第五章 目覚める力
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気力も体力も力尽きた私は、その場に座り込んだまま、動けなくなっていた。
そのせいか、息を潜めながら息の根を止めようと迫りくる気配に、私自身は気づかなかった。
千代?「《……………馬鹿、だな。お前》」
私の周辺からパキパキと氷の壁が隙間なく張り積めていく。それも、隠れ潜んでいたアクマも……一人残らず巻き込んで。
気づかなかった筈なのに、身体なんて痛くて動けなかった筈なのに、力なんて……もうこれっぽっちも、残ってないはずなのに。
ゆっくりと立ち上がって、すべてを凍り漬けにしていく。
《サービスだ。少しの間、体を借りるぞ》
内側からじわじわと侵食していく彼の負の感情が、私の身体を乗っ取り始めていたのだ。
そんな急に承諾するわけがない。
私の返答を聞く前に、勝手気儘に操りだした彼は私の意思をすべて閉じ込めず、身体の右半分を扱いだした。
アクマ「……な……ぜ……っ」
千代?「《お前の能力はもう見切った。痛みなく終わらせてやる。
───“砕け散れ”》」
身動きがとれないアクマに弓を構える。
矢じりが凍り出したのは彼の力によるものなのだろう。
放たれた矢がアクマめがけて飛んでいくと、氷壁を砕き、一瞬のうちに落石のごとく崩れ去った。
周辺を囲っていた氷壁は甲高く音を響かせながら、まるで、ダイアモンドダストのごとくキラキラと宙 を舞う。
その光景に、私はただただ呆然と立ち尽くしていた。
――――これが、私の望んでいた力 だったのか、と。
「っ、千代!!」
千代「…………ラ、ビ………っ」
その数分後にラビが息を切らせながら駆け寄ってくる。
矢を放った甲高い音に気づいたのだろう、彼は、はた…と動きを止めた。
何を言いたいのかわかる。どうしてこんな状況になったのかも…一目見れば、嫌でも分かってしまう。
千代「………わた、し……っ、私………っ、ごめん…なさい……」
私はただその場で泣き崩れた。頭の回転が早い彼だから、もう状況は読めたのだろう。
何も言わずに、泣きじゃくる私を優しく抱き締めてくれた。
ラビ「……千代」
千代「また…っ、また守れなかった……もう、誓ったのに……っ」
あの時から、世界が憎かった。“彼”が死んだあの日から憎かった。
どれほど苦しんだか、どれほど世界を呪ったのか、もう覚えていない。
そのせいか、息を潜めながら息の根を止めようと迫りくる気配に、私自身は気づかなかった。
千代?「《……………馬鹿、だな。お前》」
私の周辺からパキパキと氷の壁が隙間なく張り積めていく。それも、隠れ潜んでいたアクマも……一人残らず巻き込んで。
気づかなかった筈なのに、身体なんて痛くて動けなかった筈なのに、力なんて……もうこれっぽっちも、残ってないはずなのに。
ゆっくりと立ち上がって、すべてを凍り漬けにしていく。
《サービスだ。少しの間、体を借りるぞ》
内側からじわじわと侵食していく彼の負の感情が、私の身体を乗っ取り始めていたのだ。
そんな急に承諾するわけがない。
私の返答を聞く前に、勝手気儘に操りだした彼は私の意思をすべて閉じ込めず、身体の右半分を扱いだした。
アクマ「……な……ぜ……っ」
千代?「《お前の能力はもう見切った。痛みなく終わらせてやる。
───“砕け散れ”》」
身動きがとれないアクマに弓を構える。
矢じりが凍り出したのは彼の力によるものなのだろう。
放たれた矢がアクマめがけて飛んでいくと、氷壁を砕き、一瞬のうちに落石のごとく崩れ去った。
周辺を囲っていた氷壁は甲高く音を響かせながら、まるで、ダイアモンドダストのごとくキラキラと
その光景に、私はただただ呆然と立ち尽くしていた。
――――これが、私の望んでいた
「っ、千代!!」
千代「…………ラ、ビ………っ」
その数分後にラビが息を切らせながら駆け寄ってくる。
矢を放った甲高い音に気づいたのだろう、彼は、はた…と動きを止めた。
何を言いたいのかわかる。どうしてこんな状況になったのかも…一目見れば、嫌でも分かってしまう。
千代「………わた、し……っ、私………っ、ごめん…なさい……」
私はただその場で泣き崩れた。頭の回転が早い彼だから、もう状況は読めたのだろう。
何も言わずに、泣きじゃくる私を優しく抱き締めてくれた。
ラビ「……千代」
千代「また…っ、また守れなかった……もう、誓ったのに……っ」
あの時から、世界が憎かった。“彼”が死んだあの日から憎かった。
どれほど苦しんだか、どれほど世界を呪ったのか、もう覚えていない。