第六章 悪夢
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千代「ちょ、ちょっと待って!
あなた達は……誰なの……?
ここから出れる方法を知っているみたいだけど……」
『知ってるよ、でも今は教えてあげない』
『私達と一緒に遊んでくれたら、教えてあげてもいいよ?』
千代「え、えぇー……」
『ねー?』と互いの顔を見合わせながらそういう二人に、少しだけ苦笑いを浮かべる。
顔………というより、お面を被ったままだから表情が読めないし、何より子供だからどこまでが本当なのかがよく分からない。
まぁ、今は彼らの遊びに付き合っている間に、ここからの脱出を考えるしかない。
…………とても長い道のりになりそうだけど。
『ねー、なにして遊ぶ?』
『かくれんぼ?それとも、オニごっこ?』
千代「んー、なにがいいかな」
『『ねーぇー、早く遊ぼうよー!』』
左右から引っ張りながら駄々をこねるように催促 してくる二人を(さっさと帰らすんじゃなかったの?)と心の中で突っ込む。
千代「………わかったから引っ張らないで。
それじゃ、二人は何がいいの?」
『『オニごっこがいい!!』』
二人は元気良く手を挙げながらそう叫ぶ。
即決かよ。選択肢の意味とは!?
『じゃぁ、おねーさんがオニね!』
『キャハハッ、逃げろ逃げろぉ』
千代「え、もうやるの!?」
『『オーニさん、こちら、手の鳴る方へ♪』』
そんな健気さに、何故か脱力感を覚えていると、もうオニごっこは始まっているらしい。
顔をあげると、いつの間に走っていったのだろう。足音も何一つたてずに、彼らは遠い所にいた。
いくら子供であっても、いくら夜目が利いていたとしても、あそこまで走っていけるのだろうか。
追いかけても追いかけても、まるで忍のごとく、静かに、そして素早く私との距離を引き離していく。
千代「……はぁ…っ……はぁ…っ……ま、待って……っ」
荒い息をつきながら、二人を追いかけ続ける。
けれど、いくら追いかけようとも縮まらない距離にやきもきする反面、何かに誘い込まれていそうな嫌な感じを覚える。
走り続けてふらつく私を見た二人はクスクス笑いながら、オニである私を呼び掛ける。
『体力ないなぁ。もうちょっと頑張ってよ、おねーさん』
『そうそう。ほらっ、“オーニさん、こちら♪手のなる方へ♪”』
千代「………はぁ……っ、はぁ……っ………うぁっ」
走りすぎたからか、体力的な問題なのか、足がもつれてドサリと倒れ込む。
立ち上がろうにも力が入らなくて動けずにいると、先程まで遠くにいた二人の足元が視界に入った。
千代「…ご、ごめ……っ…ちょっと、休憩…させて……」
『えー?もう休むの?』
『ほんっと、おねーさん体力ないねー?』
まだまだ遊び足りないと不満げな声をあげる二人に、苦笑しながら呼吸を整えようとしたとき、急にピリッと空気が一変した。
『『だから、なにも守れないんだよ』』
千代「………………え………?」
その言葉にビクリを肩を震わす。
戸惑いと恐怖といった様々な感情が頭のなかをぐるぐる回り、嫌な汗が背筋を通っていく。
千代「な、にを………」
『おねーさんは力をうまく使いこなせていないから、みんな死なせた』
『おねーさんが弱いから、彼らは犠牲になった』
お面に手をかけた二人の顔をみて、目を見張る。
千代「………っ………!?」
『『死んだ。みんな、みんな、貴女 のせいで』』
ドクン、ドクンと不気味なほどに心臓が早鐘を打つ。
幼い二人の顔が、かつて愛した恋人と、友だと思っていた少女とそっくりだった。
なつかしくて、もう一度会いたかったと何度も願っていたはずなのに、何故だろう。
怖くて恐ろしくて……身体中がすくんでしまっている。
『『なにも守れない、なにも救えない。ただの偽善者にすぎない』』
千代「………嫌……っ………や…め、て………」
耳を防ぎたくても手が、まるで金縛りにでもあったかのように動かない。
呪いのように、二人の言葉がグサグサと私の心を蝕んでいく。
『『貴女 なんか』』
千代「やめ………っ!?」
『『消えちゃえ/死んじゃえ』』
悔恨や罪悪感に苛まれ、泣き叫ぶそんな私を、二人は冷ややかに見つめながら指を指す。
それを合図に、動けなくなった私は、深い深い穴へと突き落とされた。
千代「……い、や………っ……嫌ぁ……っ!!」
怒り、憎しみ、悲しみ、苦しみといった負の感情が次々に私を呑み込もうとする。
もがけばもがくほど、まるで泥沼に嵌 まってしまったかのように、深く沈んでいく。
哭 きたくても声がでない。叫びたくても声にならない。
誰もが冷たい目を向ける。穢 らわしそうに私を見下す。
そんな目で見ないで、私は化け物なんかじゃない。
ナンで、
なんで私だけ……ッ
イタイよ…たす…けて…ッ
…見棄てないで…ッ…コロサナイデ…ッ
独りに、しないで……ッ!!
