かぼちゃ
「あっ、ナルトくん! キミも良かったらボクたちと一緒に定食屋行きませんか?」
「定食屋かー。たまにはいいな! 行くってばよ!」
「毎日ラーメンばかりだと、栄養偏るからな。野菜を食え」
「へいへ~い……」
「聞いてるのか! 全く……」
リーとネジは今日の修行もこれぐらいにと、定食屋へと向かっていた。
その途中で、ナルトを見つけたリーが彼も定食屋へ誘う。
ナルトはその誘いに乗った。
そして三人は今、定食屋にて注文を決めるところである。
「オレは和風定食にしよう」
「ボクは、えーと、カレーとコロッケの定食にします」
「んーと、んじゃオレはラーメンと餃子の定食!」
「だから、野菜を食えと言っただろう……。これじゃ一楽へ行くのとなんら変わらん」
「でもさ! このラーメン上に野菜乗ってるってばよ」
「……ハァ。そういうのを屁理屈と言うんだ」
「まあまあ、いいじゃないですか。ナルトくんもきっと野菜ラーメンで野菜を克服しようとしてるんですよ! 早く注文しましょう!」
「……そうだな」
三人は、育ち盛りの男子らしく定食の殆どを既に食べ終えた。
だが、未だネジのトレイの上の小皿に残る、橙色と緑色の皮のついた物体が……。
「なあ、ネジ。なんでかぼちゃの煮付け残してんだ?」
「そういえば、ネジはボクたちと班を組んだ時から既にかぼちゃ苦手でしたね」
「ネジってば、かぼちゃ嫌いだったのかー!?」
「……うるさい。食べようと思えば食べられる。なるべくなら食べたくないだけだ……」
「へ~? オレには野菜を食べろって言っておきながらネジはかぼちゃが苦手だったのかー。ふ~ん」
「なっ……お前は全く野菜を食べないだろうが、オレは出された物はちゃんと食べるぞ……」
ネジは、箸を構えながらしばらくの間かぼちゃをじっと睨む。
(そういえば、かぼちゃって色がナルトとリーのようだな。……生憎嫌いな食べ物だが)
そんなことを考え、可笑しくなりふっと笑ったネジは橙色と緑色の皮がついた忌々しい物体を口に押し込んだ。
「……まずいな」
THE END
かぼちゃって、外はリーの色で、中はナルトの色って思ったら可愛くて可愛くて……。でもネジにとって嫌いな食べ物というのがまた可愛くて笑
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