお前も伸びたよなあ……」
ナルトは嬉しそうな顔をしたのも束の間、少し落胆の表情を見せた。
ナルトは二年半前に悔しくて追い越してやると言い放った事を思い出したのだが、ネジも身長が伸びた事に今更ながら気づき、再び差を意識してしまったのだ。
「落ち込むな。お前はきっと晩生型なだけだ。これから伸びるだろう……。それに、確実に差は埋まってるぞ」
ネジにははっきり分かっていた。
確かにまだ差はあれど、その差は確かに少し埋まっていた。
見下ろす視線の位置が少し高くなった。
ナルトはそれを聞くと、パッと顔を上げた。
「本当か! ならいいや!! でもオレがお前を追い越すって事忘れんなってばよ!」
「ああ、それは楽しみだな。 一体いつになるんだろうな……」
「……お前ってば、昔に比べて少し態度丸くなったと思ったら、嫌味ったらしいとこ変わってねえんだな」
──── PART2 THE END
1部 159-145 = 14㎝
1部途中 160-147 = 13㎝
2部 172-166 = 6㎝
確実に差は埋まってる…!!!
身長差ネタはどの時代のナルネジでも美味しいです!
以下、壁垢から引用
1部はネジが小生意気でナルトに対しても初めの頃よりいくらか態度は丸くなったとはいえまだ少し、喧嘩売ってんのかと取られるような言動だったりしてナルトも同じような態度になるけど、2部ではネジがかなり丸く、いいお兄さんのようになって、ナルトもネジと穏やかなやりとりができるようになる。
1部はとくにだけど、ナルトは相手に引きずられそうなんだよなあ
ネジが喧嘩腰っぽいとナルトも自然とそうなるというか
別にネジは喧嘩腰なわけではなく、長年人を見下すような態度をとってきたから、ついそういう言動になっちゃうだけで他意はない。
でもナルトはそんなこと知ったこっちゃないから喧嘩売ってんのか?と思われる不憫なネジェ
と、まあこんな関係性を意識したつもりで1部と2部分けたけど暫く書けなかった間にもともとない文章力が更になくなってやばいです(*_*)(*_*)
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