こっちを見ろ


お前はその白い瞳に何を映して、そして今、何を思ってるんだ?

ナルトはたまにネジの事が分からなくなる。
白い瞳のせいか、イマイチどこを見ているのか分からない視線など、ネジにはナルトの不安を煽る要素が幾つもある。

もともとナルトとネジはまるで正反対の様な性格である。
何考えてるのかよく分からないのは至極当然の事かもしれない。
だが今はもっと分からない。

無表情でどこを見つめているのかわからない、そんな様子を見ていられなくなりナルトはふとネジの顔から視線を反らした。

そしてネジの長い袖から覗く、白魚のような指に目が留まった。

「……ナルト?」

ネジの低く柔らかい声色によって、
はっとナルトの意識が戻された。

先ほどまで何を映しているのか分からなかった白い瞳に、今は金髪と青目が鮮明に映し出されている。

ネジの瞳が “どうした?” と心配気に揺れた。


(ああ、もうなんでオレが心配されてんだってばよ……! お前を見てるとよ、クールだしそれに頼もしいと思う反面、いつかいきなりオレの目の前から何処か遠くへ行ってしまうんじゃないかとか、そんな恐ろしい事が頭を過るってばよ。オレってば、自分の目の前から仲間が何処かへ行ってしまうなんてそんなのイヤだ!)


きっとネジには、見えないさらにその先の事が見えている気がするとナルトは思うのだ。
それ故に何を映してるのか分からないネジの瞳はナルトを不安にさせた。

ナルトはネジの瞳から視線を下げ、再び、先ほど目に留まったネジの手に視線を向けた。

「ネジ。オレが言うのもあれだけどよ、未来ばっか見てねえで、ちったぁ今も大事にしろってばよ」

「オレはそんなに生き急いでる様に見えるか?」

「うーん……まあ。なんとなくだけどよ、お前ってばすっげえ先を見てる気がして仕方ねえ」

「そんなつもりはなかったといえば嘘になるが、だが今を大事にしてないわけではない」

「ならいいんだけどよ」

ナルトは一拍、間を置いたあと視線を上げて、再びネジの目を真っ直ぐ見る。


「あのよォ、お前がよくわかんねえトコをぼーっと見てるとオレってば不安になるからさ、ぼーっとすんならこっち見てぼーっとしろってばよ!」

「ふっ……なんでそんなアホ面を凝視しなければいけないんだ」

「なっ……! アホ面って誰の事だってばよッ!! 」

「心配するな。遠くを見つめてるのはただ鳥を数えているだけだ」




THE END





ネジってか白眼は瞳孔が見当たらないからイマイチどこに視線を向けてるのか分からなくてぼーっとして見えるなあと思っていて、しかもネジは遠くを見てる事多い気がして、こんな話書きました。

アニナルでナルトがネジの手首を掴んだので初の手繋ぎ記念!!とか喜んで手繋ぎネタ書きたかったのに書きたい欲求はあっても、手繋ぎに至るまでのストーリーが展開できず書けずじまい*\(^o^)/*

なんかひらめいたら書きたいです……絶対に……!





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