コポポ………と空気が液体の中から逃げようと音を立てる。

うっすらと目を開けば、辺りは火の海が一面に広がっていて、どこかの戦争なのか、怒号と銃音が響き渡る。

まるで阿鼻叫喚（あびきょうかん）な地獄絵図だ。





(夢にしては、やけにリアルすぎるけど………)








“―――――――――――………げ………て………ぇ………”








(……………だ、れ……………？)





誰に言っているのだろう。叫びに近い声が聞こえてきたけれど、どうもうまく聞き取れない。





(……………あなた、は……………)







“―――――――――――………て………ア………ー………ル………―――――――――――”










また同じ人の声が聞こえてきた。相変わらず聞き取りづらいけど、どうも泣きじゃくっているようで、嗚咽をこらえながら必死に呼びかけてきている。








―――――――――――　15……………目の　　　を……………ものよ　―――――――――――










私「―――は………っ！！！」





青ざめた表情で勢いよく、私は飛び起きる。

額には脂汗がじっとりと滲んでいた。





私「……………っ………い、まのは……………？」





どこなのかも知らない場所で、誰かに叫ばれたのと同時に、鉄の塊が私を貫いた。

未だに心臓が、煩いぐらいにバクバクと音を立ててる。

本当に鳥肌が立つぐらい、とても現実を帯びた夢だった。こんな夢………しかも自分が殺される夢だなんて見たことがない。




―――――――――――念願だったはずの夢が、今になって見れるだなんて、なんて神様は残酷なんだろう。




　　　　　　　　　　　　　
(……………いま、じゃなくて、あの時（・・・）見ていたかったのに)





深く深呼吸をして、辺りを見わたすと、なんか……………いつもと、違う……………？