第六章 悪夢
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しばらく歩くと、案内してくれていた赤い炎が、急に青い炎へと変化する。
千代「————っ!?」
私はその青い炎の先を見て、思わず足を止める。
そこで待っていたのは、見てるだけで圧倒される巨大な鉄格子の牢。
まるで某アニメと似たような状態にある私を、牢の奥底から光る赤い双眸が忌々しそうに睨み付けている。
恐る恐る牢に近づいてみれば、壁と両手足、首に取り付けた枷を繋ぐ漆黒のぶ厚い鎖に縛られた——————大きな狼がそこにいた。
彼が身体を動かすと、ジャラリと緩く繫がれた鎖の鈍い音が鳴り響く。
グルルルと怨嗟のごとく、唸り声を上げていた彼は私を頭の天辺からつま先にかけて舐めるように見てくるなり、不機嫌そうにガシャンと牢を殴りかかる。
千代「ッ!!(ビクッ)」
《……遅いぞ。この俺様を待たせた上に、余計なことまでしやがって……、こんな鎖さえなけりゃ、お前を噛み殺していたところだ》
千代「(うわっ、狼がしゃべった……)………は、はぁ…?なにそれ…余計な事って何よ、意味わかんない。
なんで、あんたなんかにそんなことを言われなくちゃいけないわけ?」
ものすごい威圧感に圧倒されながらも、私は彼(・・・なのか?)に反論する。
そんな私を冷ややかに見下ろし、耳がつんざくかのような咆哮を1つ放つ。
咆哮による風と騒音に身体が吹き飛ばされそうになるのを耐えていると、火に油を注いでしまったのか、先ほどまでよりもっと低い声で怒鳴り散らされてしまった。
《黙れ。ただの小娘がとぼけたことを口にしてんじゃねェ。
ここに来る道中、門の封印に近づこうとしただろう。これだから何も知らねぇガキは嫌いなんだ。
少しでも触れてみろ、お前だけだったらまだしも、俺様まで巻き添えを食らうんだぞ》
門の封印って、一体何の事だろうと首をかしげながら考えていると、ひとつだけ心当たりをみつけた。
千代(……もしかして、あの不気味な扉の事……?)
もしかしなくても、それで間違いないのだろう。
ただ、巻き添えを食らうからって、まるで私が悪いような感じで怒鳴る彼に怒りが込み上げてくる。
そもそも、いつからいたのかすら分からないのに、なんで上から目線で言われなくちゃいけないのだろうか。
というか、冷静になって先ほどの会話を思い返してみると、なにかと心配して言ってくれてるようにも聞き取れるが、今の私にとってはカチンとくる口調だった。
千代「勝手なことを言わないでよ。
檻に捕らわれた狼のくせに、ずいぶんと偉そうじゃない。私の中で棲まわせてやってんだから、感謝してほしいものだわ」
《ふん、小娘が。口だけは達者だな。……強がってないで認めたらどうだ?お前、俺様が怖いのだろう?》
千代「………別に」
ニヤリとおくそ微笑む狼に図星を言われ、ふいっとそっぽを向くと《まあいい。あいにく時間がないのでな》と話しかけてくる。
千代「それはこっちの台詞。あんた、出口知ってんでしょ?さっさと教えてもらえないかしら」
《出口だと?……そうか。お前、何も知らずにノコノコと生きてきたか》
千代「……はぁ、付き合ってらんない」
意味の分からない事ばかり言うこの狼に、溜息付きながら私は踵を返すと《そうカッカッするな》と嘲笑する狼を睨みつける。
千代「あんた、ホント何者なの」
《先ほど共に戦ったというのに、もう忘れたか》
千代「……あなたが、フェンリル……?」
《ああ、そうだ》
千代「それじゃあ、フェンリル。二度と会うことないでしょうけど、さようなら」
そう言って立ち去ろうとすると《つくづくせっかちな小娘だな、出口なんぞありもしないこの空間で、よく平気でいられる》と笑いながら呟いているのが聞こえ、バッと振り返る。
千代「っ、出口がない……?どういうことだってばさ」
《……その前に、いいことを教えてやろう。その腕についてだ》
千代「……腕……?」
彼に言われてから腕を見比べてみる。すると、ナイフを突き刺した左腕に奇妙な模様が浮き出ていた。
意味が分からないことが次々に現れてくるのにめまいがする。
そんな私を見たフェンリルは、クックックと嘲笑う。
《まったく意味が分からない、と言う顔だな?実にブサイクな顔で滑稽だな》
千代「……っ、ブサイクなのは余計だっつーの!!何なの、アンタ!?」
《とかく、聞け。
小娘、お前はその痣のことを、ただの痣だと思っているだろう?》
千代「ぐぬぬ……っ、そうだと言ったら何なのよ」
