抱擁の虜


共に隣同士に座っていた。

ネジの方からナルトの首に腕を回して抱きついてきたので、それに応えるため、ナルトもネジの背中と腰に手を回した。
抱きしめたネジの体は、華奢だがしかし男らしい骨っぽさも筋肉もあるのにもかかわらず、どこか柔らかくて抱き心地が良い。

低めの体温が心地良い。

抱きしめたナルトの体は、自分よりも幾らか小さい体なのにもかかわらずとても大きなものに感じた。

高めの体温が暖かくて心地良い。
とても安心する。

ネジがナルトの肩口に頭をすりすりと押し付ける。

「ふっ……ははっ…ネジ、髪が首にあたってくすぐったいってばよ……!」

「ふっ……。ナルト、暫くこのままでいたい。抱かれるというのは……、なんとも安心するもんだな」

「……うん、ほんとそうだってばよ」

抱くという行為がそれほどまでに心に安らぎや幸福感をもたらすものだとは、抱かれるまでは想像もつかないものだ。

ネジもナルトも生い立ちから、人に抱きしめられるということを殆どされたことがなかった。

いざ二人で抱き合ってみたら、こんなにも幸せな事があるのかと思ったものだ。

ひどく安心するのだ。

キスもしないし性行為もしない。
ただこうして抱き合っているだけで心が満たされるのだから、今はこのままでいいと二人は思う。




THE END





疑似恋愛のつもりで書きました。
恋人同士ではありません……*\(^o^)/*

ひょんな事からお互いを抱きしめたらとても安心感が生まれたので、やめられなくなってたまにこうして、お互い抱きしめ合うというセフレの性的な事がない版みたいな。





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