第五章 目覚める力
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ぞくりとした違和感に気付いた水精が、不意に感じた方へと振り向く。
ショックで動けなくなったと思っていた少女が、何やらブツブツと呟いているのと同時に、彼女の周りから黒い焔のようなものが渦巻いていた。
水精〔小娘・・・・・・っ、お主、その焔は一体・・・・・・〕
千代「・・・・・・・・・ゆる、さない・・・・・・・殺す」
精霊達の言葉は聞こえていなかったのか、ギッと前を睨み付けながら、大声で叫び出す。
千代「・・・・・・みんな、イノセンスに戻って。こいつらをぶちのめす」
火精〔ま、待て!今どんな状況か────!?〕
千代「・・・・・・しってる。だからこそ、今は時間が惜しいの・・・・・・それくらい、分かるよね?」
火精〔――――ッ!!〕
抗議をしてくる火精にギロリと冷ややかに見上げながら、なお要求してくる彼女に、水精が〔ひとつだけ、聞かせよ〕と静かに聞いてきた。
千代「・・・・・・何」
水精〔・・・・・・小娘、お主・・・・・・彼奴 と一体何を交わした ?〕
千代「・・・・・・私に力をくれる代償に、私の血を与えた」
水精〔・・・・・・。それだけか?〕
千代「・・・・・・」
問われたはずの彼女の無言に、何かを悟ったのか、〔いいだろう〕と要求に応えていた。
まるで、この出来事を試していたかのような・・・・・・そんな笑みを浮かべて。
水精〔・・・契約せよ、小娘。妾達はお主の願いに応えよう〕
千代「小娘なんかじゃない、千代よ」
水精〔くふふ・・・・・・“千代”か。あい分かった〕
それを聞いた彼女は静かに呼吸を整え、ゆっくりと瞼を閉じる。
四精霊の障壁 が耐えうるのも時間の問題・・・・・。
なれば、早々に奴等を仕留めねばならない。
水精〔ならば、こう唱えよ。“太古より存在し刻を連ねる者達よ”
“時に助力し時に破滅へと導く傍観者よ。我が願いを聞き届け”・・・・・・とな〕
千代「・・・・・・わかった」
火精〔・・・・・・チッ・・・・・・仕方ねぇ。不本意だが、協力してやるよ〕
そんな二人の会話を聞いていた他の精霊達は、彼女が持つイノセンスに吸い込まれるように向かっていく。
《ハハッ、あの女。頭が冴えるな。よぉくわかってんじゃねーか》
千代(・・・・・・いきなり出てこないでよ。フェン」
《・・・・・・。それは俺の名か?
人間のくせに、ペットのような名前付けンじゃねえ、喰い千切るぞ》
急に笑ったり怒ったりと忙しい彼に、両手で頭を抑える。
彼の感情に比例して、私の身体がスピーカーのごとく響いてくるので、耳鳴りどころじゃない。
うるさくてうるさくて、本当に堪らない。
千代(~~~っ、いい・・・加減に、して・・・!
約束は守る んでしょ・・・っ!?)
さっさと教えなさい、と彼に念じると、ぞわり、と何故か鳥肌が立った。
まるで、獲物を見つけた捕食者のような、圧倒的な・・・恐ろしいオーラに怖じ気づく私を、彼は盛大に嘲笑った。
《ああ。そうだな、約束は守ってやるさ。
あの女にも言われただろう、まずは、それをやってみろ》
千代「・・・・・・“太古より存在し、刻 を連ねる者達よ。
時に助力し、時に破滅へと導く傍観者よ。我が願いを聞け”」
彼女の言葉に反応し、イノセンスである四精霊の竪琴 が、4色の光を纏いながら変形していく。
スッとゆっくり目を見開く彼女の右目には、まるで獣のような・・・・・・妖艶で美しい琥珀色 の瞳が悪魔全てを捉えた。
《いい感じだな。
今度はお前の真名 が必要になってくる。それを使って、命じてみろ》
千代(・・・・・・真名・・・?)
真名ってどういう事だろう、と心の中で思っていると、呆れたのか、《お前の本当の名前ってことだ》と溜め息付かれた。
失礼な。そんなの知らない方が当たり前じゃない。
とはいえ・・・・・・本当の名前ってことは、要 するに“本名を言え”って事でしょ?