嫌、だッ
イヤだ
いや………ッ
千代「いやぁああああ…ッ!!!」
あなた達は……誰なの……?
ここから出れる方法を知っているみたいだけど……」
『知ってるよ、でも今は教えてあげない』
『私達と一緒に遊んでくれたら、教えてあげてもいいよ?』
千代「え、えぇー……」
『ねー?』と互いの顔を見合わせながらそういう二人に、少しだけ苦笑いを浮かべる。
顔………というより、お面を被ったままだから表情が読めないし、何より子供だからどこまでが本当なのかがよく分からない。
まぁ、今は彼らの遊びに付き合っている間に、ここからの脱出を考えるしかない。
…………とても長い道のりになりそうだけど。
『ねー、なにして遊ぶ?』
『かくれんぼ?それとも、オニごっこ?』
千代「んー、なにがいいかな」
『『ねーぇー、早く遊ぼうよー!』』
左右から引っ張りながら駄々をこねるように
千代「………わかったから引っ張らないで。
それじゃ、二人は何がいいの?」
『『オニごっこがいい!!』』
二人は元気良く手を挙げながらそう叫ぶ。
即決かよ。選択肢の意味とは!?
『じゃぁ、おねーさんがオニね!』
『キャハハッ、逃げろ逃げろぉ』
千代「え、もうやるの!?」
『『オーニさん、こちら、手の鳴る方へ♪』』
そんな健気さに、何故か脱力感を覚えていると、もうオニごっこは始まっているらしい。
顔をあげると、いつの間に走っていったのだろう。足音も何一つたてずに、彼らは遠い所にいた。
いくら子供であっても、いくら夜目が利いていたとしても、あそこまで走っていけるのだろうか。
追いかけても追いかけても、まるで忍のごとく、静かに、そして素早く私との距離を引き離していく。
千代「……はぁ…っ……はぁ…っ……ま、待って……っ」
荒い息をつきながら、二人を追いかけ続ける。
けれど、いくら追いかけようとも縮まらない距離にやきもきする反面、何かに誘い込まれていそうな嫌な感じを覚える。
走り続けてふらつく私を見た二人はクスクス笑いながら、オニである私を呼び掛ける。
『体力ないなぁ。もうちょっと頑張ってよ、おねーさん』
『そうそう。ほらっ、“オーニさん、こちら♪手のなる方へ♪”』
千代「………はぁ……っ、はぁ……っ………うぁっ」
走りすぎたからか、体力的な問題なのか、足がもつれてドサリと倒れ込む。
立ち上がろうにも力が入らなくて動けずにいると、先程まで遠くにいた二人の足元が視界に入った。
千代「…ご、ごめ……っ…ちょっと、休憩…させて……」
『えー?もう休むの?』
『ほんっと、おねーさん体力ないねー?』
まだまだ遊び足りないと不満げな声をあげる二人に、苦笑しながら呼吸を整えようとしたとき、急にピリッと空気が一変した。
『『だから、なにも守れないんだよ』』
千代「………………え………?」
その言葉にビクリを肩を震わす。
戸惑いと恐怖といった様々な感情が頭のなかをぐるぐる回り、嫌な汗が背筋を通っていく。
千代「な、にを………」
『おねーさんは力をうまく使いこなせていないから、みんな死なせた』
『おねーさんが弱いから、彼らは犠牲になった』
お面に手をかけた二人の顔をみて、目を見張る。
千代「………っ………!?」
『『死んだ。みんな、みんな、
ドクン、ドクンと不気味なほどに心臓が早鐘を打つ。
幼い二人の顔が、かつて愛した恋人と、友だと思っていた少女とそっくりだった。
なつかしくて、もう一度会いたかったと何度も願っていたはずなのに、何故だろう。
怖くて恐ろしくて……身体中がすくんでしまっている。
『『なにも守れない、なにも救えない。ただの偽善者にすぎない』』
千代「………嫌……っ………や…め、て………」
耳を防ぎたくても手が、まるで金縛りにでもあったかのように動かない。
呪いのように、二人の言葉がグサグサと私の心を蝕んでいく。
『『
千代「やめ………っ!?」
『『消えちゃえ/死んじゃえ』』
悔恨や罪悪感に苛まれ、泣き叫ぶそんな私を、二人は冷ややかに見つめながら指を指す。
それを合図に、動けなくなった私は、深い深い穴へと突き落とされた。
千代「……い、や………っ……嫌ぁ……っ!!」
怒り、憎しみ、悲しみ、苦しみといった負の感情が次々に私を呑み込もうとする。
もがけばもがくほど、まるで泥沼に
誰もが冷たい目を向ける。
そんな目で見ないで、私は化け物なんかじゃない。
ナンで、
なんで私だけ……ッ
イタイよ…たす…けて…ッ
…見棄てないで…ッ…コロサナイデ…ッ
独りに、しないで……ッ!!
嫌、だッ
イヤだ
いや………ッ
千代「いやぁああああ…ッ!!!」