第七章 主人公との邂逅
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──── チリン、チリン ────
千代「………………」
耳を澄ましながら、鈴の音を辿る。
いつも身近に聞こえていたあの鈴の音が、今回の手がかりになるだなんて、まったく思いもしなかったけど………………。
千代(今度こそ、貴女を見つけてみせる…………!)
スッと静かに目を開ければ、覚醒モードへと移る。
すると鈴の音は勿論のこと、周辺の声がはっきりと聞こえてきた。
千代「(持って1分半……………その間に見つけ出す)
───── ギン太、おいで!!」
ボンッと呼び出した大狐のギン太にまたがり、鈴の音が聞こえるところまで駆け出す。
───── チリン、チリン ─────
───── チリン、チリン ──────
────── チリン、チリン ─────
徐々に音が大きくなるにつれ、彼女の気配も色濃くなっていく。
───── チリン、チリン ───────
千代「!、あれは────────」
右へ左へと行けば、森深くに巨木が見えてきた。
しかも、巨木の根元で赤く透明な水晶が根っこに絡みつかれている。
陽の光が水晶に反射して煌めきを放つ。
────── チリ─ン、チリ─ン、リ─ン…… ─────
ここで鈴の音は大きく響き渡る中、私は覚醒モードを一度解いて、その水晶へと近づいた。
千代「…………やっと、会えた」
赤く透明な水晶の側へと歩み寄れば、胸前に手を組み、静かに眠っている少女の姿があった。
それはまるで、虫や植物が永い時をかけて閉じ込められた琥珀石みたいだった。
千代「ここに、ずっといたのね。
──────ルヒナ」
そっと、彼女が眠る水晶に手を伸ばすと、キィィン、と頭の中で何かが響いた。
千代「──────っ」
─────── ………ようこそ、千代。
いつか、貴女がここに辿り着くだろうと思っていたわ ───────
頭を抑えながら水晶を見やれば、目を瞑っていたはずの少女・ルヒナが半眼状態ではあるが目を開き、私の方を見て微笑んでいた。
幻覚でも見えているのかと思うくらい、リアルに動く彼女に驚きを隠せずにいた。
千代「……………知っていたの」
─────── 勿論。だってあんなふうに念で宣言する人は、なかなかいないもの ────────
─────── 貴女の他には、ね ───────といたずらっぽく言う彼女に、「あ、そう」と肩を軽く落とす。
────── そうしてまで、私に会いに来たのには理由があるのでしょう? ───────
千代「………貴女に、聞きたいことがあるの。
貴女は、何の目的があって、自らを封印したの」
意を決して尋ねると、彼女は少しばかり間を開けて答える。
念話で話しかけてきているからか、流石に結晶内では口を動かすことはなかったが、その代わり視線が鋭いものとなった。
────── ………………。なぜ、そう思うの? ──────
千代「…………ヘブラスカに聞いたの。貴女のこと、このイノセンスのことを……………」
────── ………そう………。 ──────
千代「けど、貴女が彼のために、この世界のために自らを賭して死んだと言うことが、私にはわからなかった。
なんで、そうまでしなくちゃいけなかったのか。
そこまでの目的があったからなのか……………」
────── …………………。 ───────
再び、黙り込むルヒナに、私はもう一度問うた。
千代「お願い、教えてほしいの。
貴女は、何の目的があって、自らを封印したの」
─────── ………………。
別に目的、なんてほどのものじゃないわ ─────
まるでため息づいているかのように、まぶたを伏せる。
その瞬間、ぞわりと背筋を冷たくなぞるような気配を感じた。
嫌な汗が頬を伝う。
少しずつ、後ろへ下がりながら彼女の話を聞き入った。
千代「……………」
─────── 私自身、私の命が永く持たなかったからよ ──────
千代「……………ルヒナの、命が……………?」
─────── そう。私は貴女の中にいる2匹を所有していた。
それと同時に、私は巫女であり、魔女でもあり、
ノアの一族と同じ、15番目のノア 『〈狂愛 〉』だから ────────
千代「15番目の、ノア……………?
なにそれ、バカにしてるの?
そんなの、存在するわけ…………ない……」
第一、15番目なんて…………原作の域を超えだしているものじゃない。
それだけじゃなく、巫女であり魔女だった?
この世界は巫女も魔女も混同していたのだろうか?
………いや、そんなことはどうでもいい。
本当に彼女は夢に出てきたラビを託していった少女 なのだろうか。
まともに聞くんじゃなかった。知らなければ良かった。
そんな後悔が私を飲み込んでいった。
千代「………………嘘、だ。…………そんなの、嘘に決まってる……………っ」
─────── 信じる、信じないは勝手だけれど、存在自体を否定しても無意味よ、貴女もその記憶 を受け継いでいるのだから ───────
声が喉に張り付く。
絶望にうちひしがれたような顔で、荒々しく声をあげる。
私が、ノアの記憶を持ってる?それじゃなんで、貴女は私を待ってたの ?
そんなの、まだ原作にも触れていないのに……っ…………どうして。
意味がわからない。来なければ良かった。
千代「バカ言わないで。私は私なの。
─────これ以上、化け物の異名を増やさないで!!」
一瞬だけ、ルヒナの額に十字架が7つ浮かび上がったのが見えたからか、すべてを否定したくて、私は彼女にそう叫んでその場を去っていった。
イヤリングをつけていても、離れたところから彼女の薄笑いが聞こえる。
─────── 無駄だというのに。
千代、貴女が今否定 したことも、『〈狂愛 〉』の存在を認めているとでも言えるのよ。 ───────
スーっと結晶化しているはずのルヒナの身体が褐色しだし、千代が一瞬だけ見えた十字架がくっきりと額に表れだした。
────── 15番目のノア・『〈狂愛 〉』
〈破壊 〉を信じ、すべてを愛しすべてに絶望し、もう一度すべてを愛するためにすべてを消す存在なのだから ──────
千代「………………」
耳を澄ましながら、鈴の音を辿る。
いつも身近に聞こえていたあの鈴の音が、今回の手がかりになるだなんて、まったく思いもしなかったけど………………。
千代(今度こそ、貴女を見つけてみせる…………!)