言葉を遮られたことに不満そうに顔を顰めつつも、全くその通りだったから素直に頷くのに少しだけ躊躇う。
千代「————っ!?」
私はその青い炎の先を見て、思わず足を止める。
そこで待っていたのは、見てるだけで圧倒される巨大な鉄格子の牢。
まるで某アニメと似たような状態にある私を、牢の奥底から光る赤い双眸が忌々しそうに睨み付けている。
恐る恐る牢に近づいてみれば、壁と両手足、首に取り付けた枷を繋ぐ漆黒のぶ厚い鎖に縛られた——————大きな狼がそこにいた。
彼が身体を動かすと、ジャラリと緩く繫がれた鎖の鈍い音が鳴り響く。
グルルルと怨嗟のごとく、唸り声を上げていた彼は私を頭の天辺からつま先にかけて舐めるように見てくるなり、不機嫌そうにガシャンと牢を殴りかかる。
千代「ッ!!(ビクッ)」
《……遅いぞ。この俺様を待たせた上に、余計なことまでしやがって……、こんな鎖さえなけりゃ、お前を噛み殺していたところだ》
千代「(うわっ、狼がしゃべった……)………は、はぁ…?なにそれ…余計な事って何よ、意味わかんない。
なんで、あんたなんかにそんなことを言われなくちゃいけないわけ?」
ものすごい威圧感に圧倒されながらも、私は彼(・・・なのか?)に反論する。
そんな私を冷ややかに見下ろし、耳がつんざくかのような咆哮を1つ放つ。
咆哮による風と騒音に身体が吹き飛ばされそうになるのを耐えていると、火に油を注いでしまったのか、先ほどまでよりもっと低い声で怒鳴り散らされてしまった。
《黙れ。ただの小娘がとぼけたことを口にしてんじゃねェ。
ここに来る道中、門の封印に近づこうとしただろう。これだから何も知らねぇガキは嫌いなんだ。
少しでも触れてみろ、お前だけだったらまだしも、俺様まで巻き添えを食らうんだぞ》
門の封印って、一体何の事だろうと首をかしげながら考えていると、ひとつだけ心当たりをみつけた。
千代(……もしかして、あの不気味な扉の事……?)
もしかしなくても、それで間違いないのだろう。
ただ、巻き添えを食らうからって、まるで私が悪いような感じで怒鳴る彼に怒りが込み上げてくる。
そもそも、いつからいたのかすら分からないのに、なんで上から目線で言われなくちゃいけないのだろうか。
というか、冷静になって先ほどの会話を思い返してみると、なにかと心配して言ってくれてるようにも聞き取れるが、今の私にとってはカチンとくる口調だった。
千代「勝手なことを言わないでよ。
檻に捕らわれた狼のくせに、ずいぶんと偉そうじゃない。私の中で棲まわせてやってんだから、感謝してほしいものだわ」
《ふん、小娘が。口だけは達者だな。……強がってないで認めたらどうだ?お前、俺様が怖いのだろう?》
千代「………別に」
ニヤリとおくそ微笑む狼に図星を言われ、ふいっとそっぽを向くと《まあいい。あいにく時間がないのでな》と話しかけてくる。
千代「それはこっちの台詞。あんた、出口知ってんでしょ?さっさと教えてもらえないかしら」
《出口だと?……そうか。お前、何も知らずにノコノコと生きてきたか》
千代「……はぁ、付き合ってらんない」
意味の分からない事ばかり言うこの狼に、溜息付きながら私は踵を返すと《そうカッカッするな》と嘲笑する狼を睨みつける。
千代「あんた、ホント何者なの」
《先ほど共に戦ったというのに、もう忘れたか》
千代「……あなたが、フェンリル……?」
《ああ、そうだ》
千代「それじゃあ、フェンリル。二度と会うことないでしょうけど、さようなら」
そう言って立ち去ろうとすると《つくづくせっかちな小娘だな、出口なんぞありもしないこの空間で、よく平気でいられる》と笑いながら呟いているのが聞こえ、バッと振り返る。
千代「っ、出口がない……?どういうことだってばさ」
《……その前に、いいことを教えてやろう。その腕についてだ》
千代「……腕……?」
彼に言われてから腕を見比べてみる。すると、ナイフを突き刺した左腕に奇妙な模様が浮き出ていた。
意味が分からないことが次々に現れてくるのにめまいがする。
そんな私を見たフェンリルは、クックックと嘲笑う。
《まったく意味が分からない、と言う顔だな?実にブサイクな顔で滑稽だな》
千代「……っ、ブサイクなのは余計だっつーの!!何なの、アンタ!?」
《とかく、聞け。
小娘、お前はその痣のことを、ただの痣だと思っているだろう?》
千代「ぐぬぬ……っ、そうだと言ったら何なのよ」
言葉を遮られたことに不満そうに顔を顰めつつも、全くその通りだったから素直に頷くのに少しだけ躊躇う。