初恋との向き合い方


自分を闇から救ってくれた大切な人。

オレの中で一番強い人で、オレはそいつに感謝の念と少しの憧れを併せ持っていた。
あんなに強くて眩しい人を今まで見たことなかった。
オレはあの時あいつと戦って、自分も誰にも負けないぐらい強くなると誓った。
いつかは、あいつをも越すぐらいに強くなりたかった。
ナルトへの感情はそれがすべてでそれ以上でもそれ以下でもないと思っていた。


だが最近おかしいのだ。

オレの中でナルトに対する感情がなにか一つ増えてしまった気がする。
たった一つだけだが、それはあまりにも複雑でどうしようもなく厄介だ。

ナルトの笑顔は太陽のようだとは常々思っていたのだが、最近はその笑顔を見ると暖かさに包まれた胸がぎゅっと締め付けられる感覚に襲われる。
これは、俗に言う恋というものではないのか……。

そんな馬鹿なと思った。
ナルトは男だぞ。そしてオレも男だ。

できるなら、感謝の念と少しの憧れだけであってほしかった……。
叶わない恋をするぐらいなら、それだけの感情だけで十分だろう……。

恋心に気づいてしまうと、それを否定はできなかった。
否定したいが、それは己の中に芽生えた確かなる感情なのだ。

どうやって向き合うべきか考えたのだが、
恋は実ってこそじゃないのか。

せめて恋に恋しているのなら自分に酔っていればいいだけなのに、生憎ナルトのことが本当に好きになってしまってもうどうしようもない。




THE END





ネジの初恋はナルトであってほしい。
初恋が故に、恋心とどう向き合うべきか分からないし、恋は実って然るべきと本気で思ってしまうネジ。





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