その運命は変えられるのか?


どんなにオレがナルトに恋い焦がれようとも、オレとナルトは結ばれない運命だ。

なぜなら、同性同士だからだ。

この壁は大きい。

木ノ葉の里では、世間にも、一族からも偏見の目で見られる事は恐らく確実だ。

将来性もない。

あいつはあの時、運命なんて決めつけるなって教えてくれたが、ではこの運命はナルトは変えてくれるのか……?



あろうことか、こんな時にナルトと偶然街で会った。
オレンジの服に金髪は、この人混みの中でもよく目立つ。
ナルトの方もオレの存在に気づくと、あちらから声をかけてきた。

「よォ、ネジ!」

「あぁ、ナルト……」

とりあえず笑顔を作って見せた。
先ほどまで奴のことを考えてたから妙に焦る。
ナルトはオレの顔をじいっと見てきた。
なんだというのだろう。

「……お前ってばさ、スゲェ分かりにくいようでめちゃくちゃ分かりやすいよな」

「……? なにがだ」

「お前さ、オレの事好きなんだろ?」



本当になんだというんだ……!

図星をついた唐突なナルトの質問にオレはなぜばれた? という至極もっともな感情と焦りとが同時に頭を支配する。

「いや、そんなことは。……もちろんお前には感謝はしているが、特別な感情など持ち合わせていない……」

「ハァ……。また運命がどうとかって決めつけてオレに断られるだろう嫌われるだろうって、自分の感情を殺すのかよ。運命って決めつけてる暇があるんなら、オレを振り向かせるぐらいの努力してみろってばよ。じゃあな!」

「 !…… ナルト…………」


ナルトは去っていった。

何故ナルトはオレの気持ちが分かるんだ。

運命って決めつけるなだと?

では、オレが努力すればお前はこっちに振り向いてくれるというわけなんだな?

オレが好意を積極的に伝えればナルトはオレの気持ちに応えてくれるんだな?




「……ナルトッ!! 待て……、行くな!」

オレは大声を出し遠くに行ってしまったナルトを呼んだ。
ナルトは立ち止まり振り向いた。

「……これからは、お前に隠さず好意を伝えるようにするよ」

今オレの顔は真っ赤だろう。

ナルトは無言でオレのところまで戻ってきた。

「ああ。オレってば、お前のこと好きだからな。ちゃんとお前の好意は受け止めるってばよ!」

「ん……? ちょっと待ってくれ、ナルト? オレのことが好きって……、一体いつからなんだ……?」

「んー、お前が前向きになったと分かった時からだってばよ。なァ、運命なんて決めつけるもんじゃねーだろ? 言ってみなきゃ、分かんねえこともあるんだ」


「フフッ…………。ああ、……そうだな。ナルトは二度も教えてくれたな。ありがとう」

説教されたのか告白されたのかわからなくなり、思わず笑ってしまった。

「おう! オレってば、ネジのこと、もっと好きになったってばよ!」

いや、やはり告白されてたのだ。




THE END





ナルトに絆されてネジはいつかナルトだけにはデレデレになるんじゃないだろうか、とか前々から思ってました。
いや、原作でも結構デレデレですよね(腐ィルターON)。

ネジはツンツンする必要がなくなりさえすれば、
好意をモロに出しそうなんですよえ……!
でもまあ、ネジはツンデレとはまた違ったキャラですけどね。


文章編集 160107





1/1ページ
    like it…!