〔･･････ここ、嫌だ。なんか怖い･･････〕



千代「･･･人の気配が微塵も感じられない･･････キキが嫌がるほど、ここはヤバいかも」



ラビ「･･････だな」





ついでに･･････この街は、なんか変だ。嫌な気配がすぐ傍で感じる。

その気配が何なのかは、全く分からないけど･･････あまり長居はしない方がいいのかもしれない。





千代(もしかしたら、この街はもう･･････)



ラビ「･･･とにかく、移動すっか」



千代「･･････そう、だね」







───────もう既に、滅んでしまった街なのかもしれない。









〔･･････鼻、曲がりそー〕



千代「･･････大丈夫？キキ、この中に隠れてる？」





私も鼻はいい方ではあるけど、人の数十倍ものの嗅覚を持つ動物にとっては、イヤな臭いなのだろう。

耳を垂らしながらそう言ってくるキキに、ショルダーバックの口を開けながらそう聞くと、すぐさま肩から駆け下りてその中へと入っていく。





ラビ「大丈夫か？」



千代「うん、ありがとう」





ラビを先頭にしばらく3人で街の中を歩いて行くと、バックから顔を覗かせるキキが、(ちょっとまって)といきなり威嚇し出した。





〔千代･･････なんか来る〕





もちろん、キキだけじゃなく私も足を止める。

なんだか、先に進むにつれて･･･ものすごく腐った卵や硫黄のような匂いが鼻につく。





千代「･･････っ、止まって」



ラビ「･･････千代？どうしたんさ？」





追いかけてこない私達に、二人は不思議そうに尋ねる。

ていうか、ラビ達は気にならないのかな？





千代「(･･････とても、嫌な匂い)何かが近い、2人ともいつでも動けるようにしといて」



ルク「何かあったんですか？」





ルクさんの問いに、私は首を横に振る。





千代「分からない････けど、とても嫌な匂いがする。2人共、気を付けて」