スッと静かに目を開ければ、覚醒モードへと移る。
すると鈴の音は勿論のこと、周辺の声がはっきりと聞こえてきた。
千代「(持って1分半……………その間に見つけ出す)
───── ギン太、おいで!!」
ボンッと呼び出した大狐のギン太にまたがり、鈴の音が聞こえるところまで駆け出す。
───── チリン、チリン ─────
───── チリン、チリン ──────
────── チリン、チリン ─────
徐々に音が大きくなるにつれ、彼女の気配も色濃くなっていく。
───── チリン、チリン ───────
千代「!、あれは────────」
右へ左へと行けば、森深くに巨木が見えてきた。
しかも、巨木の根元で赤く透明な水晶が根っこに絡みつかれている。
陽の光が水晶に反射して煌めきを放つ。
────── チリ─ン、チリ─ン、リ─ン…… ─────
ここで鈴の音は大きく響き渡る中、私は覚醒モードを一度解いて、その水晶へと近づいた。
千代「…………やっと、会えた」
赤く透明な水晶の側へと歩み寄れば、胸前に手を組み、静かに眠っている少女の姿があった。
それはまるで、虫や植物が永い時をかけて閉じ込められた琥珀石みたいだった。
千代「ここに、ずっといたのね。
──────ルヒナ」
そっと、彼女が眠る水晶に手を伸ばすと、キィィン、と頭の中で何かが響いた。
千代「──────っ」
─────── ………ようこそ、千代。
いつか、貴女がここに辿り着くだろうと思っていたわ ───────
頭を抑えながら水晶を見やれば、目を瞑っていたはずの少女・ルヒナが半眼状態ではあるが目を開き、私の方を見て微笑んでいた。
幻覚でも見えているのかと思うくらい、リアルに動く彼女に驚きを隠せずにいた。
千代「……………知っていたの」
─────── 勿論。だってあんなふうに念で宣言する人は、なかなかいないもの ────────
─────── 貴女の他には、ね ───────といたずらっぽく言う彼女に、「あ、そう」と肩を軽く落とす。
────── そうしてまで、私に会いに来たのには理由があるのでしょう? ───────
千代「………貴女に、聞きたいことがあるの。
貴女は、何の目的があって、自らを封印したの」
意を決して尋ねると、彼女は少しばかり間を開けて答える。
念話で話しかけてきているからか、流石に結晶内では口を動かすことはなかったが、その代わり視線が鋭いものとなった。
────── ………………。なぜ、そう思うの? ──────
千代「…………ヘブラスカに聞いたの。貴女のこと、このイノセンスのことを……………」
────── ………そう………。 ──────
千代「けど、貴女が彼のために、この世界のために自らを賭して死んだと言うことが、私にはわからなかった。
なんで、そうまでしなくちゃいけなかったのか。
そこまでの目的があったからなのか……………」
────── …………………。 ───────
再び、黙り込むルヒナに、私はもう一度問うた。
千代「お願い、教えてほしいの。
貴女は、何の目的があって、自らを封印したの」
─────── ………………。
別に目的、なんてほどのものじゃないわ ─────
まるでため息づいているかのように、まぶたを伏せる。
その瞬間、ぞわりと背筋を冷たくなぞるような気配を感じた。
嫌な汗が頬を伝う。
少しずつ、後ろへ下がりながら彼女の話を聞き入った。
千代「……………」
─────── 私自身、私の命が永く持たなかったからよ ──────
千代「……………ルヒナの、命が……………?」
─────── そう。私は貴女の中にいる2匹を所有していた。
それと同時に、私は巫女であり、魔女でもあり、
ノアの一族と同じ、
千代「15番目の、ノア……………?
なにそれ、バカにしてるの?
そんなの、存在するわけ…………ない……」
第一、15番目なんて…………原作の域を超えだしているものじゃない。
それだけじゃなく、巫女であり魔女だった?
この世界は巫女も魔女も混同していたのだろうか?
………いや、そんなことはどうでもいい。
本当に彼女は
まともに聞くんじゃなかった。知らなければ良かった。
そんな後悔が私を飲み込んでいった。
千代「………………嘘、だ。…………そんなの、嘘に決まってる……………っ」
─────── 信じる、信じないは勝手だけれど、存在自体を否定しても無意味よ、貴女もその
声が喉に張り付く。
絶望にうちひしがれたような顔で、荒々しく声をあげる。
私が、ノアの記憶を持ってる?それじゃなんで、
そんなの、まだ原作にも触れていないのに……っ…………どうして。
意味がわからない。来なければ良かった。
千代「バカ言わないで。私は私なの。
─────これ以上、化け物の異名を増やさないで!!」
一瞬だけ、ルヒナの額に十字架が7つ浮かび上がったのが見えたからか、すべてを否定したくて、私は彼女にそう叫んでその場を去っていった。
イヤリングをつけていても、離れたところから彼女の薄笑いが聞こえる。
─────── 無駄だというのに。
千代、貴女が今
スーっと結晶化しているはずのルヒナの身体が褐色しだし、千代が一瞬だけ見えた十字架がくっきりと額に表れだした。
────── 15番目のノア・『〈
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