それだったら、【鏡月千代】で合っているのではないだろうか。
《ちげェよ、バァカ》
千代「んなっ!?」
ショックで動けなくなったと思っていた少女が、何やらブツブツと呟いているのと同時に、彼女の周りから黒い焔のようなものが渦巻いていた。
水精〔小娘・・・・・・っ、お主、その焔は一体・・・・・・〕
千代「・・・・・・・・・ゆる、さない・・・・・・・殺す」
精霊達の言葉は聞こえていなかったのか、ギッと前を睨み付けながら、大声で叫び出す。
千代「・・・・・・みんな、イノセンスに戻って。こいつらをぶちのめす」
火精〔ま、待て!今どんな状況か────!?〕
千代「・・・・・・しってる。だからこそ、今は時間が惜しいの・・・・・・それくらい、分かるよね?」
火精〔――――ッ!!〕
抗議をしてくる火精にギロリと冷ややかに見上げながら、なお要求してくる彼女に、水精が〔ひとつだけ、聞かせよ〕と静かに聞いてきた。
千代「・・・・・・何」
水精〔・・・・・・小娘、お主・・・・・・
千代「・・・・・・私に力をくれる代償に、私の血を与えた」
水精〔・・・・・・。それだけか?〕
千代「・・・・・・」
問われたはずの彼女の無言に、何かを悟ったのか、〔いいだろう〕と要求に応えていた。
まるで、この出来事を試していたかのような・・・・・・そんな笑みを浮かべて。
水精〔・・・契約せよ、小娘。妾達はお主の願いに応えよう〕
千代「小娘なんかじゃない、千代よ」
水精〔くふふ・・・・・・“千代”か。あい分かった〕
それを聞いた彼女は静かに呼吸を整え、ゆっくりと瞼を閉じる。
四精霊の
なれば、早々に奴等を仕留めねばならない。
水精〔ならば、こう唱えよ。“太古より存在し刻を連ねる者達よ”
“時に助力し時に破滅へと導く傍観者よ。我が願いを聞き届け”・・・・・・とな〕
千代「・・・・・・わかった」
火精〔・・・・・・チッ・・・・・・仕方ねぇ。不本意だが、協力してやるよ〕
そんな二人の会話を聞いていた他の精霊達は、彼女が持つイノセンスに吸い込まれるように向かっていく。
《ハハッ、あの女。頭が冴えるな。よぉくわかってんじゃねーか》
千代(・・・・・・いきなり出てこないでよ。フェン」
《・・・・・・。それは俺の名か?
人間のくせに、ペットのような名前付けンじゃねえ、喰い千切るぞ》
急に笑ったり怒ったりと忙しい彼に、両手で頭を抑える。
彼の感情に比例して、私の身体がスピーカーのごとく響いてくるので、耳鳴りどころじゃない。
うるさくてうるさくて、本当に堪らない。
千代(~~~っ、いい・・・加減に、して・・・!
さっさと教えなさい、と彼に念じると、ぞわり、と何故か鳥肌が立った。
まるで、獲物を見つけた捕食者のような、圧倒的な・・・恐ろしいオーラに怖じ気づく私を、彼は盛大に嘲笑った。
《ああ。そうだな、約束は守ってやるさ。
あの女にも言われただろう、まずは、それをやってみろ》
千代「・・・・・・“太古より存在し、
時に助力し、時に破滅へと導く傍観者よ。我が願いを聞け”」
彼女の言葉に反応し、イノセンスである
スッとゆっくり目を見開く彼女の右目には、まるで獣のような・・・・・・妖艶で美しい
《いい感じだな。
今度はお前の
千代(・・・・・・真名・・・?)
真名ってどういう事だろう、と心の中で思っていると、呆れたのか、《お前の本当の名前ってことだ》と溜め息付かれた。
失礼な。そんなの知らない方が当たり前じゃない。
とはいえ・・・・・・本当の名前ってことは、
それだったら、【鏡月千代】で合っているのではないだろうか。
《ちげェよ、バァカ》
千代「んなっ!?」